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猫と月の夜想曲~猫に転生した異世界転生者は脇役です~  作者: 高月 すい
第四章 人語を介す伴魂
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32.白い伴魂の事情【使用された魔法】


 騎士団の面々もよく使っていたのだが、無効化する魔法を見たことがなかった。


 オリビアの言葉を聞いて、カイルはマサトに目を向けた。


 その視線を受けて、マサトが小さく息をつく。


『――間違い、なさそうだな』


 マサトの言葉を受けて、カイルはオリビアに向き直った。


「以前――この場で、校外学習時の騒動の確認をしているとき、マサトは偽ニックが他の国の者である可能性を口にしたでしょう。

 ――偽ニックが使用していた魔法。

 フィーナが使用した魔法と、似ていました」


『どちらもアブルードの魔法だからな』


「アブルード?」


 オリビアが首を傾げる。


 カイルとザイルから諌める眼差しを受けて、オリビアは口をつぐんだ。


 質問は後でと、非難を含んだ眼差しだった。


「フィーナとマサトは連携して魔法を使用していました。

 ――人語を介す伴魂自体、特異なので、その連携は二人独特のものでしょうが。

 問題は使っていた魔法です。

 騒動の時は、高度な魔法だと思っていたので、文献をさがせばあるのだろうと思っていましたが――どこにもありませんでした。

 事実確認をしたときに、マサトが偽ニックが他国の者である可能性を口にしたのを聞いて――疑問がふと、答えを持ったのです。

 偽ニックとフィーナが使用した魔法は――この国の魔法ではないのでは。……と」


 カイルは一度、そこで言葉を切った。


 しん、と、室内が静寂に包まれる。


 同席する面々は、所在なさげに体を小さくしているフィーナに目を向けた後、堂々としているフィーナの白い伴魂――マサトに向けた。


 誰も、何も言わない――言えない。


 口にするには、あまりにも事が大きすぎて――誰も口火を切ることができずにいたのだ。


 寄せられる視線を受けたマサトは、くっと小さく笑った。


『――正直。王子様が自ら書物をあさって、魔法に関して調べようとする気概があったとは思わなかった。

 そんなことはしないだろうと、なぜか思いこんでたから、口を滑らしてしまったんだ。

 ――非難してるわけじゃねーよ。

 話の運びも妥当だ。

 同席する者が多い場合、時系列をおって話した方が、理解を得やすいからな。

 ――話を戻すが。

 俺について話したほうが、良さそうだな。

 俺はここにいるフィーナ・エルドの伴魂だ。

 フィーナを我が主として忠誠を誓っている。

 だが――。

 フィーナの伴魂となるまでは、アブルードの子飼いとして使われていた異世界転生者だ』




短めですが、キリのいいところまで。

オーロッドもアブルード関係者だとの確認作業でした。

偽ニックに関しては「アブルードの者」と断定していましたが、オーロッドはまだだったので。

同じところの繰り返しで申し訳ないです。

これからマサトが異世界転生者であることを明かしていきます。

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