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闇と始まりのカタカムナ5

 マクロとアシキ、そして封印を解かれたコシコデン達はジンダイを探していくつかの世界を渡ったが、どこにもジンダイの姿が見つからない

 そこかしこに気配はあるのだが、どうしても封印されている世界は分からなかった


「まったく、あやつは一体どこへ封印されたのだ。 よもや死んでおるのではあるまいな?」


「わしらにそれはありえん事はお前もよく分かっておろう?」


「それはそうだが、奴はあの時相当に弱っておった。 わしらを逃がそうとかばったばかりに」


 戦争でコシコデンが敗れた際、ジンダイは一人残って三人の大神を引き受けた

 いくら最強だったとはいえ、手負いの上に大神を三人相手にするとなってはジンダイにかなり分が悪かった

 結果、ジンダイは敗れて封印されてしまう


「あら、この世界」


 ウエツが何かに気づいてたった今しがた降り立った場所から一気に飛んで移動する


「待てウエツ、どこへ行く」


「全くあやつは、協調性というものがない」


 すぐに後を追う。 マクロとアシキはそんなコシコデン達に追いつけなかったため、仕方なくその場で待機することになった


「ねぇこれをどう思う?」


「どう思うも何も、そういうことなら壊すしかあるまいて」


「そうよね。 この子がいればきっとジンダイも見つかるはずだわ」


 ウエツが見つけたのは、コシコデンの仲間の一人、クカミだった

 まるで鬼のような角の生えた容姿に、流れる水のように薄い着物を着ており、深い愛と優しさを秘めた目を持つ

 彼女は氷漬けになってその場に封印されていた


「何とひどい…。 わしらよりも劣悪な状態で封印されておったのか、我らが妹よ」


 クカミは最も遅く生まれた、おとなしく戦闘を好まないコシコデンだった

 そして彼女には誰がどこにいようとも完全にその位置を把握できるという特殊な力がある

 

 コシコデン達はすぐに封印を解こうとしたが、どういうわけか全く氷が解けない

 ありとあらゆる手を尽くしたが、彼女は以前冷たく固まったままだった


「クカミ、お前を助けられぬ姉たちを許しておくれ…」


 氷像となったクカミに縋り付いて涙を流すカタカムナ


「ねぇ、私たちにやらせてみなさいよ」


「ちょ、アシキ、何言ってんだよ」


 いつの間に現れたのか、氷像の前に立つアシキは手を添えて力を流した

 するとどういうわけか、あっさりと氷は砕け、中から意識のないクカミが倒れ込んできた


「なんと、どういうわけじゃ? なぜおぬしらに封印が解けた?」


「これって神の封印なわけでしょ? あたしらとあいつらは正反対。 もしかしたら打ち消せるんじゃないかって思ったのよ」


「ふむ、そういうこともあるのか。 何にせよクカミを助けてくれて感謝する」


 クカミは目覚めないが、ジンダイの捜索に希望が湧いた


「あやつさえ戻れば、もう一度大神に挑めよう。 じゃがその前に、お前たちの仲間も見つけなければの」


 すでにコシコデンと闇たちの間には信頼関係が生まれている

 お互いの協力のために動くことになった

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