表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
266/384

アナサ頑張る4

 闇の取り払われた人々は、自分たちが目の前にいる少女に何をしたのかをぼんやりと覚えていた

 全員がアナサに向かって土下座をしながら必死に謝っている


「もういいわよ。 あなた達だって操られてただけなんだし。 ただちょっとだけ聞きたいことがあるのよね」


 アナサから神聖な力を感じた人々は、拝みながら自分たちが操られることとなったいきさつを話した


「私達はこの国の砂漠にすむ民でした。 遊牧民で、砂漠に点在するオアシスを拠点に旅をしておりました」


「そんなある日、空から黒い隕石がこの地に落ちたのです。 隕石くらいならよくある話なのでさほど驚きませんでしたが、その隕石は我らに向かってきたのです」


「必死に逃げたのですが、みるみる迫ってきて僕たちに突っ込んできたんです」


「死んだ。 と思いましたが、気づくとわたくしたちは真っ黒な繭のようなものにくるまれていたのです」


「視界はそのまゆに遮れて姿は見えなかったのですが、少年と少女の話し声が聞こえてきました」


 砂漠の民が口々に話すのをまとめると、その少年たちはここに来るアナサを倒すために闇を取りつかせていたらしい

 闇に取りつかれてからは意識がもうろうとし、アナサを見た瞬間に殺さなければならないという衝動にかられたそうだ


「本当に申し訳ありません」


 再び謝ってくるが、アナサは快く許している

 

「それにしても、やっぱり闇がかかわってたみたいね。 でも何で私が来ることが分かったのかしら。 この世界に来た時点の私の力はあまりにも弱かったはずなのに…」


 考えてもわからず、アナサは手掛かりを探すためにその闇を追うことにした

 どうやらすでにこの世界はいないらしく、闇の力を感じなかった


「なるほどね、気配を感じるってこういう感覚なのね? もっともっと頑張って、お母さんの役に立たなきゃ!」


 進化を果たしたことで闇の気配は手に取るようにわかった

 そのおかげでこの世界から去った闇を追うことができる

 今の力で闇に勝てるかは分からないが、それでもアナサは戦う決意でいた

  

 パリケルの簡易転移装置ではなく、今度は自分の力で転移を

 不思議なことに彼女の力の一つに転移の力があった

 それどころか、いくつかの力を手に入れていることもわかった

 その一つが神聖なる光だ。 これは光の女神の力である

 そして自らが神として手に入れた力、死の力だ

 死者を喰らっていた彼女は死の女神として生まれ変わったのだった

 その能力は、霊魂や死した者の魂を神の元に送ること、死にゆく者の命の期限を見ること、死を与えることである

 ただ、彼女にはもう一つ権能が宿っているようだがこの時彼女はまだ気づいていなかった

 最後に彼女の一番の特徴となっている

 彼女は魔人だったときにデスサイズという死神の鎌を模した武器を使っていた

 それが生体武器として体現していた

 命を狩るための神具だ


 彼女は力を開放して転移を始めた。 闇の居場所は既につかめている

 次の世界で闇を討つと決意していた



「ねーねー、ペイオ、追ってきてるよあいつ。 何か得体のしれない力を感じたから、まだ弱いうちに殺そうとしたのにね? あたちらの作戦、失敗?」


「それは違うじゃんよマオン、考えてもみな? 何らかの力を手に入れてこっちに来てるって言うならさ、染めちゃえばいいじゃんよ?」


「そっか! さすがペイオね。 あたちじゃ思いつかないわ!」


 ペイオに抱き着くマオン

 この二人はお互いにお互いを尊敬し、愛し合っている

 マクロとアシキの二人と違って連携がとれていた


「じゃぁ待とうじゃんよ。 俺たちの手ごまが来るのを」


 二人はこの世界でアナサを待ち、罠を張って彼女を手ごまにしようと画策し始めた

 

 アナサはそんなことも知らず、母の役に立つために罠の張り巡らされた世界へと降り立った

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ