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アクセプタンス・オブ・ア・デュエル

ウィーン、 シェーンブルン宮殿にて。

通信モノリスによる長時間の通信を終えたフェルディナントは自身の執務室に妹達を呼んだ。


「此度の件についてヨーロッパ連合の見解と対応を話し合って来た」

「ヨーロッパ連合軍※1 は来るのですか?」



※1:ヨーロッパ連合の軍隊、 ヨーロッパ連合に明確に敵対した国家に対する軍隊であり

ヨーロッパ連合の猛者達が所属する。



「いや相手が決闘を申し込むと言うのならば決闘で叩きのめすのが

コストがかからないと連合は考えた様だ」

「コストって、 連合の維持費とか金かけているんですから

それ位のコスト位かかっても良いんじゃないです?」


マデリーンがぼやいた。


「でもフランク王国が我が国を支配しようとしている大義名分は

存在しない喧嘩を私達がしているという点と

存在しない姫に継承権があると言ういいがかりですよ?

これを認めると?」

「一切認めない」


ポリニャックの言葉を完全否定するフェルディナント。


「ルドウィカ=ロートリンゲンなんて人間はロートリンゲン家には居ないし

骨肉の争いは起きていない、 全てクロヴィスの妄想である」

「じゃあ何で戦ってやるの? 相手は王ですら無くなった奴だよ?」


エイミーが尋ねる。


「フランク王国との決闘に我々が勝てば

フランク王国の領土の半分は我々が貰う事になった

決闘の勝利報酬の履行はEUDMOはきっちり持ってくれる事になったので

取り損ねる事は無い、 一度の決闘でここまでリターンがあるのならば受けない道理は無い

更に言うならば領土になる部分は近年の無茶な工業政策で汚染されていない大地だ」

「寧ろ美味し過ぎる条件、 って訳ね

でも決闘者は如何するの? タッグって事は二人の決闘者が必要って事でしょ?

我が国にはこれと言った決闘者は居ないわ」

「それも問題無い

決闘の勝利報酬にハートレスと言うベネルクスの犯罪者も付けた

そしてそのハートレスをベネルクス王国に移送する事で

ベネルクス王国のS級決闘者が来てくれる手筈になっている」

「ベネルクス王国のS級・・・最近噂の【五連星殺し】のチーズですか?」

「その通り」

「正直私は疑わしいですわ、 どうやったら複数のドラゴン相手に人間一人が勝てるんですかぁ?

それにタッグデュエルだったら二人いないと成り立たないでしょう?

幾ら強くても一人なら不戦敗扱いになりますわぁ」


エイミーが煽る。


「残り一人にはフェザーを使えとベネルクス王国のベネルクス95世が仰っていた」

「はぁ!? ポリニャック姉様が連れて来たあいつ!?」

「エイミー、 貴女露骨に嫌そうにするけど、 あの子は強いわよ

娘が保証するわ」

「でもでも!! 我が国の危機に我が国の決闘者が出ないのは問題有りますよ!!」

「エイミーに同調する訳じゃねぇがその通りだ

チーズと言うのが噂通りの男ならば後はウチの決闘者でも良い筈だ」


ジョセフィーンが賛同する。


「それもそうだけど・・・そもそのチーズとか言う男は何者?

身元を知らない男に命運を託したくない」

「あー・・・確かにマデリーンの言う通りかもなぁ・・・」

「じゃあフェザー君に聞いて見ます? 彼は決闘者時代チーズと同僚だったらしいですし」

「そうするか」





そう言う訳で呼ばれたフェザー。


「チーズに関して私が知っているのは恐ろしく自信過剰且つ自分勝手

プライドも高く人望が皆無、 戦闘能力だけが飛び抜けている輩です

正体は一切分かりません」

「同僚なのに?」

「奴とは関わりたく無かったので奴と仕事をすれば誰だって距離を取りたくなります

正直嫌いです、 戦闘能力は保証します」


フェルディナントの質問に答えるフェザー。


「タッグデュエルをする事になって奴がやって来るのだが」

「奴とタッグデュエルするなら私以外には務められないでしょう」

「ちょっと待った、 それは、 何? 我が国の決闘者を馬鹿にしてるの?」


露骨にエイミーがちょっかいをかけて来た。


「チーズがタッグデュエルをするのならばパートナーも殺しかねない

この国の決闘者を殺してしまうと国際問題になってしまう」

「ふーむ、 ちょっと良いかな?

君が死んだら私達はポリニャックの娘の恋人を死なせてしまった事になる

そうなると家族間がギクシャクするからどっちみちねぇ・・・」


ジョセフィーヌが問う。


「私は奴に殺されません」

「少し信用が置けないな」

「平民だしね」


エイミーにげんこつをするジョセフィーヌ。


「このエイミー(ヴァカ)とは違い、 私は肩書に囚われないタイプの女なのよ

S級決闘者と認められても実際に強さを見せてくれないと」

「強さを見せろと言われても・・・」

「決闘になるかもって国内の有名決闘代行業に幾つか声をかけた

それぞれの代行業から集められた精鋭100人、 それらと戦って勝利せよ」

「決闘では無く腕試しと言う形ならばお受けします」

「即答!? フェザー君、 幾ら何でも100人は・・・」

「奥様、 御安心下さい、 100人組手は何度か経験がありますので」


戦慄するポリニャックだった。

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