表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
368/384

石野の異世界放浪記16-2

 急に何者かに声をかけられ振り向く石野

 その視線の先には少女二人が立っていた

 どちらも十代前半の見た目で、髪の色や目の色が同じことから姉妹と思われた


「あ、あの! あなたも神様なのですか?」


 少女は恐る恐る聞いているようで、石野のことを警戒するかのような視線を向けて来る


「いや、俺は女神アマテラス様の使いだ。 そう言う君は? 君からはかなり強い神力を感じるが」


 その少女の体からは上位の神々と同じか、それ以上の神力が流れ出ているのを感じた

 その後ろにいる妹らしき少女からもその気配が漏れ出ている


「私達は救世界の女神で、私が“想像の女神”プリシラです。 こっちは妹で“連想の女神”ミーラです」


 どうやら本当に姉妹だったようで、姉のプリシラに妹のミーラがひしと抱き着いてこちらをこわごわ見ていた


「よ、よろしくお願いします。 ミーラです」


 プリシラの影に隠れながらも一生懸命に自己紹介をしている

 だが石野は疑問に思った

 大半の上位の神々が消えた今になってなぜこのように力ある女神が自分の目の前にいるのか

 彼女たちは一体どこにいて、今ここにいるのはどうしてなのか

 

「君たちはなぜここにいるんだい? 上位の神々はほとんどが消えてしまっている。 一体君たちはどこから来たんだ?」


「私は、救世界から来たと言いましたよね? 救世界は隔離された世界、私の母である救済の女神メシア様が作られた世界です。 それ故に発見されることはほぼ皆無と言っていいでしょう。 その世界から私はルーナという女神を探すために派遣されました」


 最後のその言葉に石野は耳を疑った

 

「待ってくれ、今ルーナと言ったか? 俺の娘を探していると」


「娘さん!? え、本当ですか? それにしては年が」


「あ、ああ、俺は確かにあの子の父親、まあ義父と言うやつだ。 この姿はアマテラス様の神獣となったのが原因だろう」


「なるほど、それであなたから神力をかんじるのですね」


「しかしなぜ俺の娘を探しているんだ?」


 その問いに対してプリシラは一所懸命に伝え始めた

 彼女が言うには今世界で起きている異変、世界が消えるという異変に対して救世界は力のある者を集めていたのだそうだ

 メシアはそんな中でルーナというとてつもない力を持った少女を発見する

 その時まだルーナは女神として覚醒してはいなかったが、それでも今後の成長を見込んでプリシラを派遣したのだという

 メシアの考えはあらかた正解であり、ルーナは確かに力ある女神としての覚醒を果たした

 その力は並み居る神々を超えるものであり、神々のまとめ役でもある長兄、天の神ラキアすら軽く超えているほどだった

 プリシラは今まで様々な世界を回りルーナを探し続けたのだが、一向に見つけることができず、途中で出会ったミーラを眷属として、また妹として向かい入れたりもしながらも次々に世界を巡り続けた

 そんな中今日今ここで石野に出会ったというわけであった


「そうか、なるほどな。 そう言うことなら俺たちも一緒に行こう。 俺たちもとある理由であの子を探しているからな」


 石野は変わってしまった娘のことを思う

 何者かに体を乗っ取られた心優しいルーナは自分の意図とは関係なく世界を破壊している

 何とかして娘を助け出したいというのが石野の願いだが、現在の石野やその仲間の力では歯が立たないのは目に見えている

 それほどまでに体を奪われたルーナと石野たちとの実力には差があるのだ

 なればと石野は力ある仲間を集めることにした

 それが今石野にできる最良の選択であり、来たるべき日のため着実に仲間を集めている

 くしくもそれはメシアの考えと同じで、メシアの集めた者たちも含めるとゆうに戦えるだけの数は集まりつつある

 だからこそプリシラという力ある女神の存在も石野にとっては心強いものだった


「いいのですか1? 私、お役に立てるかわかりませんよ?」


「何を言ってるんだ。 志を同じくするなら役に立てるかどうかなんて関係ない。 それに、あの子を助けるには君のような存在が必要不可欠なんだ」


 現在どの世界の者だろうがルーナに敵う者はいない

 それがルーナの妹のサニーであろうともだ

 

「ではよろしくお願いします。 妹、ミーラの修行もさせていいでしょうか?」


「ああ、俺たちにできることがあれば何でも言ってくれ」


 これにより石野はプリシラとミーラという心強い仲間を加え、ルーナを探すため世界を超えた

 だが石野は未だに気づいていない

 ルーナに対抗しうる味方をすでに引き入れていることに

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ