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光と従者2

祭壇に祈りを捧げると祭壇が光り、その上にゲートが開いた。 神の世界へ繋がったのだろう、そこからは神聖な力が溢れていた

そしてゲートから身体中が宝石でできている女性が現れて笑った


「まぁまぁまぁ、光の女神じゃない。 私の世界でどうしたと言うの?」


彼女こそが宝石の女神ジュエラ。 宝石人の祖神だった

にこやかな笑顔を向ける彼女からは慈愛と優しさが伝わってくる。 その目はしっかりとイナミを愛おしそうに見ていた


「あなたが、ジュエラ様ですね?」


「あら、私に様付け何てしないでね。 あなたと私は対等。 同じ上位の女神なんですもの。 最も、私の事は皆にジュエラさんって呼んでもらってるんですけどね」


彼女は誰に呼ばれようとも様付けを嫌がり、例え人間でもさん付けで呼ばれるのを好んでいる

彼女は首をかしげながらイナミの答えを待った


「実は、今神や闇、古の支配者や力ある者達全てが力を合わせなければならない事態が起こっています」


イナミは今のこの状況を詳しく説目した

それをゆっくりと噛み締め、しっかりと理解したジュエラは喜んだ


「まぁ! こんな私も手伝えることがあるのですね! 思えば私はずっとこの子達宝石人のみを見守ってきました。 確かに私は戦う力は持ち合わせておりません。 しかしいつももっとなにかできることがないかと常々考えていました」


ジュエラはまるで少女のように喜びながらイナミに抱きつく

硬い宝石でできた体であるためイナミは少し痛みを感じたが、嬉しそうなジュエラを見て黙った


「戦わなくていいんです。 ジュエラさんと宝石人の皆さんは安全な世界で隠れていてほしいんです。 敵は、異放者は戦えない者から狙っているそうなんです」


異放者の情報は原初から得た情報だ

混沌に接触して何かをたくらんでいるらしいと聞いただけだが、警戒しておくに越したことはない

それに宝石人はこの世界にしかいない稀少な人族だ。 失うわけにはいかなかった


「分かったわ、ありがとうねイナミちゃん、きっと私の大事な子供達を無事安全な世界へと導いて見せるわ」


彼女は確かに戦えないが、その本質は護ることにある。 彼女が本気で守りにはいれば何者をも寄せ付けない強力な盾となる

それも異放者には通用しないかもしれないが、神々でも無類の鉄壁を誇る彼女ならば逃げる時間を稼げるかもしれない


「それでは私たちはこの子達と旅の支度をします。 イナミちゃんも、気を付けてね」


ジュエラはイナミを再び抱き締めると手を振った

イナミも手を振り替えしてゲートを開くと次の協力者を探して別の世界を目指す


「ジュエラさん、素晴らしい方だったでしょう? 光の女神様は」


「ええ、また会いたいわ」


「会えますよ、彼女達の戦いが終われば」


「そうね、それを楽しみに待ちましょう。 さぁメルレスト、私たちは支度を」


そう言って振り返ったが、メルレストの姿が忽然として消えていた


「メルレスト?」


呼び掛けたが返事はなく、祭壇から出た様子もない

ジュエラは不安を覚えながらも自らの足で国中を見て回ったが、すべての住人が消えている

涙を流しながら声を張り上げて自分の愛しい子供達の名を叫んだが、誰も答えない

そこに一人の少女がなんの前触れもなく現れて不気味に笑った


「あ、あなたが私の子供達を、消した、の?」


少女は何も答えず、ただ笑っている


「答えなさい! 私の子供達をどこへやったの!?」


声を荒らげると少女は手をジュエラに向けて力を行使する

そこからは途轍もない力を感じると同時に何も感じれない。 そこがジュエラには不気味に感じられた

逃げようと振り返った瞬間、ジュエラは跡形もなく消えてしまった

少女はクスクスと笑い、宝石の世界を消し去ってしまった

後には何も残らず、ただ何もないという状況だけがそこに…

少女の姿はすでに無い

人々と、神と、そしてひとつの世界がまた消えてしまったのだ

既にこの大世界の20パーセントが少女の手によって消されている

それを知ることもなく、イナミは次の世界での協力者を探しはじめた

彼女はまだ目の前にある平和しか見えていない

知らないというのは幸せなことだ

今起こっている恐ろしいことも、友人のルーナがどうなったのかも知らない

目の前に広がった大草原から一歩踏み出し、力の気配を手繰る


「リゼラスさん、僕たちの行動は、ちゃんと世界の役に立っているんでしょうか?」


「分からないが、役に立てていると信じたいな」


二人はゆっくりと歩み始めた

家の回線がおかしくなったのでスマホ投稿しました

変な感じになってるかもしれません

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