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石野の異世界放浪記13-1

 私はなんで女神とこんなところにいるんだろう? この女神様はすごくフランクでサバサバしてて、一言で言うといい人、いえ、いい女神

 まぁいい女神って言い方もおかしいのかもしれないけど

 私のこの力、死強、死の女神としての力、そして模倣の女神としての力

 死ねば死ぬほど強くなる力は死の女神の力と相性がいいみたい

 自らを死の力で死なせ、死強で強くなって蘇る

 限界はないのか、少しづつだけどどんどん強くなっているのを感じる


「しかしまぁ特殊な女神が生まれたものだ。 俺もなんだかおかしくなっちまったが、お前ほど変じゃねぇし」


 剛腕の女神ミナキと私はここまでともに旅をして友情を感じている

 彼女に何度も助けられ、逆に助けてミナキの探し人を探す

 とりあえず今は何の変哲もない平和そうな世界で休憩かな


「それにしてもよう、死強ってのは遥か昔にこの世界とは別の世界から来た異放者が持ってた力だ。 なんでお前がその力を持ってるのかは分からねぇけどよ。 この世界の神々じゃ手に入れれなかった力だぜ」


「その、異放者っていうのは何者なんですか?」


 ミナキは聞き伝えに聞いただけの話だと前置いて話してくれた

 その異放者というのは、この世界、数多ある世界が集まったこの大世界とは別の大世界から来た者のことをさすみたい

 かつて来た死強の力を持った人はすごくいい人で、大世界を渡り歩いて旅をしていた

 この大世界にもフラっと立ち寄ってみただけで、すぐにまた旅立っていったらしい


「まぁ俺も聞いただけだからさ、よくは知らねぇんだけど」


 ミナキはお兄さんから聞いたみたいだけど、そのお兄さんも伝え聞きだったらしいから、誰から話を聞いたのかまでは分からないみたいね


「はぁ、こうしてお前とだべってると平和で泣けてくるぜ。 神々のしがらみも何もかも忘れちまう」


「いいんじゃない? 平和が、一番よ」


「そりゃそうだ。 俺も平和が好きだ…。 ん? 何だこの気配」


「何かしら、すっごく強い者が近づいてきてる?」


「アナサ、避けろ!」


 ミナキの声で私は慌ててその場から飛び起きて何かが来るのを避けた

 直後に転移門が現れてその中からかっこいい男性と目を奪われるくらい綺麗な女の人が二人飛び出した


「く、岸田、テンコちゃん、大丈夫か?」


 その男の人は倒れ込んだ女性二人に手を貸して立ち上がらせる

 やだ、何ていい男なのかしら


「む、すまない、迷惑をかけたね君たち」


「い、いえ、そんなことないでしゅぅ」


 私は思わずミナキを見た

 彼女は目をハートマークにして男性の顔を見つめている

 ウソ、キャラまでかわってるじゃない


「おれ、私、ミナキって言います。 あの、貴方は?」


「石野だ。 しかし、参ったな。 君たちは神様じゃないのか?」


 驚いたことに彼は私達の正体を正確に見破っていた



 石野はリュコの開いたゲートをくぐった瞬間、目の前に少女が二人いるのが見えてつんのめってしまった

 その後を岸田とテンコがくぐったため押し出されてしまった

 幸いにも二人の少女は石野が飛び出るのを察知して避けたようだ

 石野は自分の後ろで倒れてしまった岸田とテンコを立ち上がらせると目の前で驚いている少女たちに目を向けた

 その二人からは並々ならぬ神力を感じ、上位の女神であることが分かった


「な、なんでわかったんですか?」


「何でも何もその溢れ出る神力、どう見ても女神さまっすよ」


 岸田の目から見ても明らかだったようだ

 ただ一人、テンコはポカンとしているが


「あなたは何なんですか?」


 スポーティーな格好の少女がおしとやかに語ってくる姿に少し違和感は覚えたが、石野は自分のことを包み隠さず語った


「まあ! アマテラス姉さんが!?」


「はい、やはりあなたはアマテラス様を知っていらっしゃったんですね」


「ええ、アマテラス姉さんは素直で非常に優しい神です。 上位の女神の中でも力ある女神ですね」


 アマテラスのことを語るスポーティーな少女は剛腕の女神ミナキと言い、新神のアナサと共にとある神を明日旅をしていたようだ


「なるほど、俺たちと目的は似ていますね」


「な、何なら私達も一緒に連れて行ってもらえませんか?」


「え!?」


 ミナキの言葉に横にいた死と模倣の女神アナサが驚いている


「ミナキ、何言ってるの?」


「いいじゃねぇか、俺たちも一緒に探せば、石野さんとあわよくば、じゃなくて、石野さんの探している人々もこっちで探すのを手伝って、こっちの探し人も一緒に探してもらえて一石二鳥じゃねぇか」


 何やらミナキとアナサはこそこそと話し、石野に向き直った


「俺は別に構わない。 女神達がいるなら心強いしな」


「ちょ、石野さん! いいんすかそんな適当で」


「いいじゃないか、こっちとしても助かりそうだ」


 岸田はその言葉にもやもやが胸内に膨れ上がっていく

 そしてミナキは顔を輝かせていた

 彼女にとってはこれが初めての恋だった


「じゃ、じゃぁついて行っても?」


「ああ、よろしく頼む」


 こうして石野の旅に女神が二人加わった

 ただ、石野はアナサを見て思うところがあった

 何やらテンコと同じような力を感じ、その正体を見極めるためについて来ることを許可したのだった

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