表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
猫と月の夜想曲~猫に転生した異世界転生者は脇役です~  作者: 高月 すい
第四章 人語を介す伴魂
162/754

35.白い伴魂の事情【確認事項】


 オリビアも、ザイルとの会話から自身の答えに気付いたが――。


 それでもまだ、迷っているようだった。


 今日の話はそこで区切られた。


『質問はないか』とマサトが面々に尋ねたが、誰もが思考が追い付かず、何も聞くことができなかった。


 マサトは質問がないのを確認した後、オリビアを見て口を開いた。


『頼みがある。

 アブルードとの国交が今、どうなっているのか、調べてくれないか?

 公的に国交を絶っているのか、単に疎遠になっているだけなのか――。

 状況によって、対処も変わってくるだろうから』


 そうした頼みもあって、オリビアを含めた面々の前で、マサトは自身の事情を話したのだと言う。


 オリビアは了承した。


「私たちにも……関わる事だろうから」


 言って、カイルに目を向ける。


 カイルはアレックスとレオロードに目配せをして、状況を確認するよう促す。アレックスとレオロードはすぐさま頷いて、了承の意を示した。


 オリビアもディルクとアルフィードに目配せして、同様に状況の確認を促した。


 ディルクは受けた視線に頷いて了承を示したのだが――。


「……アル?」


 アルフィードは顔を強張らせて、マサトを凝視していた。


 ――向けられた、オリビアの視線にも気付かないほどに。


 オリビアに声をかけられて、アルフィードはハッと我に返る。


「……大丈夫?」


「……。……ええ……」


 かけられたオリビアの声に答えるものの、どこか……心もとないような……不安を覚える様子を見て、オリビアはディルクに「二人で打ち合わせをするように」と告げた。


 アルフィードの様相から、彼女がオリビアの発言を聞いていたか、あやぶんでのことだった。


 それも仕方ないだろうと、オリビアは思う。


 仲のいい妹が、危険な立場に置かれているのだから。


 姉として――家族として、心配するのは無理からぬことだろうと考えていた。


 そうしてその場はいったん、解散となった。


 口外してはならない事象を再度確認し、報告なり質問なりは、オリビアかカイルを通すこととなった。


 今回、集められた面々は、カイルかオリビアか、どちらかに親しい面々である。


 話があったときには、オリビア及びカイルは、互いに情報を共有するようにとも申し合わせることとなったのだった。

 



すみません。また短いです。

ここでいったん、マサトの過去に関する情報共有は終わりです。

……けど、情報共有だけで、過去の話はまだまだあります。

今回は端的に話しているので、これから時折々に、詳細が明らかになっていきます。

そして伏線回収はまだ続きます。

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ