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リクルート・プアー・ファイブズ

再誕歴7701年メイ4日。


ベネルクス王国首都国王直轄領ブリュッセルの

外側(アウター)エリアの事務所にやって来た10人の男女。

ボロを纏った初老の女~余裕の有りそうな若い男から様々なタイプの連中が居た。

チンピラもその場に居た。


待っていると顔を隠した男がやって来た。


「私はMr.X、 金に困っている奴を探している

一日1万ユーロは保障する、 私の下で働ける奴は居るか」


騒めく男女、 唐突に何言っているのか分からないのは流石に困惑する。


「仕事内容は何だ?」


若い男が尋ねる。


「それは答えられないな、 まだ君達は仕事をすると確約していない訳だ

だが詳しい内容じゃ無ければ話しても良い」

「その仕事は何日位出来るの!?」


老いた女が叫ぶ。


「そうだな、 大体30日位はいけるかな」

「法には触れないか?」


ナーロウが尋ねた。


「触れない、 まぁ法律の方が変更されたら触れるかもだが」

「俺は15万ユーロが欲しい、 途中で仕事を辞める事は出来るか?」


若い男が尋ねる。


「こちらとしては30日は勤めて欲しい、 が

帰宅の費用をアンタが持つのならば

事前に言って貰えれば辞めて帰って良い」

「帰宅の費用って何処に連れてく気だよ

タコ部屋※1 にでも送ろうってのか?」



※1:労働者を長期間身体的に拘束して行われる非人間的環境下における過酷な肉体労働。

奴隷制度一歩手前と言う法的に危うい行為だが

通常の就労よりも高い賃金で雇用すると言う条件で認められている仕事でもある。

送迎馬車のコスト削減の為にタコ部屋方式での労働環境を採用する職場は近年減少傾向にあるが

マーナガルム男爵は積極的にタコ部屋方式を採用している。



「いや、 【カジノ・スクイド】だ

私と共に来ればそこまでの運賃を支払い、 帰りも送ろうじゃないか」


騒めく一同。


「じゃあ俺やりますわ」

「俺も俺も、 タダでカジノ行ける様になるとかめっちゃいいじゃんか」


フロッグとチンピラが前に出る。


「わ、 私もよ!! やるわ!!」


老いた女も前に出る。


「・・・良いだろう、 何が何だか知らんがやってやるよ!!」

「・・・・・」


ナーロウと若い男も前に出る。


「では君達を採用する、 他の連中は帰って良いよ」

「え!?」

「ちょ、 ちょっと待って!! 金ないとヤバいんだって!!」


採用されなかった者達が次々と迫る。


「君達は応募条件を満たしていると言い難い」

「応募条件って応募条件は金に困っているだけだろ!?」

「彼等は真っ先に参加の意志を示したが君達はそうではない」

「っ!!」




再誕歴7701年メイ10日。


カジノ・アタリメにある警備詰め所の拘置室でチンピラは語った。


「で、 こっちに来た時にさっき言っていた機械を渡されたんだよ

最初に100ユーロ渡されて、 カジノ・アタリメ第五号館の【マーブル・ボーダー】ってカジノで

機械の指示に従って持ち金から10ユーロ使って賭け続けろって

それで勝った金から1万ユーロを差っ引いた金を上納金としてMr.Xに収めるって指示だった」

「一日にどの位勝った?」

「17000ユーロ位、 だからMr.Xには7000×5で35000ユーロが入る」


1ユーロは100円なので350万円の計算になる。


「となると仕事し始めたのは何時だ?」

「5日から初めて1日寝るとしても140000ユーロだな

俺が指示無視して捕まったからこれからの稼ぎは減るだろうが・・・」

「何で指示無視した? そもそも何した?」

「掛け金を上げたんだ、 手持ちが1万位あるから大丈夫だろって1000賭けた

勝率7割ならば順当に増える筈なんだが何故か全く勝てなくなって

掛け金を更に上げたら全部スッて騒いだら捕まった」

「Mr.Xに金を収めるって言ってたけど如何やって金を収めていた?」

「場所は毎回変わっていたよ、 例えば今日は○○のトイレの用具入れ、 とか

でトイレの用具入れに次の金の置き場所が書いた紙があったり」

「なるほど・・・スクイド男爵」


ちら、 とスクイドを見るフェザー。


「確保は厳しい、 いや、 尾行すればいけるだろうが

居場所を突き止めて確保は可能だ、 だがしかしやはりイカサマの内容が分からないと

唯の言いがかりとされかねない、 逮捕は厳しいな」

「・・・・・他の連中と話したりは?」

「したがそれでも詳しいイカサマの内容は知らない様だった

まぁ身元自体はハッキリしたがな、 一人ゴディバ公爵から賞金かけられてた奴が居たから

とりあえず通報をしてそいつだけ尾行してはいる」

「なるほど、 では実質ノーヒントでイカサマの内容を調べないといけないのか・・・

じゃあ実際に見て見ないといけないですかね?」

「そうなるな、 じゃあ【マーブル・ボーダー】に行ってみるか? 送るぞ?」

「よろしくお願いします」

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