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始まり2

 メメナナの“実拳MMNN”は実現する力。 撃ちだすごとに自らの思いが実現する


「どりゃりゃりゃりゃりゃりゃぁあ! である!」


 激しく拳を男に向かって撃ちだすと男の周りに幾百もの拳が現れ、男の体を貫いて行く。 時にはその場で破裂し、切り裂き、内部で膨張し、熱し、押しつぶし、叩き、単純に殴り、(くび)り、突き刺し、ありとあらゆる攻撃を加えていった


「どうだである。 メメナナは」


 言いかけたところで転がり落ちるメメナナの首を男は踏みつぶした


「この! ニニミミが相手です!」


 ニニミミの持つ“隠本NNMM”は何もかもを隠匿する。 自らを隠して近づき、後ろからその首を隠した。 その隠した首は隠された瞬間に消失し、メメナナの頭と同じように男の頭も転がり落ちた


「今ですキキリリねえちゃま!」


「キキリリがとどめを刺すの! 妹たちの敵を取るの!」


 キキリリが持つのは“壊眼(かいがん)KKLL”、目で見たものを徹底的に破壊し、粉すら残さない


「ハァアアア!!」


 目の力を発動させると、男の首と体が粉々に破砕され、さらに細かい粒子となり、完全に消えてなくなった


「はぁ、はぁ、キキリリ達の勝利なの!」


 ぐちゃぐちゃになった妹たちに近寄るキキリリ。 ちょんちょんとその人の原型をとどめていないモノに指を付けると、それらはグニグニと動き出し、まるでスライムのように一つとなって、また分裂し、人型に戻った


「再生完了じゃねえちゃま!」


「助かったっさねえちゃま」


「ねえちゃま、うう、痛かったである」


 蘇った妹たちはキキリリを囲って喜んでいる


「「わーいわーい」」


 同じ顔、同じ姿で生体武器のみ違う姉妹は手を万歳の形にして歓喜の声をあげる


「あれ? ニニミミの腕が、無くなったのですが…。 あ、あれ? なんでみんな、分裂」


 ニニミミは突如バラバラになって崩れ落ちた。 それに驚いた他の姉妹は警戒し、キキリリの周りを囲む。 彼女たちはキキリリさえいればいくらでも復活できる。 それは彼女が核だからだ


「ねえちゃま、あいつまだ生きてるじぇ」


「倒すである。 もう一度」


「ねえ、ちゃま…」


 またしても一人がばらばらになった。 今バラバラになったココエエを見て周囲をよりいっそう固めた


「何で何で何で僕の邪魔邪魔するかな? まぁでも、お前を殺せば全員死ぬってことことだよねぇ?」


 キキリリの方を向いて笑う男。 キキリリはその男の異様性を見て恐れた。 今まで自分達に恐れる者などないと思っていた。 何せ彼女たちは“種まく者”という全てを一から作る存在から作られた最強である


 男はゆっくりと近づいてきた


「こうなったら、あれで行くの」


 キキリリは今倒れた二人を復活させると、姉妹を体に密着させた


「戻るの、一つに」


 7人は手を合わせると、その姿が一人の少女になった。 顔立ちは彼女たちを少し成長させたような顔で、強い意思を感じさせる目をしていた


「お前は何者だ? 我らに危害を加えるということは種まく者への反逆行為、許すわけにはいかぬ」


 一つになった彼女、エラは男を見つめる


「僕は混沌、初めからいたんだよ、僕はずっとずっと」


 男はニヤニヤと笑い、エラの前に立つと指をパチンと鳴らした


「はい、死んだね。 死んだよ」


 エラが縦に裂け、ドロリと溶けるが、その液体から再びエラが生まれた


「無駄だ。 私に死と言う概念はない」


 今度はエラの全の力が発動する。 分かれていたためその力はバラバラになっていたが、一つに戻った今、彼女本来の力として混沌を撃ちぬいた


「あ、うぅ、え? なんで? なななな、あがががが、ぼぼぼぼ僕ののの」


 壊れた機械のように小刻みに震え、混沌は倒れた。 精神から全てを破壊したのだ

 

「さすがに精神を破壊されては動けなくなるようだな。 それでも生きていることには驚くが、死なないならばお前を封じさせてもらう」


 エラは混沌を担ぎ上げると空中に放った。 そこに手を掲げ、握りつぶす。 それに伴って混沌はグニャリとへしゃげ、押しつぶされ、球体になった


「終わりだ。 お前は2度とそこから出ることは叶わん」


 さらに手に力を籠めて握ると混沌は完全に次元の狭間へと収監され、封じられた


「く、せっかく別れたというのに、すまない妹たち」


 エラは嘆く。 彼女がもう一度分かれるためには種まく者の力が必要であるため、彼女自身ではどうしようもなかった


「仕方がない。 この姿で主様を守るしかないか」


 エラは混沌に捕まっていた原初を助け出すと愛おしそうに抱える


「ああ、主様、貴女をお守り出来て私は幸せです」


 この時封じた混沌が後にこの世界に悪影響を及ぼすことも知らずに彼女は今この幸せのひと時を噛みしめていた

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