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 登録には時間がかかったけど、これで私も燐奈と同じ冒険者

 最初はストーン級と言う初心者の位置づけで、そこから鉄、銅、銀、金、白金、オリハルコン、ミスリル、ヒヒイロカネと等級が上がっていくみたい

 私達は別に最高の冒険者を目指すわけじゃないけど、元の世界に帰る手がかりを探しながら最低限生活できるくらいには稼がないとね

 それは燐奈も同じ気持ち

 そういえば、私が登録するときに魔力を測られたんだけど、私には全く魔力がなくて、燐奈の魔力は多いと言われる人の1万倍をたたき出したらしいのよね

 さっすが私の親友

 とはいっても魔法の使えない私は珍しいらしく、冒険者としては伸びないとまで言われた

 今まで魔力のない人が成功した事例が無いから

 いいもん、別に上を目指してるわけじゃないもん


 登録が済んで、私と燐奈はさっそく依頼を受けてみることにした

 調査依頼だから私達ストーン級でも出来るみたい

 一応辺りに危険な魔物がいないことは確認されていて、数がいるストーン級にこの依頼が回って来たそう


「魔物がいたら私が戦うわ。 その間七星は調査をお願いね」


「分かった!」


 依頼を受けた私たちは早速近くのローガンの森へ

 ここは初心者が狩場にしているくらい魔物が弱い上に、薬草何かが群生しているから薬草採取の依頼で来ることも多い


「えっと、調査場所はっと」


 燐奈が地図を見て場所を確認

 方向音痴の私じゃ迷子になる自信がある


「ところでこれ、何の調査なの?」


「うん? あ、えっと、数日前に森で磁場と魔力の乱れがあって、見過ごせないレベルの乱れだったから一度調査が行われたみたいなの。 でもその時には地面に少し焦げ目があっただけだったみたい。 だからこの調査は念のためのものらしいわ。 人海戦術で何か見つかれば、みたいな感じみたいよ」


「そっかー。 それじゃぁある程度調査したら終わりってこと?」


「ええ、とりあえずその地面が焦げた場所に行ってみましょう」


 森に入ってから数十分後、件の焦げた広場にやって来た

 ここは元々広場じゃないんだけど、何かがここで力を使ったから木々は燃え尽き、地面に焦げ目ができたみたい

 現に周りの木は衝撃を受けてはじけ飛んでいるものや、原形をとどめないほど炭化したもの、どういうわけかねじ曲がってなおも成長を続けているものがあった

 何があったのか私が見てもよく分からないなぁ


「結界、(けん)


 あ、燐奈が何かやってる


「何してるの?」


「あ、これはね、私の能力の一つで、結界を張った範囲にある指定のものをはっきりと見ることができるの。 今は足跡を見ているわ」


 ホントだ。 燐奈を中心に展開されてる結界の中には、冒険者に踏み荒らされた足跡がいっぱい

 でもこれじゃここにいたであろう人の足跡は分からないな


「だめね、もう少し絞らないと」


 今度はさらに条件を絞ったみたい

 すると五人分の足跡が残った


「今ね、数日前にここにいた誰かの足跡だけを表示するようにしたの。 この異変があった時にいたのはこの五人、うち二人は子供?」


 大人の女性と思われる足跡が三つと、性別は分からないけど子供の足跡が二つで、それは森の奥へと続いているみたいね


「じゃぁ、この後を追えばここで何かをした誰かの正体が分かるってこと?」


「ふふ、そういうこと」


「燐奈すごい!」


 燐奈は結界を張ったままその足跡を追いかけて、私はさらにそのあとを追いかけた

 しばらく歩くと岩場があって、その大きな裂け目の中に足跡は続いていた


「この奥、か…。 いったん戻って報告した方がいいかもね」


「そうなの? 私たちで見つけた方がいいんじゃないの?」


「七星、この世界には魔物がいるのよ? 下手に中に入って私たちの敵わないような魔物が出たら…。 そんな危険冒すくらいなら強い人たちと一緒に来た方が生存率も上がるでしょう?」


「そっか、考えもしなかったよ」


 燐奈はやっぱり頭いいなぁ、私一人だったら勇んで中に入って、きっと死んでた


 それから一旦ギルドに戻って報告

 私達は貢献した報酬としてお金を手に入れた

 それと、その裂け目までの案内は私たちがすることになったから明日銀級冒険者のパーティと一緒に行かなきゃ


「明日に備えて今日は寝ましょう。 そうそう、宿の料理、結構おいしかったわ。 七星も食べてみなさいよ」


「うん、そうする。 おススメは?」


「烈火猪のハンバーグよ」


「すごい名前の猪だね」


 宿でそのハンバーグを頼んで美味しくいただいて、私と燐奈は眠りについた

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