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時の大神

 時は際限なく流れて不可逆、過去を変えようとも変わらぬ未来は不変。 時の大神と言えども時を思い通りにできるわけではない。 私はよりよく時間を導く手助けしかできないが、それでも世界のために、全ての世界を愛するマナリシアのために。


「見つけたぞ。 古の支配者、闇」


 そこは巨人たちが生活する世界。 こここそ巨人族が生まれた世界だ。 守るのは巨人の祖神であるティタニスだ

 そして今俺が追い詰めたのがコシコデンと呼ばれる古の支配者と闇。 こいつらはマナリシアの作り出した世界を壊そうとしている

 確かに遥かな昔に俺たちは先にいた古の支配者や闇と戦い、退けて世界を創った。 彼らには恨まれても仕方ない。 だがこの未来は変えることのできない未来だった。 世界の大本となった大世界はそれを望んでいた


「誰かと思えば大神殿ではないか。 久しいのう。 原初の娘の一件以来か?」


「あの時は世話になったな。 だが今回は敵同士、避けては通れぬ未来故、お前たちと戦わなければならない」


 コシコデンのカタカムナは金色に輝き始める。 それに呼応するように他のコシコデンも輝き始めた


「お前たちは下がっていろ。 お前たちの力ではこいつに勝てぬからな」


 マクロもそのことは重々承知している。 全ての闇が集まり一つにならねば元の力を発揮することができない。 だが今はもう不可能だろう。 闇はそれぞれで強い自我を持ち、考え、行動している。 特にルワイルやゼット、テナは争いを好まず、一つに戻ることを拒絶するだろう


「さてクロノゼルフよ。 どちらが消滅すべきなのか、その運命に身を任せようではないか。 お前か、我らか」


「ああ、元よりそのつもりだ。 カタカムナ!」


 二人がその力をぶつけ合おうとしたその時である。 強力な闇の力が二人の間に割って入った


「何をしているのですか? 全く、愚かな!」


 そこに立っていたのは怒りをあらわにしたルワイルだった。 闇を纏い、クロノゼルフとカタカムナを交互に見る


「ルワイル、か。 お前は平和主義者だったな。 だからこそお前だけは封印を逃れることができた。 だが今俺の邪魔をするというのなら、お前も」


「つくづく愚かですよクロノ。 あなたもですカタカムナ。 まだ分からないのですか?」


 ルワイルは二人を諭すように語る


「いいですか? 私の話を聞きなさい。 まずこの世界の方々に迷惑です。 狭間の世界に私の見つけた特別な空間があるのでそこへ」


 問答無用といった感じでルワイルはその場にいた者全てをその空間へと引き込んだ


「ルワイル、闇で一番の実力者がこれほどの力を有しているとはな。 だがなぜ他の闇と同じように復讐に振るわない?」


 どこからか椅子を人数分出したルワイルはニコリと微笑んで座る。 それに従うように全員が着席した


「クロノゼルフ、貴方は此度の神と闇、コシコデンたちとの戦いが起こったのはなぜだと思います?」


「それは、古くからある確執と復讐のためだろう?」


「そうですね。 確かに私たちは遥かな昔から争いを続けてきました。 しかしここに来て大きく加速しているのはなぜです? 一度はあったはずの()()()()()が閉ざされたのはなぜです?」


 口を閉ざした。 和解の道はマナリシア、ルワイル、ジンダイによってなされようとしていた。 しかしそれはジンダイが暴れたことによって破棄され、コシコデン達は封じられ、そこから闇との戦争の後に闇は敗れて封じられた

 ジンダイが暴れる。 それこそが一番不可解な点だった。 ジンダイは良識あるコシコデンのリーダーで、力はありながらも慈しむ心を持った優しい女性だ。 和解の申し出もジンダイから出されたものだった。 その違和感に今の今まで誰も気づかなかったのだ


「どういう、ことだ? 俺たちはなぜ…」


「うむ、何だこの気持ちは。 まるで頭の中の靄が晴れたかのようだ」


 コシコデンとクロノゼルフは気づき始めた。 違和感は広がりやがて確信に変わる

 この争いは何かに仕組まれたものだと


「分かった? 私達は争っている場合じゃないの。 分かったのならそれぞれ行動に移りなさい。 私も動く。 マクロ、あなたたちは私についてきなさい」


「え?! ちょっと待ってよルワイルさん。 一体どういうことなのか僕らにはさっぱり」


 あの時マクロたちはいなかった。 そのためただいいようにその何者かに誘導されていた。 ルワイルの話の全容がつかめていないのだ


「いいから! 他の闇も集めますよ。 ゼットとテナに会わなくては。 あの子たちは私に次ぐ実力者ですからね」


 マクロたち闇は訳も分からないままルワイルについて行くことになった。 一方コシコデン達は大神と行動を共にすることとなる。 本当の黒幕を探すために

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