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猫と月の夜想曲~猫に転生した異世界転生者は脇役です~  作者: 高月 すい
第十一章 精霊の寵児
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51.貴族裁判 44


 マサトはマサトで『は? 俺?』と小声でつぶやいた。


『あんたのせいで契約できなかったじゃないっ!』


「契約!?」


 驚いたフィーナが声をあげる。


 そんな話は聞いてない。知らぬ間に何をさせられようとしたのか。


 慌てるフィーナに、シアがのほほんとした表情で緩く手を振って説明した。


「ご心配なく。

 百利あって実害ゼロなものです。

 守護できなかったので、機嫌が悪いのですよ」


「しゅ……ご……?」


「お守りする力です。

 守護の関わりで、あの方との繋がりもできますから……やっぱり、伴魂が繋がり部分もってっちゃうと、横やりできないですか」


『だから――っ。

 赤子の時に唾つけてたのに――っ!』


「リューネさま。言い方言い方。

 おひい様、引いてますって。」


『くぅ~~~っ!』と拳を握りしめて悔しがる青髪の女性に、シアが注意する。


 シアの言葉にハッとした青髪の女性は、戸惑うフィーナに『違うのっ』と慌てていた。


『生誕時に、祝福を与えていたの!

 歴代次期当主候補者にはみんなにしてたことよ!

 ――ってかディア!

 どさくさまぎれに、何横やり入れようとしようとしてんの!?』


『リューネの次は僕だから――』


 くせのある緑髪のボブの長さの女性は、キュッと、フィーナに抱きついた腕を強めた。


『リューネがダメでも、僕だったら守護できるかもしれないから試してみた。』


『私ができなかったら、みんなダメに決まってるじゃない!!』


 ディアと呼ばれた女性とリューネと呼ばれた女性。


 リューネはキャンキャン声を上げ、ディアは淡々と返している。


 二人のやりとりに誰もが呆気にとられる中、フィーナも呆気にとられながら――心情、穏やかではいられなかった。


(ちょっと待ってちょっと待って――っ!)


 自身を落ち着かせようとしつつ、混乱する。


 二人がかわす名、身体的特徴。


 時同じくして出現した二人の男性――。


『なるほど。【異界者】か』


 告げたのは、ブラウンの短髪と同色の瞳、筋肉質の体格の男性だった。


 上半身は肌の上に焦げ茶の薄布ベスト、腹部から下は、薄布のゆったりとした白のズボンを履いている。


 彼も宙に浮いている。


 フィーナの背後からマサトを興味深そうに見下ろしていた。


 声に反応してマサトは顔を上げて――硬直した。


 茶髪の男性はしばらくマサトを見て『――ふむ』と顔を上げた。


 男性が視線をはずすと同時に、マサトの硬直が解ける。





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