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猫と月の夜想曲~猫に転生した異世界転生者は脇役です~  作者: 高月 すい
第十一章 精霊の寵児
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1.帰還 1

短かったので、本日2つ目の更新です。


 アブルード国へは、サヴィス王国からスベイン皇国を途中経路とした。


 ローラとラナは、スベイン皇国で生地の仕入れを目的としていた。


 フィーナ達はその商団に便乗し、スベイン皇国まで行路を共にした。


 その後、分かれてそれぞれの道を目指した。


「帰国はどうするか」


 その話をした時、互いに期限を区切った。


 この日までに、待ち合わせ場所に現われなかったら出発する、と。


「期限、過ぎてるよね……」


 待ち合わせ場所にはローラ達商団の姿はなかった。


 約束の期限から数日過ぎている。


 待ちきれず、出立したのだろう。


 時間制限があるのはフィーナ達だけではない。


 ローラ達――名指しで明らかにするならラナ――も、セクルト貴院校に「休みは一月」と約束していた。


 フィーナ達を待って、期限に間に合わなかったのでは話にならない。


 期限に間に合わないフィーナ達を見限り、先に出立した判断に異論は無い。


 むしろ、そうしてくれてありがたく想う。


 ローラ達商団は、人の数が多く、統制も難しい。


 日程の遵守は彼らの為でもある。


 フィーナ達のように少数だと無理が利くが、ローラ達は難しいだろうと容易に想像できた。


 馬車を走らせながら、フィーナ達は日程調整を検案した。


 結論は「無理をすれば間に合う」だった。


「無理をすれば。……って、どれだけ?」


「馬を走行可能な限り走らせれば」


 問うフィーナに、ザイルが朗らかに微笑んで答える。


 ザイルの言う意味を理解できる騎士面々は動揺した。


 意味がわからない者達は「そういうものか」と受け止める。


 アブルード国出国後、往路より馬車の速度を上げている。


 護衛としてアレックス、レオロード、リーサスが、それぞれ馬にまたがって周囲を警戒していた。


 待ち合わせ場所まで、馬車としては無理な速度で走っていた。


 それを続けるというザイルに、アレックスが訊ねる。


「馬が最後まで保ちますか」


 疲労で途中で走らなくなるのでは。


「途中で替えますよ」


 答えて、ザイルはアレックスとレオロードに、馬の手配を頼んだ。


 往路で、二人は道沿いの親戚に金銭の工面を頼んでいる。


 アレックスとレオロードに馬の工面を頼み、途中乗り替えれば可能だとふんだのだ。


 ザイルの頼みを聞いて、アレックスとレオロードはすぐ、それぞれ独自の手段で親戚に連絡をとった。


 そうした段取りをしつつ、荷馬車に乗るフィーナ達に、体の保護対策を講じた。





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