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幕間 救世界

 八柱の女神はルーナ達を見送り、救世界へと赴いた


「メシア様」


 八柱の女神はメシアと呼んだ女性の前に膝ま付く

 彼女はこの救世界の管理を任されている上位の女神だ

 その権能は救い。 救いの女神メシアだ


「お久しぶりですねノル。 あなた方が一度消滅して以来でしょうか?」


「あの時はメシア様とオルザ様のおかげで助かりました。 しかし、上位の世界に戻らなくてもよろしかったのですか?」


「私はもう神の座を捨てた身、今は役目を全うしなければなりません。 全ての世界を元に戻すために」


 メシアも当然あの時の戦争に参加していたのだが、彼女は救いを司る女神、誰に着くわけにもいかずにひっそりと神々を離れた

 それによって彼女は神々が争い始めたきっかけを知ることとなった

 封印されるのを逃れた闇の暗躍

 偶然それを知ったメシアは自ら救世界を立ち上げ、共に神々の元を去った重力の女神グラビスと再生の神オルザと共に闇の動向を探り、闇に荒らされた中位、下位の世界を救うことに尽力していた


「おお、来てたのかいノルちゃん」


 そう言って現れたのは闇と戦って消滅したノルたちを再生した、文字通り再生の神であるオルザだった

 ひょうひょうとした男だが、全ての生命をいたわる優しい男である

 彼は、闇ですら救いたいと思っていた。 和解し、共に歩んでお互いを知ることで絆を深める。 それが彼の目標だ


「オルザ様! お久しぶりです」


 ノルはオルザを見たとたん、恋する乙女のように頬を赤らめた


「ところで、ご用は何かな? お嬢さんたち」


「実は…」


 ノルは力の女神の力を持った少女ルーナ、光の女神の娘いなみのことを話し、パリケルについて意見を求めた


「そうですか、アカシックレコードの管理者が…。 管理者が共にいるともにいるということは、世界の大改革が起こるのかもしれません」


「大改革、ですか?」


「はい、アカシックレコードとは膨大なる記録と記憶。 過去、現在、未来を記した一つの世界です。 全ての世界の記録がある場所、とでも言いましょうか。 その管理者は、世界が間違った道をたどり始めたときに現れる、もしくは選ばれるのです。 そのパリケルという少女は恐らく選ばれたのでしょう」


 その説明の最中、突如警報が鳴り始めた


「大変ですメシア様! 世喰いが現れました!」


 扉を開けて中位の神と思われる男神が飛び込んでくる


「落ち着きなさい。 すぐに討伐隊を向かわせましょう。 プリシラ」


「はい!」


 呼ばれて現れたのは、まだまだ幼さの残る少女

 しかしながらその神力はメシアをはるかにしのいでいるようだった


「め、メシア様、その子は一体」


 あまりの力にノルは驚き、メシアに聞いた


「この子は救世界の秘蔵っ子、ですかね? 下位の創造主から産まれながら、膨大な神力を持って生まれた。 空想の女神です」


 空想の女神プリシラは、その力で想像を創造する

 頭に浮かんだどんなことでも成しえる力を持った救世界一の力を持つ女神だった


「世喰いです。 いけますね?」


「が、頑張ります!」


 そう言うとプリシラは目の前から忽然と姿を消した

 すぐにメシアの後ろにあった巨大モニターにプリシラの様子が映し出される


 世喰いと対峙するあまりにも小さな少女

 どう見ても勝てないだろうと思われる戦いだったが、プリシラはつたないながらも世喰いに攻撃を加える


「クリエイト、神剣パーレラル」


 右手に生み出された光り輝く剣、それを一振りしただけで世喰いは細切れになった


「ただいま戻りました」


 いつの間に戻ったのか、プリシラはすでにメシアの横にいた


「よく頑張りましたねプリシラ」


 メシアは優しくプリシラを撫でる


「あんな化け物を…。 一撃で」


 頼もしいと思う反面、恐ろしく思うノル


「私が闇の好きなようにはさせません。 クリエイト、キャンディ」


 プリシラは包み紙に入った飴を創造し、ノルたちに渡す


「大丈夫です! 私はまだまだ半人前だけど、きっと世界を元に戻してみせます!」


「そうですプリシラ、貴方に話があります」


 メシアはノルの話をそのままプリシラに伝える


「上位の神々の決別、闇の暗躍…。 私に何ができるかわかりませんが、出来る限り頑張ります」


「そこで、貴方にはそのルーナという少女を追って合流してもらいたいのです。 きっとその方たちならば、世界を、救ってくれることでしょう…。 救いの女神として私は、戦えないこの身が、恨めしいのです。 あなたに託すしかない私をどうか、許してください」


「な、何を言うのですかメシア様。 私は、メシア様にお会いできて、母となっていただいて、それだけで私は満足なのです! 必ずその方たちに合流して、世界を救って見せます!」


 プリシラはメシアを抱きしめ、しばらくの母親との別れを惜しみながらルーナを追って救世界から飛んだ

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