あいのうた
愛とともにいっそ死ねたのなら
俺は哀と共に死ねるだろう
夢とともにいっそ散れたのなら
俺は茶に染まった君と散れるだろう
狂った時計の針を戻せるのなら
俺は君に会えなかっただろう
黒々と光る瞳の奥に1ミリでも愛を感じたのなら
君は俺を愛せただろうか
夕日のように一度光った君を抱きしめられただろうか
答えなんてない。
故に道はない。
とうに夜は来た。夕日は浮かばない。
夕日から滴る夕立ちを僕は拭うことは出来ない。
その代わり君は夜に降る雨を見ることは無いだろう。
とうにみる夢もない。
時間もない。
君と歩く道は多分ない。
すなわちそれは哀の唄である。