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転勤先は魔法の国  作者: NTかわち
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第47話 問答無用!

初めて奈良の大神神社にお参りに行きました。

日本最古の神社として有名で、お供えものとして卵が置かれていたのが印象的でした。

普段は入山出来るのですが、正月3日まで入れないとの事。残念です。

次回楽しみにしています。


 次の目的地は既に決めてある。南方にある王都へ向かうつもりだ。ウルクで情報収集した結果、魔法関連は王都が最も進んでいるらしい。



 この大陸はエイドスと呼ばれる。形は長方形に似ており、その中央を大山脈が横断する。大山脈を源流とする大河が各地に流れ、大地を潤し、人々はその恵みを享受してきた。増えた人口は多くの国々を生み出し、種族や民族や部族ごとに興亡を繰り返した。いわば乱世の歴史である。



 能ある者を中心に小国が大国に成り上がり、周辺を威圧する覇権国家になる。ここまでは地球の歴史と同じだが、調子に乗った覇権国家はさらに勢力を拡大しようとし、一夜にして超越者と呼ばれる者達に滅ぼされる。



 この超越者は総じて長命であり、世の動きといったものに興味を示さず、神とも呼ばれる力の持ち主である。短命な者達が造る国家など歯牙にもかけず、まるで近所のハチの巣が煩いから、手っ取り早く駆除するような感覚で、多くの国家を滅亡に追いやった。



 最も強大な力を持つものは神代竜と呼ばれる古竜、それに次ぐのが魔人と吸血鬼とハイエルフ。この4者が超越者と呼ばれる存在だ。



 もし諸国探索で帰還の手掛かりを発見出来なければ、いつか俺も手掛かりを求め、超越者を訪ねなければならない。転移技術は超高度技術だとされているので、一般の魔法使いよりも超越者を訪ねるべきだが……………。



 ウチのシャル様を観察する限り、相当変わり者の可能性が高い。その精神や価値観は短命な者と、明らかに隔絶した圧倒的な差異を感じる。


 何が言いたいかと言えば、ぶっちゃけ会いたくない。


 気に入られないと死ぬか、もっと酷い目に合うだろうし、そうでなくとも無理難題を吹っ掛けられる可能性が非常に高い。だから会いたくない。


 それはさておき、まず目の前の問題を片付けようか。





  *






 ウルクから出た俺は直接王都への道を採らず、黒い森へと向かった。招かざる客を出迎える為だ。最初に違和感を感じたのは、なんと到着から3日目だ。初めてパルとメルに会った日だ。



 最初は2人を疑った。だが動機が全く無い上に、2人は世間から爪弾きにされた孤児だ。偏見により完全に孤立していた。違和感は有るが、俺の探知を掻い潜るだけの技量は無いし、魔力レーダー談義でもメルは動揺を見せなかった。よって完全に白。





 答えは簡単だった。


 そもそも異世界人の俺の交遊関係は広くない。転移魔法で異世界から来た事と、吸血鬼の姫として、人間の天敵であるシャル様との関係を隠す必要から、意図的に没個性を装った。



 普段は討伐で休日は訓練、酒場や食堂も数える程度しか寄らず、朝昼は屋台、夜は宿屋で食事するの繰り返しだった。話掛けられてもコミュ症を装い、即会話を打ち切ることを徹底していた。



 親しくした人間は殆んどおらず、俺の探知を避わす腕利き、滞在していた半年間の内偵行動を支える財力、そして血の魔力を発現させた時に見せた動揺。答えは1人しかいない。




(なあ………そうだろ?)







「ポーメ爺さん………………」



 俺がハッキリと口にその名前を出すと、木々の背後から黒装束の者達が現れた。



「気付いておったか。ジロキチよ。」


「まあな。アンタら冒険者ギルドを、隠れ蓑にした黒い森の監視員だろ?」



 シャル様の危険性は大陸中に知れ渡っている。なら、そのお膝元の黒い森に注意を払うのは当然だ。



「…………………………………………」



 沈黙するポーメ爺さんは無反応だ。



「黒い森から戻る冒険者の監視だろ。吸血鬼化した者達を判別するための。爺さんはその監視員の元締めってとこか?」



 爺さんの顔色が変わる。目に殺意が宿り、気配が一瞬にして剣呑なものへと変質する。



「そこまで気付いておったのか……………………」



(一度剣を抜けば、あとは命のやり取りだけだ…………。それは避けたい。)



「で、提案だ。」


「この半年間、俺を見て怪しい素振りは無かったハズだ。俺は吸血鬼じゃねーし、人も襲わねぇ。これから先も、手出しされねぇ以上、こちらから相手をするつもりもねぇ。」

「見逃してくんねぇーか?」




 ポーメ爺さんは俺の発言に言葉を返さず、ただ手を挙げるだけだった。




 サッと集団がこちらを取り囲む。水も漏らさない陣形だ。一分の隙も見当たらない。全員が武装し、何かの呪文を唱えている者もいる。完全に訓練された暗殺者のそれだ。




「………………………やるしかねぇーみたいだな……………………」




 そう呟くと、黒い影が一斉に打ちかかった。



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