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2-3

 目が覚める。 今までの出来事が夢だったのではないのかというくらいすがすがしい気分になった

 それも、妹が自分の中にいるとわかったおかげかもしれない

 

おはようサニー


おはよう!おねえちゃん


 心の中であいさつを交わし、顔を洗って食堂へと向かう

 食堂ではすでに宿の主人が働いており、朝食だろうか、トーストの焼けるいいにおいがしてきた


「あの、朝食をお願いします」


 主人に頼むとすぐににこやかに用意してくれた

 用意されたのはこんがり焼けたトーストにカリカリベーコンと目玉焼きを乗せたもの、それとサラダだ

 トーストをかじりながら思う。 今は至福の時で、怖いくらいの幸せがあるが、これがいつまで続くのだろうか?

 ふと第二の母ともいえるミシュハを思い出した。 自分のせいで死んでしまった彼女を思い出すと自然と涙が頬を伝った


大丈夫?お姉ちゃん


う、うん、私は大丈夫。 サニーがいるもの


 自分たちがかかわって死んだ者がいる。 力にのまれ殺してしまった者たちがいる

 なぜ自分たちがこんな力を持ったのかはいまだに分からない

 神々の力によって償いは済んだとはいえ罪は消えない

 ルーナは子供が抱えるにはあまりにも大きすぎる罪をずっと抱えていた

 

 朝食を食べ終えるとこの世界を見て回ることにした

 もしかしたら元いた世界かもしれない

 ルーナがまだルニアだった頃に家族と共に暮らしていた世界。 ミシュハたちがいた世界だ

 ひとまずはそこへ戻ることを目標とした

 あの頃、まだ幼かった二人は自分たちの暮らしていた村しか知らず、国の名前も街の名前も知らない

 唯一最近知ったのはミシュハたちのいた国、エイストラハイムのみ

 この国さえ見つければ元の世界へと戻ったんだと実感できる


 情報を仕入れるためにこの世界にもある冒険者のギルドへと行ってみることにした

 朝食を食べ終え、主人に礼を言ってチェックアウトするとすぐにギルドへ向かった


 ギルドには情報も数多く集まる。 危険な情報ならばそれなりのランクが必要だが国の名前を調べてもらうくらいならば最下位のランクでも問題なく聞くことができた


 その結果、この世界にそのような名前の国はなかった

 つまりこの世界はルーナの世界ではない

 がっかりしたが、すぐに立ち直して次の目的を定める

 この世界から再び飛び立つのだ

 既に自ら次元転移ができることを理解できたが、サニーが言うには次に使えるようになるまである程度のインターバルが必要となるらしい

 その期間は3か月から1年、世界のマナの濃度に寄るらしい

 地球のように濃度があまりにも低ければ一年以上かかることもある

 前回地球から転移できた時は既にマナが溜まっていた状態だったからだろう(力を取り戻したばかりだったため)


 ひとまずこの世界にはマナが満ちているため三か月ほどで溜まるだろう

 それまではこの世界にとどまるしかない

 暮らすのにもお金が必要なため依頼を受ける

 

あまり戦いたくないなぁ


・ 討伐依頼を避けて雑用などの依頼をチマチマこなしてお金を稼ぐ

・ 三か月間目立たずに過ごす

 

 それを指針としてこれからの目標を立てた

 この街を拠点としてお金を稼ぎつつひっそりと、目立たず、自分の力で誰も死なないように

 ただただ平和に…


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