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猫と月の夜想曲~猫に転生した異世界転生者は脇役です~  作者: 高月 すい
第十章 ルーフェンスの巫女
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143.それぞれの事情 27


『察しがよくて助かるよ。

 人の姿に変じた従魔、魔法の使用方法を変えた従魔、従魔の地位を向上させた者――。

 そんな風に言われてたよ。

 興味なかったけど。

 姿変えたのだって、生まれ変わる前の記憶があった分、ホント動きづらかっただけだし。

 どうにかしたくって、人に変わる方法探して、できただけだし。

 なんでか――「変われそう」とずっと思ってた。

 どうやってかはわかんねーから、闇雲に試してたら偶然できたんだ。

 それからコツを覚えて、人でいる時間が増えた。

 ――人になったらなったで、唐突に違和感あるんだよ。

 この姿じゃないって。

 そんな風に、人と従魔の姿繰り返してたから、姿が変えられるのは周知の事実になって、宿主レイブラントを介しての魔法の件もあったから、新たな道を示したとして神従魔クリーディアと呼ばれるようになった。

 呼ばれても返事しねーけど。

 ――アルフィードの見てたらわかるだろうけど――巫女を介して魔法は使いたくなかった』


「先ほど、逃亡できないよう創主クリルロードと契約していると言っていましたが……」


 なぜサヴィス王国まで逃げられたのか。


 訊ねるザイルに『あ~……』と、マサトは困り顔で頬をかいた。


『今は、そうなってるらしい。

 俺が逃げるまでは「逃亡不可」的なのはしていなかった。

 俺が逃げた時、どさくさ紛れで逃げたヤツもいたから、繰り返さないように追加したんだろうな。

 ……俺も覚醒直後は記憶ないから、何されたか何したか、覚えてないんだよ。

 覚醒従魔は巫女に心酔するから、逃げるとは思ってなかったはずだ。

 いつどこにいるか。

 感知できるようにはされてたはずなんだが……』


 マサトはチラリとフィーナを見た。


『追手も、一度きりだしな……』


 森での襲撃後、マサトなりに気を張って周囲を警戒し、ザイルに「知識」を餌に警備を手伝わせた。


 襲撃されたとき被害がないよう、フィーナから離れていた。


 ……が。


 以降、襲撃されることはなかった。


 それが逆に、マサトを困惑させた。


 マサトの位置を確認できているのか、いないのか。


 襲撃は偶然だったのか否か――。


 張り詰めていた神経も、日を重ねるごとに緩んでいった。


 ――アールストーン校外学習。


 ――アルフィード拉致。


 気を抜いたころに事件が起きる。


 関連性は見えないが、一つだけある共通点。


 それが、アブルード国だ。





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