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神々の思惑

 神々が集う真っ白な何もない世界

 ここではすべての神が集まることができ、世界のありよう、方針を決める会議などが行われる場所でもあった

 久しぶりに集まる兄弟姉妹たち

 彼らは皆一柱の大神から生まれた

 それぞれが世界の管理をしていたり、何かをつかさどる神だったりと、それこそ多種多様の神々がいる

 その中で大神から最初に産まれた天の神であるラシュアがざわつく神々を静める


「皆も存知かと思うが、我らが愚昧である破壊神エイシャは滅された」

「だがその力はとある世界の人間の双子の姉妹に注がれたらしい」


「危険です!暴走する前に回収しましょう!」

 

 一人の女神が立ち上がって発言した


「それは無理だな、もうすでに暴走しており、多大なる被害を出している」


 ラシュアは困ったように首を振る

 やっとの思いで破壊神となった末妹を討ち滅ぼしたというのに、新たな問題が生まれてしまった


 エイシャはもともと力をつかさどっていた最後に生まれた神

 この世界すべての力あるものの管理を任されていた彼女は監視対象である一人の勇者と恋に落ちた

 神々はそんな彼女の行動を一切認めなかった

 それでも彼女は恋をやめない

 そのため大神から消滅の神に命令が出た

 すべて消し去れと

 消滅の神は実行した。 そこに何の感情もない

 エイシャの恋した勇者もろともその世界をすべて消し去ったのだ

 

 エイシャは絶望し、激怒した

 あまりにも理不尽だと泣きながら訴えた

 しかし誰も聞き入れてくれない、彼らにとってはたった一つ世界がなくなっただけのこと

 壊れれば作り直せばいい、ただそれだけのことなのだ

 

 エイシャはとうとう神々に反逆を起こした

 大暴れし、向かってくる神々を圧倒し、消滅させた

 力の神だけあって理不尽なほどの強さを持ち、大神の寵愛からか他の神々とは一線を画していた

 

 その反逆は失敗に終わる


 生き残った神々によりボロボロにされたエイシャは

 命からがら自分の器となれる者を探し回る

 そして見つけた


この子ならば私の力に耐えきれる

死ぬことはないはずだ


 エイシャはとある世界の双子の妹の方に入り込んだ

 力を取り戻すまで体を借りるつもりだった

 しかしその時あまりにも大きな力を振りまいたためその子の両親は死亡

 あたり一帯も消え去った

 唯一残ったのは双子の姉

 その姉の方はまるでこちらの力を奪うように妹に入り込む力の半分を吸い取った

 これはエイシャも予期していなかった

 

 予想以上に力を吸い取られた為エイシャは自分を保つことができない

 その結果


 双子は暴走した

 この世界の国々を破壊して回り、破壊神と呼ばれるようになった

 

 彼女たちの暴走は収まらないかと思われたが、まるで奇跡のようなことが起こった

 双子が力の制御を始めたのだ

 自我が戻ったわけではないが、その制御に伴い段々と双子は意識を取り戻す

 

 そして自分たちのしてしまったことを理解した

 

 目の前にいるのは一人のエルフの少女

 そしてその傍らに倒れるその子の両親の死体


 理解してしまった

 双子は逃げるようにその場を去る

 妹の方は心が壊れそうになっていた

 だから神に祈った

 妹を助ける代わりに自分がすべての罪を背負うと


 その願いは聞き入れられた

 神々にとってはそれが好都合だった

 溢れ出んばかりの力は邪悪に染まり切っている

 新たな力の神誕生のためにその邪悪を浄化する必要があった

 だから転生の神ヴァヌスは彼女の魂を地球へと転生させる

 様々な試練を与え続けその魂を浄化していった

 

 やがて浄化は完了する

 転生の神ヴァヌスはその魂を元の世界へと戻す

 彼女自身の肉体は既に滅びていたため封じられていた妹の体へと

 神々はその双子の様子を見守ることにした

 新たな力の神として育てるために


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