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ブレイク・アップ・ウィズ・フレンド

再誕歴7701年ディセンバー2日。


白熱した議論の末に【Nature Guard Army】【Avenger wise man】【Noreturn Yesterday】

【I,m Intelligence】【CurePretty】【AtoZ(アタック・ザ・ズー)】の6団体トップと

アーベントロートによる多数決の結果、 反対5, 賛成0、 棄権2と言う結果になり

ハウバリン公爵殺害は見送られた。


「我々は俗に言えば少数派では無いか、 その少数派が多数決を取ると言うのは

聊か納得しがたい」


ダブルプラスディザスターは不満気にする。


「確かに私達は少数派(マイノリティ)だけども流石に厳しいでしょう」

「と言うかハウバリン公爵を殺すのに何の意味が有るんだ?」

「そうそう、 ベネルクス政府の不評を買うのは必至だろう

テロリストになるつもりはない」

「まぁすべてぶちこわしたいきもちはわからなくもない」

「確かにそうだ・・・だが・・・」

「世間では【Nature Guard Army】はエコテロリストと呼ばれている、 今更だ」

「ダブルプラス、 あんまりそう言う事は言わないでくれ」


ダッグが溜息を吐く。


「結果としてテロになるのとテロを目的に行動するのは違うだろう」

「・・・・・ちょっと良いかダッグ」


ダッグを連れて少し離れた所で語り掛けるダブルプラスディザスター。


「何だよ」

「幾ら何でも人数が多過ぎるだろ」

「・・・・・何の問題が有る?」

「こんな大人数を動かした経験は?」

「・・・無い、 俺達の【Nature Guard Army】は500人位だ」

「甘く見積もってもこいつらは5,6000人は軽く超すぞ?

そんな大人数を動かせるのか?」

「いや、 それは」

「無理だ、 こんな大人数直ぐに瓦解する

だったらハウバリン公爵に当てて数を減らして貰おう

半分以下位にはなるだろう」

「・・・仲間を殺そうと言うのか?」

「仲間? ふん、 互いに利用し合っている間柄だろう

こんな大人数の集団100日もかからず崩壊するだろう

何れにせよ、 速攻でやるしかない」

「・・・・・」


汗を流すダッグ。


「良いか、 ここでハウバリンを殺して政治的混乱を起こし

政治的空白を作り出して我々の特区を作れば良い

後は順次浸食して行けば良いだろう、 連中の中には腹を括っていない者も多い

ここで腹を括らせろ」

「・・・・・いや、 流石に無理だ、 駄目だ

利用し合っている間柄とは言え仲間を犠牲にしたくはない

ダブルプラスだって元々は仲間の為に(・・・・・)戦っているのだろう?」

「あぁ、 その通りだ

だがお前も仲間だ、 だからこそ負ける戦いはさせたくない」

「・・・・・」


瞑目するダッグ。


「すまない、 無理だ」

「もしもハウバリン襲撃をしないと言うのならば私と実働部隊は抜けさせて貰う」

「なっ・・・」


ダッグがダブルプラスディザスターを見やる。


「負け戦に娘達を連れて行く訳にはいかない」

「・・・・・分かった、 だがこの戦いが終わり解放特区が樹立したのならば

戻って来てくれるだろうか?」

「いや、 多分お前は負ける、 牢屋に捕まるか

ベネルクス王国か他の五団体(あの連中)の誰かに殺されるかのどちらかだよ」

「・・・・・」



画して【Nature Guard Army】リーダーダッグと

実働部隊とそのリーダー、 ダブルプラスディザスターは今生の別れとなったのだった。

後にダブルプラスディザスターとその実動部隊は【赤嵐連盟】と呼ばれる武装勢力になり

後世に影響を残すのだがそれはまた別の話である。


【Nature Guard Army】【Avenger wise man】【Noreturn Yesterday】

【I,m Intelligence】【CurePretty】【AtoZ(アタック・ザ・ズー)

この6つの団体は各地に散らばり活動を始めたのだった。


【ハウバリン公爵門閥内同時多発的抗議活動】と呼ばれる事件の始まりである。

後にこの面子が協力し合っていると聞いた者の中には

本気でベネルクス王国がひっくり返される危険性があると感じたと言う。

【Noreturn Yesterday】【I,m Intelligence】は大手新聞社や貴族とのコネクションがあり

【Nature Guard Army】【Avenger wise man】は実働戦力が有り

【CurePretty】にはアーベントロート、 そしてベネルクス王国の民部大臣※1 とのコネクション

AtoZ(アタック・ザ・ズー)】には亜人権力者へのコネクションがそれぞれあった。



※1:ベネルクス王国の大臣職の一つ、 主に民間への支援を決定する。

近年新設された大臣の一つである。



コネをフル活用し相手を攻撃し

新聞社で自分達の批判を封じて逆に批判し返す

そう言うロジックで戦えば本当に国家転覆迄成し得たかもしれない。

しかしながら彼等は一枚岩では無かったのだ、 それが彼等の運命を大きく分けたのだった。

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