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猫と月の夜想曲~猫に転生した異世界転生者は脇役です~  作者: 高月 すい
第二章 セクルト貴院校
67/754

39.学年寮長【お友達申請】

(2019.7.19)

すみません……。

話を飛ばしてました……。

重要な部分ではないですけど、ないとちょっと「?」的な部分があります……。


 ひととおりの話が終わった後「そういえば」とローラがサリアに尋ねた。


「アルフィード様に報告って、どういうことなん?」


 サリアが副寮長を受け入れたのは、アルフィードに報告することで、サリアの働きぶりを知られる話だったのは、ローラにも理解できたのだが、女性寮に関係のあるオリビア様だけでなく、アルフィードにも話が及ぶ理由が、ローラには理解出来なかった。


 その話を聞いて、ローラはフィーナとアルフィードの関係を知らないのだと、サリアもフィーナも思い至った。


「フィーナはアルフィード様の妹君になるのですよ」


「アルフィードは姉です」


「……なんやて?」


 サリアの説明とフィーナの申告に、ローラは目を丸くした。


「これが……『ドルジェの聖女』の妹?」


「ローラ様、そのような物言いは……」


 ラナに諌められてハッとしたローラは、すぐに謝罪したが、フィーナもローラの思いはわかるので「気にしないでください」と告げた。


 これまでに幾度となく耳にしてきたアルフィードの二つ名だが、姉として『聖女』らしからぬ素行も知っているので、未だに違和感をぬぐえない。


 対外的な顔はそつなくこなしていたのだろう。


(カイルも、お姉ちゃんの素の顔、知ってるのかな……?)


 アルフィードに思いを寄せるカイルのことが、ふと脳裏をよぎった。


『ドルジェの聖女』としてのアルフィードを慕っているのだとしたら、フィーナとしては残念な思いに駆られてしまう。


 何でもそつなくこなせると思われがちなアルフィードだが、決してそうではないのだ。


 微笑ましいドジもふんでしまう。そうした姉を受け入れてくれればいいのだが……幻滅されるとしたら、悲しくなる。


「なるほどな。サリアが言うように、フィーナが寮長になるんが最善やん。

 王女様に繋がる後ろ盾持ってるんやから」


 アルフィードがオリビアの側仕えというのは、広く知られることのようだった。


「確かに、その点もありますけどね」


 ローラの発言に、サリアも苦笑交じりに同意した。


 オリビアとアルフィードの性格上、必要以上の手助けは望めないが、威光は相手側が勝手に思慮してくれるだろう。そうした打算を、サリアは考えていた。


 自分たちがひけらかすことはないが、相手側が勝手に考慮したことを訂正したり諌めるつもりもない。


「フィーナ、アルフィード様にもうちらのこと伝えてもらえんやろか。

 フィーナにもそうやが、アルフィード様にもオリビア様にもサービスさせもらうわ。

 ラナが世話になったお礼に、注文受けた品には、いくつかのオプションを無料でさせて頂きたいっちゅうてな。

 アルフィード様にはラナがお世話になったし、アルフィード様を派遣して下さったオリビア様にも恩があるんや。

 ホントは衣装の一つや二つ、無償提供したいくらいやけど、過ぎた礼は受け取らんお人やと聞いとるからな。

 オプション無料くらいさせてくれと話してくれんか?」


 言いながら、ローラの目の奥が、商人特有の光を帯びていたことに、サリアは気付いていた。


 王女に衣装提供した、その衣装が周囲から絶賛を受ければ、ローラとラナの名を売り込むことに繋がる。


 オリビアもそうした事情を知っているので、一つの商店の過ぎた施しは受けないようにしていると聞いている。


 ローラの提言は、野心的な部分が透けて見えるものの、言っている内容は素直な謝礼だ。


 それを受け取るかどうかは、オリビアとアルフィードが考えることだろう。


 ローラの思惑に気付かないフィーナは、謝礼ということで、素直に「伝える」と返事をしていた。


「サリア。あんたにもサービスするからな」


「その時はお願いします」


 元々、バーンスタインに衣装を頼むことが多いので、オプション無料はありがたい申し出だ。


 サリアはローラの申し出を快く受けた。


 そうした話をしている時、ラナがもじもじしながら、フィーナに声をかけた。


「フィーナさんが衣装を頼んでくれた際には、最善を尽くします。それで……お願いがあるのですけど……その……おこがましいお願いなのですが……お友達に、なって頂けないでしょうか……」


 顔を赤くしながら、もじもじと話すラナに、フィーナは衝撃を受けた。


 驚きに顔を強張らせ、体を硬直させるフィーナに、ラナが赤くしていた顔を青くして「出過ぎたことを言って申し訳ありません」と謝った。


 その言葉を聞いて、フィーナはハッと我に返って「いや、そうじゃなくて」と泡食っている。


 そして「どどどどうしよう」と冷や汗を流しながらサリアに助けを求めた。


「セクルトで初めて『お友達申請』されちゃったっ!」


「どうしたらいいの? 私なんかが受けちゃっていいの!?」


 ――と、泡食っている。


 そのフィーナの言葉に、ぴくり、とサリアの眉が動いたが、フィーナはそれに気付いていない。


「私に聞くことでもないでしょう? ラナが嫌なら受けなくていい。嫌じゃなければ受ければいいだけでしょ?」


 ため息交じりのサリアの言葉に、ラナは「嫌だったら受けなくていい」とサリアが言ったところでシュンと肩を落としていた。


「嫌なわけないよっ! これからも仲良くしてね? 私、変わってるらしいけど、見捨てないでね!?」


「一応、自覚はあるんやな」


 フィーナの言葉に、ローラが苦笑を浮かべる。




(2019.7.19)(※前書きと同文章です)

すみません……。

話を飛ばしてました……。

重要な部分ではないですけど、ないとちょっと「?」的な部分があります……。

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