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猫と月の夜想曲~猫に転生した異世界転生者は脇役です~  作者: 高月 すい
第十章 ルーフェンスの巫女
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142.それぞれの事情 26


『おそらくリュカは、覚醒して間もないから、宿主レイブラントが定まってない。

 宿主レイブラントと従魔にも相性があるから、すぐには決まらないだろう。

 宿主レイブラントが定まってれば、アルフィードの魔力で魔法は使わない。

 もし――ってか、絶対、リュカは国境付近にいる。

 ヤツがアルフィードを感知できるから。

 リュカには気をつけておいてほしい』


 マサトの話は、アルフィードとリュカの状態を明らかにし、注意を促すためだ。


 アルフィードはうなずいて了承を示した。


『――で。

 殿下の魔法なんだけど――』


 言って、マサトはカシュートとゲオルクに目を向ける。


『俺ばかり話すのも何だから、そっちが説明してくんねーかな?』


 訳:ちっとはそっちの手の内明かせ。


 同席する面々は「訳」を感じ取った。


 ゲオルクはカイルの魔法を知っていた。


 説明できるはずだ。


 マサトの言葉に、カシュートは首をすくめる。


「話してもいいけど、君みたく理路整然としてないよ?」


『いーから話せよ。腹黒タヌキ』


「タヌキって何かわかんないけど、けなされた雰囲気は伝わるね~。

 じゃあ言うけど。

 ――殿下にアルフィードのような状態が出なかったのは、伴魂との長い繋がりがあってこそです。

 伴魂との関係で、魔力が往来する通路が踏みならされ、堅調となっております。

 その堅調な通路を使用して伴魂が魔法を発動させたので、殿下に影響はありませんでした。

 ――まずをもって、多大な魔力量があるため、アルフィードのような理不尽な使用をされても、数回は影響ないでしょうが。

 ……って、こんな感じだけど?」


 途中、カイルに頭を下げて説明し、最初と最後はおどけてマサトに告げる。


『ま……まぁまぁじゃねーか……』


 から笑いのマサトに、同席する面々は、想定以上の返答だと知る。


「――あとは……」


 それまで聞くに徹していたゲオルクが、口をつけたカップをことりとテーブルに置いた。


「なるようになれ、だな」


「じーさま、それ今言うことじゃないから~」


 万全を期そうとしたところへの、成り行き任せのゲオルクの発言。


 カシュートが助け船を出しても、ゲオルクはピンときていなかった。



        ◇◇      ◇◇



「アブルードの精鋭兵は、人の姿をした転生従魔と主で、主がおらずとも、転生従魔は脅威――ということでしょうか」


 ザイルのまとめに、マサトはうなずいた。


『まさか自分の為の行為が、自分に返ってくるとはな』


 と、皮肉を交えて笑う。


神従魔クリーディアとは、先駆者だからですか」


 リュカがマサトを――シンを指して告げた言葉。


 覚えていたザイルは、マサトの説明からそう感じた。




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