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パリケルの決意

 ここは魔導世界オルファス、ルーナが数ヵ月前までいた下位次元の世界だ

 ルーナが去ってからこの世界の女神と人々は和解し、現在は平和そのものである

 

 かつてのルーナの仲間であるパリケルとトロンは次元渡りの研究に没頭していた

 その研究には女神達も協力している

 女神自体が使える召喚術を基にして次元渡りの術として再構築する

 理論が理解できはじめ、もう間もなく完成といったところだ


「この部分の術式がどうもうまくいかないぜな」


「そうだね、女神様、どうでしょうか?」


 トロンは横で白衣を着て立っている美しい女神に問うた


「そうですね、召喚術式を反転させただけでは次元を渡ることなど到底できませんが、さらにこうして転移術式を多重に組みなおせば何とか渡れるようになると思います。 ただ、それでも渡れるのは一人が限界、一応召喚術式は安定しているのでいつでも帰ることはできるでしょうが、一度帰ってくればもう二度と渡ることはできなくなるでしょう。 それに、反動がどうなるかもわかりません。 何も起きないことも考えれますが、もし渡った者に反動が起きれば、よくて記憶喪失、最悪の場合存在そのものが消滅することもあり得ます」


「消滅?ですか」


「えぇ、存在そのものの消滅、その場合私たちでもどうすることもできません。 その方がいたという記憶すら消えてしまうので…」


「それ相応の覚悟が必要だということぜな」


 パリケルにはその決意があった

 もとよりこの研究はパリケルが呼びかけて始まったものだ

 次元に興味があったトロンはもとより、ルーナの正体を知りたい女神も加わり着実に研究は進んでいた

 自分たちを簡単に倒し、復活さしめる異質の存在である少女

 下位次元の存在である女神達にはルーナが何者かを知らされていなかった

 かつて全ての世界を消し去ろうとした存在“破壊神”

 その力を持つ少女のことを

 知りたいという好奇心が女神を動かした


 神々は全てが一つの創造主の元より生まれた存在、いわば兄弟姉妹であった

 これは全ての神々が知ることではあるが、下位次元の神々では知りえない情報も数多ある

 その一つがルーナの正体についてだ

 これについては下位次元にかかわらずほぼすべての神々が知らない

 最上位の神々でもほんの一握り、創造主の側近三人だけだ

 破壊神の力を宿せるほどの器、それを操る精神力

 とてもただの少女たちにできるようなことではない

 

 パリケルは間もなく完成する次元渡りの装置を眺めてあの少女のことを思い出した

 途轍もない力を持ちながらも優しく、普通の少女にしか見えなかった彼女

 あの子の正体を知りたい、次元について知りたい、世界の在り様を知りたい

 それがパリケルを突き動かしていた

 

 それから数日後、とうとう次元転移用の装置が完成した

 わたる者に何が起こるかわからない

 それでもパリケルは向かう

 持つのはいくつかの生活用品と自動からくり人形パリケルちゃん4号、そしてルーナの元へと導くためのルーナの羽だ

 危険は承知の上

 パリケルは笑顔で


「行ってくるぜな!」

 

 そう言うと装置が作動し、パリケルの姿が消えた


いつから彼らが出てこないと錯覚していた?

すいません、この子だけは好きなキャラなので再登場させたいと考えてました

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