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2-17

 ついにその時は来てしまった

 空に虹がかかり、世界に響く鐘の音が鳴り始めた

 

 一度目

 虹がかかりまるでこれから来る神々を歓迎しているようだ


 二度目

 空の空間にひびが入り始め、これから起こる悲劇を示唆している


 三度目

 ひび割れた空間は砕け散り、大きな裂け目となって口を開いた


 四度目

 裂け目から一人の男神が出てきた

 消滅の神シンガである

 彼は手を振り上げた


 五度目

 振り下ろされた手の合図とともにシンガの後ろに軍勢の神ロガの作り出した神兵が出現する

 その数1万

 少ないと思われそうだがその力は一体だけで下位世界の神をはるかに上回る


 六度目

 神兵たちが武器を構える


 七度目

 

「滅ぼせ」


 そうシンガの発した言葉により、神兵は動き出した


「ヴァヌス、お前はあの愚か者に神罰を与えるのだろう?」


「あぁ、後の雑兵は任せる」


 シンガについてきていた転生の神ヴァヌスは怒りに満ちた顔をしている

 狙うはパリケルただ一人


 天より迫りくる神兵たちを見据えて桃は戦闘開始の合図を送った

 

「皆さん! わたしについてきてください!」


 女神から授かった力で戦闘に参加するすべての人々の力を大幅に底上げし、神の攻撃にギリギリ耐えれるほどの結界を張り巡らせた


 そんな桃たちよりも前を走るのはパリケルの作り出した魔導兵器たち

 姿かたちはパリケル4号よりも簡素だが、その分戦闘に特化している

 そして、さらにその前を一人の少女が走っていた

 

 その少女ルーナは現在体を妹であるサニーに明け渡していた

 ルーナよりも戦闘に長けた能力を有しているためである

 

 向かってきた神兵

 サニーは体に力の塊を纏うと一気に放出した

 たったその一撃で神兵の先兵は消え去る


「やはりか、俺の()を…。 まぁいい、本当のそれの使い方というのを見せてやろう」


 シンガはサニーと同じように力を体にまとった


「まずい! みんな伏せて!」


 サニーはすぐにルーナにシフトすると大型の結界を展開した

 自分が先ほど使った力、それは消滅の力だった

 だからこれから何が起こるのかが容易に想像できる

 桃が張った結界では上位の神であるシンガの力の前ではないに等しい

 ほんの少しでも力に触れれば消滅してしまうだろう


「はぁああああ!」


 力を放ったシンガの攻撃を大型結界で受け止める

 ルーナはこの力に見事に耐えきった


「なに!? これを受けきるか。 覚醒の時は近いようだな」


 どこか嬉しそうなシンガ

 攻撃を放ったが、ルーナが受けることを予想していた

 そのくらい軽くこなしてくれなければ神として迎えることなど到底できないとも思った

 シンガは実は消滅させることはどうでもいい

 ルーナの今の力を見てみたいかったのだ


 傍らではヴァヌス率いる神兵の軍がパリケル率いる魔導兵器軍とぶつかっていた

 なんと、魔導兵器たちは神兵たちと対等に戦えていた

 それはほかならぬパリケルの力でもあった

 既にパリケルの力はこの世界に収まることはない

 魂の根源に触れ、パリケルはイマジンという力を手に入れていた

 想像したものを創造できる力

 その力はまだ弱く、機械を作り出すことだけに特化しているが、このままいけば彼女は世界すら創造できるかもしれない

 それこそこの世界が消される理由

 パリケルを消滅させる理由だった

 あまりにも神に近づきすぎている

 神の力を得たルーナとは違い人の身でありながらその域に達しつつあるのだ


「ばかな! 何故だ何故だ何故だ!」


 ヴァヌスはパリケルの思わぬ反撃に驚き取り乱した

 ヴァヌス率いる神兵たちは既にその半数が魔導兵器によって倒されている

 魔導兵器たち自体もその数を減らしているが、まだまだ戦力は残っている


 戦いは、神々の劣勢となってきていた 

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