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2-4

 簡単な依頼をこなし続けて数日、仕事の速さと正確さを買われてランクがFランクに上がった

 討伐依頼はまだ受けることはできないが、受けるつもりもないのでFのままでもいいと思った

 Fランクに上がったことで少し以来の幅が広がった。 薬草採取などの簡単な依頼だけでなく、街での仕事の手伝いなどもできるようになった


 街ならば魔物と戦う心配もないのでまずは配達の依頼を受けることにした

 食料品や日用品の配達を頼まれた家へと運ぶだけの簡単なお仕事で、地図は分かりやすく書かれていたため迷うことなく依頼をこなした。 ルーナは目にもとまらぬスピードで動けるので通常よりもはるかに早く配達できた

 あまりにも早かったしルーナは見た目が可愛いのも相まって報酬は上乗せしてもらえた

 銀貨1枚とおまけの銅貨20枚を受け取り、しばらくはゆったり暮らせそうと喜んだ


 それから数日間、街の依頼を着実にこなしたルーナは街で少し有名になってきていた

 可愛さと仕事の速さ、そして誠実さで段々と人々の信頼を得ていき、指名の依頼も入るようになっていた


なんだか、こういう暮らしも悪くないね


そうだねお姉ちゃん、私たちの世界に戻ったらこんな感じで暮らそう


 二人でにこやかに笑いあうと宿屋に戻った


「お帰り、ルーナちゃん」


「ただいま、おじさん」


 宿屋の主人とはすっかり打ち解け、挨拶をしあえる仲になった

 主人はすっかりルーナのファンになっており、いずれ名のある冒険者になるとふんでいた


 それからしばらく街の依頼を受け続けた結果Eランクへとすぐに上がった

 ここからは討伐依頼も受けれるようになる

 だがルーナには受ける気はさらさらなかった。 実力がばれてしまうことは避けたい


 しかし、その願いはかなわなかった

 街を魔物が襲撃したのだ


 その日も朝から街の人々の依頼をこなしていたルーナ

 昼前にはすべての依頼が終わるところだったのだが、突如街の門付近から悲鳴が上がった

 最近魔物が増えてきたため街が襲われることもたまにあったのだが、その日は街の衛兵たちだけでは対処できないほどの強力な魔物が現れた

 ジュガと呼ばれる呪いの魔物、その魔物に襲われ傷を負えば呪われ、傷口がふさがることなく苦しみぬいて死ぬ

 姿かたちは虎のようで、それに二本の禍々しい角が生えている

 ジュガは衛兵を襲い続け、すでに何人かが呪いを受けて運ばれていった

 一般人にまで被害が出始めている

 

 よくしてもらった街の人達、それが目の前で襲われている

 ルーナは怒った。 だから、ジュガを一撃で屠った

 相手はAランク指定の魔物である。 それを一撃でだ

 周りの人々が驚いているが意に介さず、傷つき呪われた衛兵や一般人を治療した

 呪われればあとは死を待つばかりだったはずの彼らは目を丸くして驚いているがルーナは何も言わずに熱心に治療した

 やがて治療し終えると周りから感謝の声が上がった

 死を覚悟していた人々はルーナを拝むように取り囲んだ

 ルーナのおかげで怪我人も死者もいない

 死に直結するような怪我人も全員ルーナが治療したのだ

 

 こうしてルーナはこの街で英雄となった

 本人の意図とは関係なく


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