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1-17

 順調に荒野から街へと続く道を進み、予定通り三日で戻ることができた

 ひとまずギルドへ報告に行くと驚かれた

 Cランクになったばかりのしかも新人冒険者がすべてのフレアスネークを討伐したのだ

 ランクこそ上がりはしなかったがどうやら一目おかれたようだ

 他の冒険者や受付嬢の視線が痛い

 

 報告を終えると桃たちをギルド長が呼んでいると受付嬢が言った

 何事か?と思いギルド長のいる部屋へと入った

 そこにいたのは鼻元に傷のある鎧姿の女性、名前をマリカというらしい

 年のころは30代前半といったところだろう

 もともと名のある冒険者だったが、けがが元で引退したらしい

 そこからは故郷であるこの街のギルド長として就任し、今に至る


「呼びつけてすまない」


 静かだが力のある口調に少し気圧された

 笑みを浮かべてはいるが、どこかすごみがある

 

「あの、お話って?」


「実はな、君たちにとある盗賊団を討伐してほしいんだ」


「盗賊団、ですか?」


 いずれは人間相手に戦わなければならないことは分かっていたが、それがこんなにも早いのは驚いた

 決心をつけたはずだが実際やるのとでは話が違う

 

「あぁ、奴らは自らを“飽くなき欲”と名乗りこの辺り一帯の街道で人を襲っている」

「金品は強奪され女性は攫われ男はみな殺されている」

「一週間ほど前Cランクの討伐対象となった危険な盗賊団だ」


 すでにいくつかの冒険者たちが討伐に向かっているのでそこに合流してほしいと言われる

 “飽くなき欲”はDランク討伐対象だったころからすでにCランクの冒険者を圧倒していたらしく、相当な実力者が何人かいる

 フレアスネークの群れをたった四人で討伐しきったところが評価されたのか、白羽の矢が立ったのだ


「分かりました」

「役に立てるかどうかはわかりませんがやってみます」


「そうか、受けてくれるか、ありがとう!」


 ギュッと握手を交わすとさっそく概要を伝えられた

 盗賊団が巣くっているのはこの街と国境の関所をつなぐ街道途中、そこにある岩石の多い山の中腹

 大き目の洞穴を拡張して住みやすくし、拠点として使っているそうだ

 数はざっと100人ほどで、幹部クラスは相当な実力があると思われる

 どの情報も先発隊の冒険者が持ち帰った情報なのだが、彼らは大けがを負い、命からがら情報を手に入れた

 彼らの内女性はどうやら捕まっているらしく、一刻を争う

 

 その日のうちに早速討伐へと向かった

 距離は荒野までとほぼ同じなので高速馬車で向かう

 通常の馬とは違うスレイブニル種という移動速度が段違いの馬を使っているためとにかく速い

 

 数時間後、特に問題もなく目的の場所へとついた

 そこにはすでに冒険者たちが集まっていた

 盗賊たちの警戒網にぎりぎり引っかからない距離

 偵察隊であるシーフたちが戻って来た

 現在かっぱらったお金や宝石類といった金目のものを勘定、攫った女性たちを値踏みしているところらしい

 

 今が襲撃し時だろう

 全員が準備を整えると、その場で一番ランクの高い冒険者パーティのリーダーが指示を出す

 それにより桃たちは女性と子供がいるので後ろからついて行くことになった


 初めての人間との戦闘となる今回

 桃もルーナも緊張していた


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