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猫と月の夜想曲~猫に転生した異世界転生者は脇役です~  作者: 高月 すい
第五章 それぞれの勉学事情
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47.第一王子の伴魂 11


 世話係は建前。ハロルドの魔力枯渇をどうにかできないかと奔走しているのに、主が行動を阻むのだ。


 それが良かれと思った行動であったとしても、邪魔なものは邪魔だ。


 苦々しいマサトの感情を受けつつ、側仕え二人の様子を気にしながら、ルディと今後の日程調整を話した。


 平日は無理だろうから、休みの日を軸に世話を行う。休日にこの部屋に赴くが、平日も時間がとれれば来訪しても構わない。休日も、都合が悪ければ無理をしなくていい。


 ……と、かなり緩い取り決めとなった。


(あれ……? これって……)


(――『気が向いた時でいいってことか?』)


 もしかしてと思っていたことを、マサトが代弁するように呟いた。


(――そういうことだよね?)


(――『だな』)


 フィーナもマサトもルディの真意がわからず、首を傾げつつ、こちらとしてはありがたいので受け入れた。


 側仕えの二人は眉をひそめていたが、ルディの判断に従った。


 明日、ルディから施設内への入室許可証を発行され、フィーナに届く手筈となった。


 そうした話を終えて、フィーナとマサトはセクルトに戻ったのだった。


 セクルトに戻る際も、途中、目隠しをされた。


 世話係として通う際、都度都度目隠しされるだろう。


 思いながら、フィーナはセクルト校内に戻ると、どっと疲れに襲われた。


 すでに午後の授業時間は終了し、放課後となっている。


 荷物は教室に置いたままだったので、疲れで重くなった足で向かったフィーナは、そこで認識を改めた。


 大変なのは、ルディと側仕えの方々、ハロルドだけではない。


 教室には、カイルとサリアがいた。その様子から、フィーナの帰りを待っていたのだとすぐわかった。


 カイルはフィーナを見て、心配していた表情を安堵に緩めたが。


「――フィーナ……?

 今までどこ行ってたの……?

 ルディ殿下が来られたって、どういうこと……?」


 カイルと同じく、心配の表情を浮かべていたサリアは、静かな怒りを灯した表情をフィーナに向けたのだった。


 ひぃっ! と背筋を正して縮みあがりながら。


 カイルとサリアを説得しなければならないと、思い至ったのだった。

 




少ないですがすみません。

きりのいい所で区切ってます。

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