妹に好きな人がいるわけがない。
「やべー遅刻すかと思った~」
皐はギリギリで学校に間に合った。
「おはよ~、皐。寝坊?笑」
突如、皐に話しかけてきたのは水谷雄大だ。
雄大とはこの高校で初めてできた友達である。よく妹の相談もしっかりと受けてくれる。すごく頼りになる友達なのだ。
「腹へった~。皐は朝飯食った?」
「いや、食ってない。いま、親も海外で仕事してるからさ~」
「ん?じゃー飯どーしてんの?」
「俺の妻が作ってくれる。」
「は?お前誰と結婚してんの?」
「妹だ。」
「お前一回、警察にでもお世話になってきたらどうだ?」
半分本気で雄大は言った。
「ところで、なんで妹の朝飯を食い忘れるんだよ。珍しいな。」
雄太はすごく不思議そうな顔をしていた。
「それがな。俺の妻が俺のことを起こしてくれなかったんだよ!」
「誰がお前の妻だ。妹だろ。でそれで食べわすれたと?」
雄大の言ったことに半泣きしながらうなずいた。
「まぁー帰ってから食べればいいんじゃね?」
その言葉に皐は黙っていない。
「馬鹿なのか!。妹の熱々できたて朝ごはんを食べ損なったんだぞ!あの朝ごはんがあったからこそ毎日を乗り越えてきていたのに。」
皐はそんなことを独り言のようにブツブツと呟いていた。
「ところで、もう俺らも友達なんだし妹に会わせてくれよ。」
「なにを言っている。妹に会わせるわけにはいかない。」
「なんで?」
「好きだから。」
「それだけ?」
「そーだ。なにが悪い!」
「もしさ、妹に彼氏がいたらどうする?」
「コロス」
「もしさ、妹に好きな人がいたらどうする?」
「コロス!!」
「全部殺すじゃないか。」
雄大は皐の反応にニヤケテしまった。
「とにかく、まだ雄大には俺の妹を見せるのはまだ早いと思っている。」
どや顔で皐が雄大にむかっていい放つ。
「なら、いずれ会わせてくれると?」
皐はすこし嫌そうな顔だったが、「わかった。」と
了承してくれた。
それと同時に授業のチャイムがなった。
皐はさっき雄大が言った「彼氏がいたらどうする?」「好きな人がいたらどうする?」ということをきにしていた。皐は気にしすぎて授業が頭に入ってこなかった。
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