入学式前
中学校に久しぶりに来たな。
やっぱり少し違和感を感じる。
今日本当に入学式なのか?
いつも騒がしいはずの学校が静まりかえってるぞ。
「なぁ三月今日本当に入学式なのか?」
「そらそうに決まってるでしょ!お兄ちゃん。だって今日4月8日の月曜日でしょ!ほら私の手帳に書いてあるよ。」
「あぁ本当だな書いてある。てかお前手帳なんか書いてたのか。こんなことくらいおぼえてられるだろ」
おぼえてられる?
この私がそんなことできるわけないじゃん。
お兄ちゃんやお姉ちゃんみたいに記憶力よくないし。
「覚えとけるわけないじゃん!」
「あ~そうかお前バカだったもんな~ごめん忘れてた」
うわお兄ちゃんサイテー。
私のことバカにして~。
人間みんなお兄ちゃんとかみたいに賢くないし。
お兄ちゃんはそのこと分かってるのかなぁ?
「忘れた時ように手帳に書いてたの!何か悪い?お兄ちゃん」
「あぁ理解したお前にしてはいい心がけだな三月。少し成長したな。えらいぞ」
今日のお兄ちゃんは一体何なんだ?
でも・・・「へへっお兄ちゃんに褒められた~」
「へへっ。へへっ。へへへっ」
うわっ三月やっぱりちょれー。
俺がこいつを少し褒めたらいつもこれだ。
便利でいいな三月は。
「三月っ中学校の前で気持ち悪いわよ」
「お姉ちゃんしゃべったと思ったらいきなりひどい」
「私は三月に注意しただけよ!校門の前でへらへら笑われたら、三月も私も恥ずかしい思いをするよ」
別に私確かに少し笑っていたけど別にへらへら笑ってないと思うけどな~。
それにもう少し違う言い方あるでしょ。
私が恥ずかしい思いをする?確かに笑ってる所他の人に見られたら恥ずかしい思いをするけど、何でお姉ちゃんまで?
「何でお姉ちゃんまで恥ずかしい思いをするの?」
「そんなの考えたら分かるでしょ三月。私が三月の姉でこの学校に今日から通うから、ほかの人に、あの人の妹校門の前でへらへら笑ってたのとか、あの人も妹と同じなのかな~?とか言われるのが嫌だからよ!」
「なるほど、理解したよお姉ちゃん」
「ならならいいわ。次からは気を付けなさい!・・・そんなことより早くいくわよ」
現在時刻は8時35分確か三月が家で8時半までに学校に行かなくちゃいけないと言ってたな。あぁ5分遅れちゃってるよ大丈夫なのかこいつら。
ふと俺は周りを見渡してみる。するとさっき感じた違和感がまた感じた。学校の中に人が少ない普通入学式といったら人が大量にいるはずだ。それに校門に入学式と書いていない。
「なぁお前ら少し待て」
「何?お兄ちゃん」
「兄さんどうしたの?」
「お前ら校門を見てみろ!入学式と書いてある看板立ててあるか?」
ほんとだ看板がないわ。おかしいわね。
看板確かにないね~。でも今日は確実に入学式のはずだ。私たちが来るのが遅すぎてもうかたずけられたのかな~?
「多分もう片付けられたんだと思うよ」
「なわけあるか!普通ああいう看板は式が終わってから片付けるもんなんだよ!」
「そうなんだ・・・へー・・・そうなんだ。じゃあ今日入学式は?」
こいつらが着替えろと言ったから着替えたのにもし今日が入学式でないとしたら、今までの時間寝れたな。そうだ入学案内確かこいつら持ってるだろ。
「なぁ二葉入学案内持ってるよなそれになんてかいてある?」
「入学案内なんて持ってないわ!」
確か小学校卒業する時貰ったわね。
でも・・・「失くしたわ!」
「あ~そうか二葉の部屋あれだもんな~」
そう二葉の部屋は一言でいうとゴミ屋敷なのである。
「あれって何よあれって汚いって言ってんの」
こいつ自覚してるのか。
「別に汚いとか言ってない」
「じゃあ何よ」
「ただ、成人男性が一人暮らししてる部屋みたいだと思ってな」
「それ汚いて言ってんのと一緒でしょ!」
「二葉お前三月の部屋を見習え!まぁそんなことわは今はどおでもいい三月入学案内持ってるか?」
「入学案内?・・・確かカバンの中に・・・あっあった。はいお兄ちゃん」
「それに時間なんて書いてある?」
時間?あ~書いてある「HR8時30って書いてあるよ」
HR8時30分・・・それ普段の時間割だな・・・。確か俺の入学式の時もう少し後だったな~。
多分そのHR8時30分ってっ書いてある前に4月9日からとか書いてあるんだろう。