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神々の捜索7

 ここは狭間の世界

 ミナキは一人この世界にあるシンガの欠片を探して歩いた

 

「全く、こんなめんどくさいところにまであんのかよ」


 ぶつくさと文句を言うが、大好きな兄神を救うためにミナキはひたすらに歩き続けた

 数時間か数日か、それとも数週間か数年か、ここは時間がない世界

 それ故にどのくらいの時をここで過ごしているのか分からなかった

 

「まだ着かねぇみたいだな。 これだから狭間はめんどくさいんだよ。 距離感もつかめねぇし」


 まわりを見渡すが、どこまでも続く薄暗い空間が広がっているだけで他に何も見えない

 はずだったが、二つの人影を確認できた


「何だありゃ…。 人?」


 ミナキは確認のためにその人影を追った


「あら? 何か来るわメロ」


「ほんとだ。 あの時の黒い奴なら殺そう」


 異形の姿の二人がミナキの接近に気づいて立ち止まった


「あら、黒い奴じゃないわメロ」


「黒い奴じゃないねフィフィ」


「よう、あんたらこんなとこで何やってんだ? てかあんたら何なんだ?」


 二人は首を傾げ、ミナキを見つめる


「私はフィフィ、メロの恋人よ」


「僕はメロ、フィフィの恋人だよ」


「あ、いや、うん、自己紹介って意味じゃないんだが…。 まぁいい、俺はミナキ」


「あなたは私たちを攻撃しないのね?」


「なんで俺があんたらを攻撃するんだ?」


「私たち、いろんな世界で歓迎されてないみたいなの」


「僕たちはただ安住の地を探してるだけなんだ」


 二人は悲しそうな顔をする

 

「あれ? 私、今新しい感情を得たわ」


「僕もだよ。 これが、悲しい…。 わかる、わかるよフィフィ、悲しいということが分かるんだ」


 二人は涙を流し始め、お互いを慰めるように抱き合った


(なんだこいつら…。 まぁ悪い奴ら、ではないのか?)


「そうか、安住の地な…。 あんたら相当な力を持ってるみたいだし、難しいかもな。 まぁきっと見つかるって。 頑張りな」


「えぇ、ありがとうミナキ。 私たち、お友達になれるかしら?」


「なれるさ。 またどっかで会えたら今度はゆっくり話でもしようぜ」


「うん、そうなるよう願うよ」


 ミナキはメロたちと別れ、狭間の世界をさらに彷徨った

 二人に会ったせいか、少し寂しさがこみあげて来る


「兄貴、俺友達っての初めて作ったかも」


 シンガの塊はその声に反応するかのようにキラリと光った


 それから長い長い時間を歩き続け、ようやく中空に浮いているシンガの欠片を見つけ出した

 

「やっと回収完了っと。 はぁ、まだまだ足りないな」


 ため息をついて欠片を見つめる

 その欠片を塊に宛がうと、スーッと塊に吸い込まれてその一部となった

 まだこぶし大の塊でしかないが、集め続ければシンガは復活する

 ミナキはシンガに頭を撫でられるのが大好きだった

 妹、弟神たちの面倒見がよかったシンガは兄弟たちに好かれており、ミナキもそんなシンガにあこがれている

 いつかシンガのように強く優しい神になることを目指し、ミナキは力をつけていた


「さてと、狭間の世界にあるのはこれだけか。 次はどこだ?」


 気配を探って狭間の世界から抜け出した

 

「そういえばさっきの二人はどうやって移動してんだ? この空間は俺たち神々にしか開けられないはずなんだが…。 そういえば何か不思議な力を感じたな。 悪い気配じゃなかったが…。 ああもうわからねぇ。 ま、また会った時にでも聞けばいいか」


 ミナキは次なる欠片のある世界を見つけ、空間をつなげてその世界へと降臨した

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