表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
103/479

イン・ベルン

再誕歴7701年エイプリル6日。


ヘルヴェティア共和国、 首都ベルン。

元々は王宮だった場所を改築した議会場の応接間にて

ブラック・シンゲツ・コーポレーション決闘者ランキング

5位のビーストと8位のダゴン、 向かう合うようにクロヴィスとトリニティーが座っている。


「帰れ?」


不機嫌そうに言うビースト。


「えぇ、 この国の財務状況が酷くて貴方達を雇う事が出来ません

本当に申し訳無い」

「帰るのは別に良いでごわすが・・・金が無い?

さっきの意識高い系の男が偉そうに講釈を垂れていたでごわすが・・・」

「口だけですね、 理想が高過ぎて現実を直視しておらず無茶な政策を連発し

工業を発展させる為に農地を縮小して

民を喰わせる事も出来ない状況になっていたのは知っていましたが

まさか工業もまともに出来ていなかったのは驚きでした

外国の企業を誘致する為に大金を使って回収すらままならない状況ですよ」

「そいつは大変でごわすな、 こんな国見捨てて決闘者になったらどうでごわす?

先の戦いを見て実力が有るとみるでごわす」

「確かに私はS級決闘者クラスの実力が有ると自負しているが」

「「A級」でごわす」


シンクロするビーストとダゴン。


「S級にはまだほど遠いぞ」

「そうでごわす」

「・・・・・まぁ、 兎も角今回は申し訳ありませんがお引き取り願います」

「分かったよ、 足代※1 は払えよ」



※1:交通費。



「どうぞ此方を・・・」


小切手をビーストに渡すクロヴィス。


「うん、 じゃあ帰るかダゴン」

「そうでごわすな、 では」


去って行くビーストとダゴン。


「・・・よろしかったので?」


トリニティーが尋ねる。


「相対して分かった、 彼等を飼い慣らすのは不可能だ」

「野生児とでぶでしょう?」

「彼等に襲い掛かったら殺されるヴィジョンしか見えなかった

私は自分をS級決闘者並の実力と思っていたが精々A級の下位クラスだと自覚したよ」


冷や汗を流すクロヴィス。


「そう自分を卑下なさらないで下さい、 私達は既に貴方に命を預けているのですから」

「すまなかった」

「・・・そうだ、 ロック殿に協力して貰ってあの二人をここに留まらせるのは如何でしょうか?」

「いや、 ドラゴヴァニアには借りを作りたくない」


首を振るクロヴィス。


「同盟相手に助力を乞うのはおかしな話じゃないと思いますが・・・」

「同盟相手? 明らかに相手の方が力が強く、 そしてバックにはドラゴヴァニア

フランク王国の三国併合が成ってもドラゴヴァニアに一時的な属国にはなるだろう

勿論広大な土地と国力で、 直ぐに独立するつもりだが

その為にも借りを作りたくない」

「小口とは言え、 借りが出来ているのだから今更な気もしますが・・・

所でロック殿は?」

「さぁ?」





噂のロックは一人、 携帯用通信モノリスで文字の会話を行っていた。


『こちらロック、 予定通りベルンの制圧を完了しました』

『こちらフラワー、 想定よりも不味い事になった』


ロックの通話相手はドラゴヴァニア貴族派閥のフラワー。

フラワーは自身の派閥内の地位向上の為に

ロックと共謀して今回の事件の原因の一端を担っている。

三国統一を成した後にフランク王国を属国にすれば多くの田畑や牧場を作れると踏んでいるのだ。


『不味い事とは何か?』

『君を殺しにドラゴニュートが向かっている』

『何か有ったら貴族派閥が守ってくれるのでは無かったのか!?』

『落ち着けロック、 君を殺した物は次期ドラゴヴァニア五連星と言うありがたいご褒美がある

これを悪用して貴族派閥のドラゴヴァニア五連星候補には

他の派閥の候補達を殺して邪魔する様に言ってある

この際だから他派閥の奴等を殲滅するつもりだ、 だからサポートは期待しないで貰おう』

『終わった時のゴタゴタの解消は本当に頼みますよ』

『任せろ、 通信終わり』


携帯用通信モノリスをしまうロック。


「・・・・・【Fワード】!! 切り捨てるつもりじゃ無いだろな・・・」


怒りに震えるロックだった。

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ