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パブリック・トーク

再誕歴7701年エイプリル15日。


ベネルクス王国首都国王直轄領ブリュッセルの

ヒューガルデンのブリュッセルハウスに集まった

セルデン、 デトネーター、 ルン、 そして家主のヒューガルデン。


「何故私の邸に集まったのかが分からないのだがどういう事だ?」


困惑気味のヒューガルデンが問う。


「お前は私達貴族が集まると直ぐに疑うからな

それにお前の意見も聞いておきたい」


他の二人をセルデンが答える。


「?」

「まず初めにハートレスの土地が横からチーズとか言う奴に掻っ攫われた形になったが

抗議文出す奴は居るか? 出すなら私も連名で出したい」

「私は良いですね」

「私もだ」


自分の配下を推薦したがっていた二人の消極的な反応に呆れるセルデン。


「まぁかくいう私も抗議文を出す奴が居ないのならば出さないが」

「何故ですか? 気になりますね」


ヒューガルデンが謀略の匂いを感じきらりと目が輝く。


「正直に言うと推薦しようとしていたマーズ

年寄りだがまぁ能力が有るがずっと上に居座り続けるのも良くないだろうと思って

それで推薦した、 能力は有るし優秀な息子も居るが実質的な厄介払いに近いかな」

「推薦しようとしたが辞退された」

「別に次の機会でも良いかなと思って」


三者三様の答えを返す。


「ヒューガルデン伯爵、 貴方は如何するつもりだったのです?」

「如何する? とは?」


ルンがヒューガルデンに逆に尋ねた。


「ハートレスの謀略を暴いてそれで終わり、 と言う訳じゃないだろう?

奴が居なくなった後、 誰を後任に据えるつもりだった?」

「特に考えていませんね」

「・・・・・うん?」


困惑するルン。


「上にのし上がりたい奴は結構多いからな」

「考える迄も無いでしょ」

「うーん、 ちょっと考え無しでは?」

「ハートレスみたいな奴が居る事自体が間違いですよ」

「そうそう、 ハートレスだが如何なるんだ? やはり処刑か?」

「そうなりますね、 大人しくしていれば命は助かっていましたが

流石に脱獄の後にあんな大事に手を貸していたとなれば処刑が妥当でしょう」

「だからあんなガキに貴族位を与えるなとあれほど・・・」

「貴族位と言えばベルモンド伯爵の御令嬢の執事が活躍して騎士受勲をしたとか」


デトネーターがセルデンの話を遮った。


「・・・妥当だろ?」


セルデンが何の問題が? と逆に問う。


「いや決闘に一回勝っただけで騎士受勲は変じゃないの?」

「デトネーター、 ドラゴニュート相手に圧勝って割ととんでもない事だぞ?

チーズが前に五連星全員倒したから霞んでいるけども」

「じゃあその時は何故チーズに騎士受勲をしなかったのです?」

「何かの罰だった気がするぞ? 何だったかは忘れたが・・・

それにN5でもフェザーは何かしたらしい、 何かは分からん

マスク・ザ・コオニにも聞いたがアイツはヴァカだから説明が訳分からんし」

「あの訳の分からない名前の決闘者か・・・懐かしい」


嘗て妻としてセルデン侯爵領に居た記憶が思い出される。


「チーズは領地を貰えたがフェザーには領地が無いのか?」

「無いですね、 騎士でも領地が貰える訳じゃないですから

陛下からそう言う話も有りません」

「それもそうか、 ならばフェザーがこのまま執事を続ける事は有るのか?

騎士を執事にするのは変だろう?」


セルデンの言葉に眉を顰めるヒューガルデン。


「聊か狭量ですね、 貴族が執事を務める事も多々ありますよ」

「なるほどなぁ・・・・・ベルモンドの配下が何か言ってきそうだが置いておこう

ここからが本題だ」


前置きをするセルデン。


「一番聞きたい事だがチーズはハートレス領を得て何をしようと企んでいる?

ルン、 お前はハートレスと兵器開発の共同研究を目論んでいたな?」

「確かにそうですね、 ハートレスが資金集めをしたがっていたので

彼の土地で兵器開発をしました、 しかしながら彼とは意見の対立がありまして

喧嘩別れに終わりました」

「意見の対立とは?」

「ハートレスは高く売れる兵器を望み複雑かつ高性能な兵器を目指しましたが

私は安価な兵器を望みました、 ハートレスが強く推す物を無視した形になり

ハートレスが激怒してそれで終わりです」

「その兵器がハートレス領に残っている、 とかか?」

「いやいや、 その可能性は無いですね、 残った物は全て回収され

残った人も散り散りバラバラ、 優秀な人は良い企業に引き抜かれて

どうしようもない奴は・・・どうだろうな・・・まぁ警戒するに値しないと思います

そもそもドラゴニュート1体に劣る兵器だったのでチーズが欲しがらないと思います」

「そうか・・・しかしドラゴニュート5人に圧勝

そんな事が出来る奴がチーズの他に居るのか?」

「何人かピックアップしています、 いざという時の為ですね」

「流石だヒューガルデン、 それから一つ気になっているんだが

息子の様子がおかしい」

「ジョンが? あの子がどうかしたの?」


デトネーターが尋ねる、 一応は母だった事も有るのだ

心配にもなるだろう。


「いや、 決闘に勝利した筈だが何と言うか話が不鮮明だ、 何か有ったのだろうか?」

「報酬として良い医者を紹介する手筈になっていますのでそこは問題無いかと」

「医者か・・・頭の医者か? 息子が狂っていると言われるようで嫌だな・・・」

「頭も体の一部、 体が悪くなれば医者に見せるのは至極当然でしょう」

「それもそうか・・・」

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