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トーキング・ザ・アバウト・ウェザー

闘技場にて一人立っているマーマレード。

そして遅れてやって来るフェザー。


「レデ、 へぶっ!?」

「黙って」


フォーマーが喋り始める前にロープを投げて止めるマーマレード。


「・・・・・はぁ・・・・・」


フェザーは溜息を吐いた。


「全く持って無粋ね・・・」


マーマレードも溜息を吐く。


「報酬の為とは言え見世物で決闘をしなくてはならないとは・・・」


マーマレードはくるりと一回転。


「君もそう思うよね?」


マーマレードはにこやかにフェザーに笑いかける。


「・・・・・何が?」

「君も私と君との逢瀬に茶々を入れられるのは嫌だよね?

こうやって面白おかしく見世物になるのは嫌だよね?」

「・・・・・何で同意を得られると思うの?」

「何でって、 私と君との仲じゃない」

「・・・・・そうかな?」

「そうかなって・・・そうじゃない

私と君はバロッグ(師匠)に鍛え上げられた者同士じゃない」

「・・・・・そうだな、 君と僕とはバロッグ(おやっさん)に鍛え上げられた者同士だ

だがしかし、 昔から一緒に居るからと深い仲になるだろうか?」

「幼馴染は嫌い?」


微笑むマーマレード。


「幼馴染ねぇ、 君はヴォイドの事を嫌っていただろう」

「ヴォイド? 誰それ? 顔も思い出せない」

「そう言う所が良くないって言ってるんだよ、 君は興味の無い人間に対してぞんざい過ぎる」

「アイツの事好きな人間なんてこの世に居ないでしょう

フロッグ(カエル男)がアイツに付き従っていたのも金目当てよ

君だってバロッグ(師匠)の息子じゃなかったら好きになってないでしょう」

「勘違いしているが僕だってヴォイドの事が好きではない

だからと言ってこうやって公衆の面前でやいのやいの言うのは可笑しいだろうって話だ

チラシの裏側にでも書いてろ※1」



※1:自分の日記とかに書けばいいような独りよがりの発言を揶揄する言葉。



「君と共有したいのよ、 私の全てを」

「だから重いんだって!! 幼馴染でも距離感イカレてんだよお前は!!」

「君と私は魂で繋がっていると確信している」

「頭の医者に行けよ!!」

「・・・・・」


ニッ、 と笑ったマーマレード。


「そう言うと思って既に二つの精神科医に罹って診察を受けて来た

全く問題無いそうよ、 君は私を可笑しい人間だと思っているだろうけどもさ」


一呼吸置くマーマレード。


「フェザー!! 私は貴方を愛しています!!」

「決闘場は演劇場じゃない!!」


深呼吸をするフェザー。


「そもそもっ!! お前は頭が可笑しいんだよ!!

一体何回告白して来たっ!?」

「200飛んで21回」

「何で200回以上も告白して来るんだよっ!!

もう一度言うぞ!! 何で200回以上も告白して来るんだよっ!!

何処の世界に一人の男に200回以上も告白するヴァカが居るんだよ!!

気でも触れているのか!?」

「この世に不変の者なんて存在しない、 状況も変わって来ている

故に私は何時か君と結ばれると信じている

それに私だって努力している、 お化粧を練習したり御洒落に気を使ったり」


ドレスの裾を持ってカーテシーをするマーマレード。


「努力の方向性が可笑しい!! そんな恰好で戦えるのか!?」

「愛よりも戦う事が肝心かッ!?」

「肝心だろうがっ!! 僕もお前も決闘者だろうがっ!!」

「決闘者以前に一人の男と女でしょうが!!」

「向かい合って戦うのに男も女も関係あるかっ!!

そもそもっ!! お前は僕に勝てないだろうがっ!!」

「あ、 それは大丈夫、 勝てるから問題無いよ」


痴話喧嘩の如き喧騒から一瞬で冷めるマーマレード。


「君は嫌いでしょ? 口だけの女は」

「・・・腕が有っても態度が悪い、 こうやって見世物になっているのに

実況に直接攻撃するのは如何な物か」

「茶々入れられたくないから・・・いや、 テンションが上がったからかな」

「意味が分からない」

「君とこうして会うの何時ぶりよ」

「・・・・・」


バツが悪そうに眼を逸らすフェザー。


「何で私に黙って出てったの? 私に一言有っても良かったじゃない

私ってそんなにウザい女なの?」

「ウザいかどうかで言えばウザいよ

だが置手紙位は残しておけばよかった、 すまなかった」

「そうね、 フェザー、 あのさ」

「決闘場は演劇場じゃない、 観客達も退屈して来たころだ」

「いや、 絶対面白がっているよ」

「こんなヴァカな見世物を見て喜ぶ奴は居る訳が無い

そろそろ始めよう」

「そうね、 後は()りながらやろうか」

「じゃあファーマーさん、 申し訳ないけど開始のゴングをお願いします」

「あ、 あぁ!! じゃあ試合開始いいいいいいいいいいいいいいいいいいいいいいい!!!」


ファーマーが試合開始の合図を出した。

フェザーは剣で、 マーマレードは先の通りにロープを地面に垂らしている。

だがロープの本数が多い、 片手につき5本以上は有る。


「・・・・・新技か」

「その通り、 私も成長するん、 だよ!!」


地面にめり込ませたロープで床を剥いで持ち上げ投げるマーマレード。

フェザーには回避される。


「大技過ぎて当たらない」

「まぁまぁ、 とっておきは用意してあるよ!!」

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