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ウィー・アー・ジャスティス

再誕歴7701年ディセンバー1日。


ハウバリン公爵門閥バーリィ侯爵領のエルフ自治区※1 にて。



※1:希少種族エルフが自治を行う特別行政特区

とは聞こえが良いが純正なエルフは世界を探しても30人もおらず

エルフ至上主義のハーフエルフ村の様な物である。



「随分と集まって来たな」


エルフ自治区区長のエルフ※2 とダークエルフ※3 のハーフである

ダッグが目の前の光景に恍惚としている。

彼は環境保護団体【Nature Guard Army】のリーダーでもある。



※2:森の貴人と称される耳の長い亜人種の一つ。

人間よりも長寿、 高い身体能力、 強いウィルパワーを誇るが

生殖能力が著しく低いので出生率が恐ろしく低く。

更に気難しい為に他種族と上手く関係性が築けず殺し合いになり

絶滅一歩手前の種族である、 人間との交雑も可能で

その場合はエルフの特色が薄いハーフエルフとなる。


※3:エルフの一種で小麦色の肌が特徴な亜人種の一つ。

エルフ特有の性質を持っているが種族全体としてウィルパワーの扱いが不安定で

その結果、 エルフよりも享楽的な性格になる事が多く

寧ろエルフよりも気安い性質である。

エルフに比べて遥かに広く世界中に分布しており

最近ではエルフの事を『ホワイトエルフ』と呼ぶケースも有る。



ダッグの前には様々な団体が集まって来ていた。


環境保護団体【Nature Guard Army】

魔術復権団体【Avenger wise man】

人権保護団体【Noreturn Yesterday】

共和平等団体【I,m Intelligence】

女性権利団体【CurePretty】

亜人権利団体【AtoZ(アタック・ザ・ズー)


「壮観では無いか? ダブルプラス?」


傍らに居るエルフ、 ダブルプラスディザスターに語り掛けるダッグ。

彼女はダッグよりも遥かに年上でありダッグの育ての親でもあり

【Nature Guard Army】の前リーダー。

そして今は【Nature Guard Army】の実働部隊の指揮官でもある。


「・・・・・別に、 あたしは過去にもっと大軍を率いていた

この程度じゃなぁ」

「そうか、 じゃあ演説を始めるか」


ダッグが壇上に立ちあがった。


「諸君!! 集まって貰ってありがとう!!

私は【Nature Guard Army】のリーダー、 ダッグ!!

私の呼びかけに応じて良くぞ集まって来てくれた!!

皆、 それぞれ主張は違えどこの国を

いやこの世界を良くして行こうと言う気持ちは一緒だと思う!!

皆の主張に沿った形で世界をより良くして行こう!!

私達が協力し、 まず手始めにこのハウバリン公爵領を私達の解放特区にする!!

正義の心を持った我々が力を携えれば世界はきっと良くなるだろう!!」


ダッグの演説に拍手喝采が巻き起こる。


「失礼、 私は【CurePretty】の代表のスイムと申します」


美しくしかし何処か険しい印象の黒髪の女性が壇上のダッグに呼びかける。


「この度、 この集まりに参加した訳ですが

参加に当たって、 私はアーベントロート公爵が参加なさると聞いて来ました」


ざわめく一同。

アーベントロート公爵はドイツ帝国の公爵である。

夫を失い公爵家を継いだ女傑。

しかしながら政争で大幅に権力を落とし

現在は財力を生かしてドイツ帝国外での女性の人権活動に注力している。

【CurePretty】のスポンサーでもある。


「私ならココだ!!」


皆が振り返ると血塗れになりドレスが滅茶苦茶になった

中年ながらも凛とした女性であるアーベントロート公爵が現れた。


「な、 何が有ったのですか!?」

「ここに来る途中に襲われた!! 如何やら何処かから情報が漏れたらしい!!

腕の立つ用心棒を連れていなければやられていた!!」

「用心棒?」


アーベントロート公爵の後ろに一人の少年が立っていた。

おどおどとしており、 腕の立つようには見えないが

剣をもっており、 返り血に濡れていた。


「どうも・・・・・です」


ぼそぼそと喋る用心棒。


「なんて?」

「ちょっと通るぞ」


アーベントロート公爵は壇上に上がり皆の前に立つ。


「お前達!! 私達は恐らく国から狙われている!!

国は私達を排除したいに違いない!! 私達は全力で戦い国に抗議する!!

後先は考えるな!! 逃げるな!! 戦え!!

戦わない者は私が乗って来た馬車の御者の様に死ぬだろう!!」


ざわめく一同。


「戦うんだ!! 何をしても良い!! もしも捕まってしまったのならば私が全力で救い出す!!

殺し以外だったら免罪に出来る弁護士を付ける!!」


おおっ!! とざわめく一同。


「自分達の意にそわない者が居たらそいつの職場と家族に誹謗中傷しろ!!

社会的に殺せ!! デタラメを言って名誉棄損で訴えられても弁護士に全部任せろ!!

殺し以外だったら二度と社会復帰出来ない体にしてやってもいい!!

再起不能にしてもいい!! 二度と立ち上がれない体にしてやれ!!」


わああああああああああああああ、 と歓声を挙げる一同。


「良いか!! 今日から我々が勝利するまで全力を尽くせ!!

死力を尽くせ!! 裏道を突っ走れ!! スターダムを駆け上れ!!

私が、 私達が正義だ!!」

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