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神々の思惑4

 戻って来たシンガとヴァヌス

 彼らはすぐに得体のしれない最下位の二人のことを天の神ラシュアに告げた

 

「最下位の住人ですか? あそこは生命すら湧かない吹き溜まりだったはず。 なのになぜ…」


 普通ならその世界は生命が生まれようともすぐに分解されただのゴミやチリとなってしまう

 現に今まで一度も何かが生まれたことなどない

 命ある者や生命溢れるものの不要物が行きつく先がその世界なのだ


「これは恐らくですが」


 そう口を開いたのは監視の神キュカ


「あれは生命や命ではないのではないでしょうか。 あそこは私たちでも容易に近づくことのできない全く生命のない世界。 そこに産まれた存在、いえ、産まれたというのも違うのかもしれません」


「どういうことだ?」


 シンガが全く分からないという顔で聞く


「あれは恐らく集合体。 言葉を話すのも体を動かすのも不要物から得た知識でしょう」


「なるほど、興味深い」


 生命ではない動くモノ、それが神々の出した答えだった

 あれには魂がない

 あれらを動かす動力も感情もすべて不要物から得た偽りのもの

 

「何者かはひとまず置いておきましょう。 問題はあれらをどうするかです」


「今彼らの興味は世界を見ることだけのようです。 ただ、その過程であれらが気に食わなかった世界は一瞬で消されています」


「なに!? 世界を一瞬でだと? まずいなそれは、俺より強いんじゃないか?」


 シンガはどこか嬉しそうに語る


「何を言っているのです。 あなたはいざとなれば下位の世界全てを一瞬で消せるでしょう」


「ハハハ、そうだったな。 そのようなこと戦争以来していないので忘れていた」


 エイシャたちとの戦争ではいくつもの世界が消え、また生まれた

 その時シンガは本気で戦っていたため上位の世界もいくつかまとめて消したときもあった

 

「現状どこまでの力を持っているのか分かりません。 このまま放っておくのも危険かと思われます」


「ふむ、ではキュカ、あなたにはあれらの捕捉もお願いします。 それとエインカ、あなたにはいつでも私を転移できる用意をお願いします」


「兄様をですか?」


「そうですよエインカ、恐らくですが、あれらに勝てるのは私か、地の女神アイガルくらいでしょう」


 地の女神アイガルは天の男神ラシュアの双子の妹で、二番目に生まれた神だ

 

「アイガル姉様、ですか…。 あの戦争以来姉様は行方不明、一体どこに行ってしまわれたのか」


 アイガルは戦争時、エイシャと戦った末に消えた

 どこかの時空に封印されたとも言われているが、キュカですら消息がつかめずにいた

 消滅したわけではないことはラシュアには分かっていた

 大神から同時に生まれた二人のため魂が繋がっているのでどちらかが消滅すればどちらかに伝わるようになっていた

 いまだに彼女が消滅した気配はなく、非常に弱弱しいながらも力を感じるのでどこかに封印されたという結論に至った


「アイガルもいずれ見つかるだろう。 ではキュカ、監視を頼みます」


「はい」

 

「ルーナのことですが、彼女は現在パリケル、リゼラスと共に行動中のようです。 リゼラスはエイシャによる洗脳は解けたようですね」


「その者には聞きたいことがあります。 ルーナと共に捕縛できればしておいてほしい」


「分かった。 それと、俺の判断でオルファスの消滅はやめた」


「そうですか、まぁいいでしょう。 パリケルさえ消せればそれでいいですから」


 神々はそれぞれの役割を再認識しながら次の行動に移った


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