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チーズ・アタック

再誕歴7701年エイプリル7日。


フェザーの実力を確かめられ後の憂い無くしたフェルディナントは

フェザーとの打ち合わせを行っていた。

ポリニャックや他の姉妹達も同席していたがメアリーはサンと自室に居た。


「フェザーに惚れた、 結婚したい」

「駄目です」


メアリーを一刀両断するサン。


「じゃあ妾になりたい」

「一国の姫君が妾とか駄目でしょ!! 身分を考えて下さい」

「・・・・・うぇ~ん!!!」


伏せて号泣するメアリー。


「確かに私は尊い王族の身分だから勝手が出来ないのも分かるよ!!

そして彼が平民だって分かる!! 身分違いは重々承知だし私は平民を嫌っていたし

フェザーにも『それよりもぉ、 家族所か貴族じゃ無い奴が紛れ込んでるんですけどぉ

最悪ー』とか言っちゃったし!! 誰か三日前の私を殺してよぉ!!」

「お、 落ち着いて下さいよ」

「うぅぅ・・・サンさんだっけ? 貴女も伯爵令嬢だし彼とは身分違いでしょ?

それなのに貴女は如何やって彼と結ばれるつもり?」

「む、 結ばれるって・・・」

「・・・・・」


がばっと起き上がるメアリー。


「ね、 狙ってないって事!?」

「狙ってって・・・」

「狙ってないなら私に頂戴よ!!」

「・・・・・狙っているから駄目です」

「イ゛ェァァァァァァァァ(悶絶)」


悶絶するメアリー。


「愛人でも良いから!!」

「駄目ですって・・・そもそも何でフェザーにそこまで惚れてるんですか」

「・・・・・美し過ぎた」


ぽつりと呟いたメアリー。


「あそこ迄、 人が力強くしなやかに滑らかに美しく動く様を見たのは初めてだった

まるで最上級のマナーを見せつけられた如くだった

S級決闘者って皆そうなの?」

「さぁ、 私はフェザー以外にS級決闘者を見た事が無いので・・・

チーズと言う奴も来るらしいので見て見るのは如何でしょうか」

「それは良いアイd」


ガッシャアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアンと窓ガラスが割れる音がして

良いアイデアと褒めようとしたメアリーは次の語句が出なかった。


「何が有った!!」


即座にメアリーはドアを開けて叫んだ。


「わ、 分かりませぬ!! 一旦ここはお部屋で待機を!! ドアは全力で守ります!!」


衛兵が避けび、 メアリーはドアと鍵を閉めた。


「賊でしょうか?」

「分からない、 でもこの宮殿のガラスはテクタイト※1 製だから

ちょっとやそっとじゃあ壊れない筈・・・」



※1:隕石衝突によって作られる天然ガラス。

恐ろしく強靭だが稀少性が高く、 宝石以上に金がかかる代物。

シェーンブルン宮殿の様に窓ガラスがテクタイトにするのは

国庫の数割を使わなければ出来ない暴挙である。



「失礼します!! 申し上げます!!

先程の窓ガラスの破損はS級決闘者チーズ氏が突き破ったからだそうです!!」


外で伝令が叫ぶ。


「・・・・・」


立ち上がるメアリー。

そしてドアを開ける。


「文句を言って来る、 案内して頂戴」

「わ、 分かりました、 どうぞこちらへ・・・」


メアリーは伝令と共に向かった。

ついでサンも付いて行った。







「チーズ、 久しぶり、 相変わらずの常識知らずだね」

「よぉ、 フェザー、 俺様は強いから常識に囚われない」


サン達が伝令に連れられた場所ではフェザーとチーズが対峙していた。


「まぁ君に常識を解く事は諦めたけどさ、 勝手に人の窓ガラスを割るのは如何かと思うよ?」

「ガフォガフォガフォ!!※2 俺様の実力を見せるには良いかなって思って割ったんだよ

お前は実力を測る為に態々戦ったんだろう? ウィルパワーが乱れてるぞ」



※2:笑い声。



「そういう君こそ、 相当無茶な事したみたいだね」

「あぁ、 ベネルクスから走って来た」

「相変わらず無茶を・・・まずはフェルディナント殿下に謝罪を」

「何で?」

「何でって君は【ブラック・シンゲツ・コーポレーション】の社長だろうが

一社会人として人の窓を割ったら謝罪するのが筋では?」

「別に良いじゃねぇか、 どうせ俺様が居ないと困るのはそっちだろうが

国の一大事に対してごちゃごちゃ言う馬鹿は居ねぇだろ」

「そうか、 くたばれ」


フェザーは近付きチーズに拳の連打を叩き込む。

一秒間に十数発、 紛れも無い本気の連打。


「・・・・・」


チーズは抜いたKATANAで防ぐも10発目の拳打で破壊され

しょうがないので柄で全て受け止めた。


「久々に会ったのにこれか、 お前はそうやって直ぐに怒るから嫌いだ」

「怒られる事をする君が悪い」

「チーズと言ったか?

私はオーストリア帝国皇族長男フェルディナント=ロートリンゲンだ

後で【ブラック・シンゲツ・コーポレーション】に割ったガラス代は請求させて貰おう」

「ほら見ろ、 やっぱり大して怒ってないだろうが」

「あぁ、 一応怒っているが顔には出ていないだけだ」


フェルディナントが怒気を込める。


「あぁ、 そうですか

じゃあ確認ですが俺様はやって来た決闘者を打っ殺せば良いですね?」

「タッグデュエルだからフェザーと協力だ、 出来るな」

「・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・

・・・・・・・・・・・・・・・・・・

・・・・・・・・・・・・・・・・・・・

・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・

はい、 大丈夫です」

「心底嫌ですが、 私も了解です」


露骨に嫌がるチーズと嫌がっているフェザーが返答をした。


「んじゃ、 何処で待機してればいいです?」

「僕と待機だ、 ほっとくと何するか分からないからな」

「はいはい、 分かったよ・・・」


フェザーに連れられるチーズだった。

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