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4-43

 まず初めに空間から出ると蓮十郎の力で大神の一柱、マナリシアと交信することにした

 大神マナリシアは一言で言うなら気まぐれな女神で、かつてまだコシコデンしか世界にいなかった頃に光から生まれた。 同時に闇からはマクロたちが生まれている

 生まれた大神たちはまず自分の権能を試す

 時の大神クロノゼルフは時間を生み、彼女は創造の大神となって様々な世界を創りだした

 その世界に光の女神ルーチェが温かい光を降り注ぎ、最初の神々が生まれた

 その最初の神々の後に神話に紡がれる神々が生まれ、生命を創り出していった

 最後に生まれたのが人間族や獣人族、精霊族やエルフなどと言った知性ある生き物

 

「マナリシア様は非常に優しいが、あまりにもおっとりしていてな。 話が通じないかもしれん。 できればクロノゼルフ様に更新してほしいんだが」


「あ、すいません。 マナリシア様に更新してしましました」


「「げっ」」


 レライアとシンガがはもってぎょっとする

 次元の扉が開き、大神のおわす世界へとつながった

 その中からふわりとした透けるほど薄い衣をまとった女性と、黒く光るローブを纏った男性が歩み出た


「あらあら、子供達、私に連絡をするなんて何千年ぶりなのでしょう。 ん~ん! 可愛い子たち」


 マナリシアがパリケルといなみ、ルーナに抱き着く

 大きな胸に押しつぶされて苦しそうだ


「は、母上! 放してください!」


 パリケルの胸元でシンガががなり立てているが、マナリシアは放さない。 特にいなみをしっかりとつかんでいた


「おお、おお、可愛い子、いなみ、貴方のことはずっと見ていました。 会いたかった」


 マナリシアはようやく三人を放して顔を向けた


「落ち着いたか? マナ」


「ええ、クロノ」


「あの、大神様?」


 ルーナがマナリシアに近づくと、今度はさっきよりもさらに強く抱きしめられた


「ああ、ああ、ようやくこの手に抱くことができました。 私の、愛しい子…。」


「え? あの、マナリシア様、何を言って…」


「あなたたちは私が生み出したエイシャの器となるはずだった子。 いえ、器と言っても、体を失ったあの子の力を制御するためでした。 あの子に体が戻ればその力をあの子に戻すために、それに耐えられるだけの力を持たせました。 あなたたちは間違いなく私が生み出し、人間の夫婦の元へ送った子。 私の娘なのです」


 この時ルーナとサニーはようやく自分達の生まれた意味を知った

 体を失ったエイシャの力が暴走しないように生み出された器。 初めて出会ったエイシャが言った意味が分かったのだった

 

「あんたが! あんたのせいでお父さんとお母さんが!」


 突然サニーにシフトしてマナリシアの胸ぐらをつかんだ

 

「あんたが私達を作らなきゃ! お父さんとお母さんは死ななかった!」


 悲しそうな顔でサニーの声を受け止め続けるマナリシア


「サニーちゃん…」


 マナリシアはサニーを抱きしめようとしたが、今はその時ではないと判断して手を止めた

 泣きながらサニーはマナリシアに拳を打ち付け続ける


「この! この! あんたなんか! 私たちのお母さんじゃない! 私たちのお母さんは一人だけだもん!」


 ルーナはサニーを止めなかった

 それはルーナも同じ気持ちだったから

 今更出てきて母親面をする彼女に怒りが込みあげる。 それと同時に妙な安心感もあった

 恐らく彼女が母親であるとその体で、心で感じていたからだ


 しばらく泣いていたサニーだが、何も言わずルーナとシフトし、体の奥底へもどった


「す、すみません。 でも、私も、貴方をお母さんだなんて思えません」


 ルーナも自分の気持ちを素直に告げた


「ええ、いいのです。 私がしたことは許されることではないと思っています。 でも、これだけは言っておきたかったのです。 私はずっと、あなたたちを愛していますと」


 その言葉を聞いて、ルーナも泣き始める。 そんなルーナをリゼラスは優しく撫でた


 ようやく落ち着きを取り戻すと、マナリシアとクロノゼルフに事情を話した


「なるほど、コシコデンが…。 良いだろう、そっちは俺たちに任せろ。 お前たちは闇を止めるんだ。 そして何としてもエイシャとラシュアを引き合わせ、誤解を解け。 恐らく神々が争ったのは闇の暗躍によるものだ。 俺も色々調べていたが、ところどころに小さな痕跡を見つけた。 奴らめ、なかなかにうまく隠していたみたいだな」


 クロノゼルフに言われた通り、それぞれが動き始めた

 マナリシアは手始めにレライアとシンガを元に戻した

 創造の女神ならたやすいことである


「おお、俺の体が。 ありがとうございます母上!」


「兄さん! やっと会えたって感じだな!」


「ああ、レライア、お前は引き続きこの子たちと行動を共にしろ。 俺はラシュアの兄貴に話をつけて来る」


 そう言うとシンガはすぐに狭間の世界へと消えた


「では、何かあったら遠慮なく私達を呼ぶのですよ」


 マナリシアとクロノゼルフもコシコデンに備えるために自らのいる世界へと帰っていった

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