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5-6

 クカミは後ろを気にする様子もなく、自分の思うままに世界の壁を越え続けている

 力を使いすぎ、このままではクカミの体も危ないと思われたが、その都度いなみが力を分け与えて回復させていたためこのような無理が出来るのだった


「ジンダイお姉ちゃん…。 見つけた!」


 急にクカミはとある世界で止まり、大きな目をひときわ大きく見開いてその気配を辿る。 どうやらジンダイはこの世界にいるようだった


「はぁ、はぁ、クカミ、落ち着け、この世界におるのじゃな?」


「たぶん、でもすごく弱弱しいわ。 カタカムナお姉ちゃん、私を乗せて走ってくれない?」


「ああ、もちろんじゃ」


 クカミはカタカムナの中へ入る。 レライア、クロノゼルフ、いなみもそれに習うようにコシコデンの内部へと入る。 もちろん闇たちも同じように内部へ入った


「どういう仕組みなんだこれ? 体内なのに何だこの広さは」


 レライアはコシコデン達の内部を見て驚いた。 その中は人間数十人が楽にくつろげるほど広く、空中にはコシコデン視点のモニターのようなものが映し出されていた


「ふっふーん、凄いでしょ? カタカムナさんの中ってすっごい快適なんだから!」


 得意げな闇の少女アシキ、彼女たちの中にあった混沌による汚染は既に除去されている。 本来の性格に戻ったようだ


「ちょっとアシキちゃん、いなみちゃんたちのおかげで今こうして元に戻れたんだから、もうちょっと感謝しないと」


 そう言ったのはメグ。 凶悪な思想は消え、真面目な性格に戻ったようだ


「む、どうやらついたようじゃ」


 話しているうちに目的地に到着したようで、いなみたちはカタカムナの中から出た


「いる、ここに、お姉ちゃんが…」


 そこは巨大な岩にしめ縄のつけられた封印があり、その下から微かにコシコデンの気配がしている


「お姉ちゃん! ここに、いるの?」


 クカミが封印のしめ縄に触れると、あっさりと封印は壊れた。 巨石をカタカムナが持ちあげて横によける。

 岩の下には穴があり、降りてみると巨大な空間があった。 その中央に石になったジンダイが美しい彫像のように立っていた


「お姉ちゃん!」


 クカミが駆け寄って抱き着くが、反応はない


「ちょっといいですか?」


 いなみが触れてみる。 しかしそれでも反応がなかった


「だめ、かな…。 そうだ、マクロ君、クカミさん、一緒に触れてください」


 そう言ったことで二人ともどういうことなのか分かったようだ


「三人の力を合わせるってことか。 なるほど」


 いなみ、マクロ、クカミで力を合わせてジンダイに触れてみると、石化が解けていき、黄金に輝くジンダイが復活した

 切れ長の目をゆっくりと開け、クカミを見つけると、神代はガバッと抱きしめた


「ん~、クカミちゃん、久しぶりねぇ。 ほら、カタカムナ、ウエツ、タミアラ、ミヨイ、皆おいでなさいな」


 自分を抱きしめろと言わんばかりに両手を広げるが、クカミ以外は誰も飛び込まなかった


「姉上、復活早々悪いのですが緊急事態です」


「ほえ?」


 間の抜けたような顔を向けるジンダイにこれまでの経緯を説明し始めた



 ラシュアはこれより全神々をあげて混沌を探すと言ってくれた。 とはいっても彼らは単独で手を出せない。 一人で立ち向かえば闇たちのように洗脳される、もしくは殺される可能性もある


「ではエイシャ、気を付けて。 私も何かわかれば報告します」


 ルーナとサニーはエイシャと共に混沌を探すこととなった。 神々最強のエイシャ、そのエイシャの力のおかげで双子は神の力を有した。 その力は二人とも非常に強力なものである


「なんだか、あなたたちと一緒にいるなんて不思議な気分ね」


「・・・」


 顔を伏せてエイシャは話しかけるが、ルーナもサニーも何も答えなかった


「ごめんなさい、あなたたちにはひどいことをしたわ。 許してくれなんて言わない。 でも今は協力して。 混沌さえ倒せばいくらでも報いは受ける」


 その言葉にようやく二人はエイシャに口を開いた


「わかった。 あたしは許さないから。 混沌のことが終わったら次はあんたの番」


 ルーナの方は複雑な顔をしてただそのやり取りを見ていた



 パリケルは混沌についての情報を収集し終えた


「なんてことだぜな…。 速く伝えないといけないぜな」


「それはさせないよ。 君はここで死んで、そのアカシックレコードは僕のものになる」


「来たか。 俺様はここまでみたいだけど、もうすぐアカシックレコードの生み出した二人の守護者が来る。 あの子らはお前より強いよ、()()()


「驚いた。 知っていたんだね。 そう呼ばれるのは久しぶりだ」


 パリケルのアカシックレコードを狙う男、異放者はパリケルの顔に手を添わす


「守護者か、それはこの宇宙のアカシックレコードが作り出した者だろう? なら僕の敵じゃない」


 異放者はパリケルの喉を指でスッとなぞった


「ぐ、う、ぐぅ」


 首から大量の血が溢れ、パリケルは床に倒れ込んだ


「あーあ、死んじゃった。 ほら、君たちのご主人様はここでただのモノになっちゃったよ」


 異放者が振り向くと、そこに異形の姿をした二人の少女が立っていた


「お前は僕らの敵だ」

「お前は私達の敵ね」


 二人は怒りをあらわにして異放者を睨み、その姿を変容させた


「集合」

「散在」


 散在のフィフィが自らの体をバラバラにパージする。 その体を恋人、集合のメロが自らの体に吸収した


「へぇ、そんなことだ出来るんだ」


 二人で一つになった彼女は倒れて体温を失っていくパリケルを抱きかかえ、涙を流した


「ようやく、見つけたのに…。 主様」


 目から光の消えたパリケルの死体。 頬に触れ、目を閉じさせるとゆっくり地面に横たえさせた


「来なさい、異放者」


「はぁ、敵討ちでもするつもりかな? まぁ、いいけど」


 集合と散在は異放者を睨み、亡き主のため敵を討つと決めた

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