ゴー・ゲッター
ヘルヴェティア共和国、 首都ベルン。
元々は王宮だった場所を改築した議会場の応接間にて
ブラック・シンゲツ・コーポレーション決闘者ランキング
5位のビーストと8位のダゴン、 そしてヘルヴェティア共和国の共和国議長ガーファ。
「と言う訳でお二人には我が議会の専属決闘代理人になって頂きたいのです!!」
ガーファは長々と二人の決闘者に自分のヴィジョンを話し
共感して貰うと試み、 そして自分の元に来ないかと誘っている。
「話が長くて何が何だか分からんでごわす、 もっと簡潔に纏めるでごわす」
「簡潔と言いますと?」
「簡単という意味だろ」
ばっさりと切るビースト。
「簡単・・・ですか?」
「おめぇ簡単の意味すら分かんねぇのかよ?
生産性とかなんちゃらかんちゃらとか未来がどーのこーのとか言ってる割に
簡単という言葉知らねぇって俺もビックリだわ
呆れて怒る気もならねぇって言葉を聞いた事があるが
こんな気分とは知らなかったわ」
「じゃあ何処が分からないって言うんですか!!」
叫ぶガーファ。
「キレるでないでごわす、 もっと単純に話をして欲しいでごわす」
「具体的には如何しろと!? 対案でも有るのですか!?」
「契約内容と契約金を説明するでごわす」
「おいダゴン、 話聞いていなかったから知らんかったが
コイツと契約の内容話してねーのかよ、 アホじゃねーの?」
「まぁ、 長々と喋っている時点でお察しでごわす」
「・・・・・給料は年6万フラン払います」
「フランって何でごわす?」
「ヘルヴェティア共和国の通貨です」
「1フランはどの位の価値があるでごわす?」
「大体0.9ユーロですね
ただ!! 将来的には我が国は成長するので将来的にフランはもっと高くなると思います!!」
「・・・・・」
「・・・・・」
向き合うビーストとダゴン。
「がははははははははははは!!」
「ぎゃはははははははははは!!」
そして爆笑する二人。
「な、 何が可笑しいんですか!!」
「アンタ、 俺達が何の仕事してるか知らねーのかよ!! っはははは!!
俺達は決闘者だぜ!? 明日死ぬかもしれねーのに将来とか、 くくくっ」
「その通り!! 未来の金より今の金でごわす!! ぐふふ
もっと金を寄越すでごわす!! ユーロで!!」
「も、 もっと? 幾ら欲しいと?」
「年10万を先払いで5年分貰おうか!!」
「払えるかそんな大金!! 良いですか!! 我が国が繁栄した場合
貴方達は未来の教科書で偉人として語られるでしょう!!」
「死んだ後の事なんか知らんでごわす、 と言うか決闘者を雇って何をするつもりでごわす?」
「あー、 それは俺も気になったなー、 俺は強い奴と戦えれば
出来れば大金が手に入れば尚良いけど、 誰が相手だよ」
「我が国に逆らう反乱分子です!!」
「反乱分子ィ? おめぇヴァカかよ、 普通に捕まえれば良いだろうが
警邏とか居るだろ?」
「それだとコストがかかり過ぎる!!
時間を有意義に使う為に外注に任せようと思っています!!」
ドヤ顔をするガーファ。
「時間を有意義ねぇ・・・この街を見て来たけどきったねぇから
掃除の時間を作れ・・・はぁ・・・何かお前色々ツッコミどころ多くて疲れるわ・・・
何か戦う気すら失せる・・・」
萎れるビースト。
「そもそもこの国ってヨーロッパ連合から脱退したんだから
決闘法が適用されるのかが疑問でごわす、 此方が決闘を申し込んで
相手がガン無視し軍隊を引き連れでもしたら大怪我を負いかねないでごわす」
「それならば此方は正当性を得られます」
「そもそも貴方には兵隊とか居ないのでごわすか?
元々は革命勢力だから戦力になる奴は居るはずでごわず」
「70名弱は居ます」
「すくねー」
「私と共に寝食を共にし、 魂を震わせ
この国を変えようと立ち上がった者達です、 数の少なさは質でカバーです
ただ、 数が少ないので」
「ガーファ!! 大変だ!!」
ヘルヴェティア共和国の共和国副議長ジョブが慌ててやって来た。
「如何した!?」
「敵襲だ!!」
「何だと!? 一体誰だ!? 旧フランク王国の連中か!?」
「分からない!! 正体不明の集団だがドラゴンが居る!!」
「そうか、 全員に通達しろ!! 叩き潰す!!」
「分かった!!」
ジョブは慌てて去って行った。
「君達に新時代の新しい戦い方を見せよう」
「アンタが戦う訳じゃねぇだろ?」
ビーストが指摘する。
「YESでありNOだ」
「どっち? そもそもアンタが戦える人間じゃねぇってのは俺は分かるぜ?
多少はウィルパワーについて知っているっつー事は見れば分かるが
それでもドラゴンを殺すのは無理だろ」
「見ているが良い、 我々が君を頼ろうとしたのはあくまでコスト面の問題だったと!!」
そう言ってガーファは去って行った。
「・・・どうするビースト? 今の内に帰るでごわすか?」
「まぁ自信たっぷりだし観戦してから行こうぜ」
「そうするでごわすか・・・」




