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一人の少女のお話しです。

作者: 武藤

初投稿でお見苦しいかもしれませんが、温かい目で見て下さると光栄です。

いつからだっただろうか、彼を気になり始めたのは。ただ、気が付くと目で追ってしまい彼のことばかりを考えてしまう自分に戸惑いを持ちながらモヤモヤして。これが俗に言う思春期の恋、なのか?


道子はピュア、悪く言えば面食いで思い込みが激しい。顔がいい男の人と目が合うだけでドキドキしてしまい、舞い上がってしまう。でも根性はネズミの肝よりも小さく好奇心旺盛な視線を向けるだけにとどまっている。


そもそも、この「想い」を抱いた相手は正直に言うと道子のタイプではない。へにょへにょしてて子供っぽく男らしさのかけらもない。なのになんで惹かれたのか道子は不思議でならない。

それに道子はこの相手を一時期避けていた時期があった。好き避けではなく本気の嫌い避けだ。当然なことだろう、悪口を言われたのだから。性悪で女々しい男だと思った。


一年間避けに避け続けていつの間にか嫌いになった理由を忘れてしまった道子はなぜこの相手を避けているのかと疑問に思い始めた。そう思ってから気になり始め、彼の行動に無意識に目で追ってしまっていた。彼も彼でずるい、社交的な彼は道子の友達と仲が良い。道子が友達と話すときは関係ないのに何故か彼の話題が出てきて道子は嫌でも意識してしまう。


まぁ、道子はその時までは相手はただの気になる存在としか思わなかった。この思いが変な方向に向かい始めたのは意識し始めてから半年がたってからだ。彼からラインの友達申請が来た。後になって知ったがただ友達リストを整理したついでに送っただけだそうだ。

しかしその時の道子は驚きと恐怖に襲われていた。1年間避け続けまともな会話もしていない相手から友達申請が来て、承諾して一日経ってもなんの要件も言ってこない事に違和感を感じこっちからメールを送った。深夜の時間帯を狙って朝ぐらいに返信してくれたらいいなを思いながら。


でも、道子はミスをした。彼がまさかのオンライン、しかも夜遅いから寝ようと返信してきた。道子は少し暖かい気持ちになったがすぐに恐怖心に駆られた。簡潔に言うとパニくった。それはもう彼を友達リストから削除するくらい大パニック。


その日からだろうか、道子は彼に気づかれないように時々意識して視線を送り始めたのは。その時期道子も資格勉強などで頑張っていたから色々手一杯だった。でも、この変な感じは段々変な方向に向かっていた。それは道子が資格に合格し心に余裕ができた時からだ。なんか彼にも見られていると感じ始めた、確信ではなくそんな感じがしただけだが。


さすがに見すぎたかと思い道子は彼を見ないように心がけた...視線を送るときは気づかれないように細心の注意を払いながら。しかし、肝は小さいが好奇心は旺盛な道子は気になってしまった。本当に彼は自分を見ているのかと。そう心の中で思ってはいたが道子は聞くことはせず、思考に浸ってその日は気づかれないように鏡越しで彼を無意識に見ていた。

視線は感じるものだとよく聞く。でも鏡越しは例外だよねと呑気に思っていた道子は自信満々に見ていた。それなのに、鏡越しでばちっと目が合った。ちらりではなくばっちりと。普段目が合ってもあまり動揺しない道子はこの日は油断していたため、動揺を隠せなくロボットみたいな動作であからさまに視線を外してしまった。道子はこの恥を一生後悔するのであった。


時間は経ち、自宅待機命令が出され、道子は彼と会えなくなっていた。この時期道子は必要な書類を色々と集めなくてはならなく、忙しかった為特に何も思わなかった。しかし、書類作成時に道子は一つのデータ記入に困ってしまったのだ。色々試行錯誤したがどれも納得できず行き詰っていた。そこで道子は友達の奈美に自分の名前は隠して彼はどう記入したのか聞き出してほしいと頼んだ(彼しかこのデータを聞ける人を道子が知らなかったから)。奈美は人事長も務めたことがある優秀な子で身バレしないだろうと道子は自信をもってた。なのに、何故かバレた。


初め、奈美は彼が「なぜその友達(道子)は直接聞いてこないのか」と語り、悲しそうにしていたと道子に言った。道子は少し不安に感じたがまぁバレはしないと思っていた。それがだ、何故か関係のない理子という友達から「道子って彼と仲が悪いの?」ってその日の夜に聞かれた。


まぁ、道子も馬鹿ではないからバレたことくらいわかりました。礼儀正しい道子は彼に謝罪のメールを送ったんです。いい子ですね。今回も直ぐ返信されないように夜中に、、、と思い送ったが前回を思い出した道子は少し待つことにした。彼からの返信が来た。で、何故かその日から擬古ちながらもラインが続いた。道子と彼の生い立ちは似ているから話題も合って趣味も少し似ててラインが連日続く日もあった。

思い込みが激しい道子は彼のメールで一喜一憂した。彼とのメールも見返した。まさに恋する乙女そのもの。でもメールするにつれ、道子はこの感情に違和感を感じた。これって恋なのか?


道子は浮かれていた。20時という時間が待ち遠しく感じメール一つ一つに喜んだ。でも、会話するにつれなにか違うという気持ちが日々膨れて上がってきた。この人は道子を友達としか思っていないとだんだん気づいたのだ。道子は悲しんだ?少しね。でも他に言葉では表せない不思議な感情もあった。

そんな曖昧な気持ちを抱えながら道子はまた多忙な時期を迎えストレスを抱えた。道子は色々考えた上、ラインを一時期凍結し外部からの連絡を一切絶ち、自分の時間を大事にした。ひと段落終わり、勝負の日凍結を解除した道子は驚いた:彼から応援メールをもらったのだ、しかも通知をオフにしていた道子は全然気づいていなかった。道子は素直にメールを喜んだ。だって彼が道子を心配してくれたから。返信も気づいたときに直ぐした。返事は少し遅れて社交辞令っぽかったけど嬉しかった。

少し気まずくなった道子は彼の大事な日にも同じく応援メールを送ることにした。20時くらいに送ったが既読はつかなかった。まぁ大事な日を迎える前日だから当然のことだろうと思い、気にはしなかった。

しかし違ったのだ。友達のストーリーで道子は彼が道子の友達の理子とビデオ通話をして、携帯を手に持っていたのを見たのだ。


道子は悟ったわけですよ。あー、私たちの関係は普通の友達なんだなと。芽生えかけた蕾も枯れました。道子は今でもわかりません。彼に抱いた感情が何なのか。ただ、この感情は「恋」ではないけど似たような思春期独特の変なものであることだけは理解しているのです。



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一年間の区切りに。








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