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4-4

 レイドである玲と別れた次の日、闇の気配を探した

 怪獣はこの国にしか出ない

 その怪獣を黒く染め上げて力を与えている何者か

 何者かは必ずこの国にいるはずだと考え、気配を探り続けた

 しかし、その気配は一向につかめることなく、次の怪獣が出てしまった


「また黒い怪獣ですね」


「今度のは巨大な鳥? いや、翼竜みたいだね」


 黒い翼竜はまっすぐ街の方へ飛んでいく

 そのあとをルーナ達は追従する


「みて、レイドも来たみたいだよ」


 既に変身しているレイドは街に翼竜が到達する前に空を飛びながら強烈な蹴りを喰らわせた

 ダメージを受け、山の上へと墜落する翼竜

 どうやら習った通りに神力を込めて蹴ったようだ

 墜落した翼竜は立ち上がり、レイドを見据えている


「デラァ!」


 レイドは翼竜の前に降り立ち、さらに蹴りを放った

 しかし、翼竜は素早く回避する


「かなり速いですよ! あの怪獣!」


「僕らも行こう!」


 音速を超えるスピードで二人はレイドの元へ駆けつける

 レイドの横に光る二つの光


「!」


 レイドはルーナ達に気づいたようだ

 怪獣が地面に這いつくばり、形態を変えた

 今度はトカゲのような姿


「姿が、変わった?」


 怪獣は素早く地面を這い、レイドの後ろに回った


「レイド!」


 トカゲの長い舌がレイドの足を捕らえ、引き転がす

 口をガバッと開いてレイドの足に噛みついた


「グアア!」


 足の傷跡からジュクジュクと黒いモノが広がり、レイドを侵食していく


「まずいよ、闇の力が彼女に広がっていってる!」


 ルーナはすぐにトカゲの頭を潰し、倒れて呻くレイドのそばへ寄った


「レイドさん!」


 レイドの体は段々と小さくなり、元の玲の姿へと戻った

 その足は黒く染まり、どんどん広がっていく


「あ、がぁ! うぐぅ、くふっ」


 足だけではなく、胴体、肩、そしてついには顔にまで広がっていく


「まずい状態です! 魂と闇が融合を…」


 玲は黒く染まりあがり、沈黙した


「玲、さん?」


 玲の目がぎょろりと動き、ルーナを見た

 

「ころ、す」


 玲の拳がルーナのみぞおちを打ち抜く

 とても人間の力ではない

 ルーナの胸にはぽっかりと拳型の穴が開いていた

 

「ルーナちゃん!」


 倒れるルーナ

 玲はそのままいなみに狙いを定める

 

「ま、待ってよ玲さん! 僕だよ、いなみだよ!」


 玲は聞く耳を持たず、いなみに蹴りを放った

 それを腕でガードする


「な! 足が!?」


 玲の足は黒いレイドの足となっていた

 衝撃がいなみを突き抜ける


「ぐ、あ、なんて威力の蹴りなんだ」


 いなみはなるべく体で玲の攻撃を受けないように避け続けた

 そこに再生したルーナが戦闘に参加した


「玲さん! いったいどうしたんですか!?」


 二人の声は玲に全く届いていないようで、以前攻撃を続けている

 その間にも玲の体はどんどん黒いレイドへと変わっていった

 そして、顔まで黒いレイドに変わり、玲は空を飛んで逃げて行ってしまった


「どうしよう、玲さんが…」


「探そう! きっと闇に囚われちゃったんだ!」


 これはそういう簡単な話しではないとルーナは思った

 玲の魂は、今や完全に闇と融合している


「一体、何が起こっているのでしょう?」


 玲を追いながら考える


 その二人を、見つめる、黒い少女


「ふふ、うまくいった。 この間は変な男が邪魔しに来たけど、今度はいい感じじゃないの」


 少女の姿は揺らぎ、消えた



 そしてパリケルとリゼラスは


「だから、ここをこうすればいいぜな」


「なるほど! 素晴らしいですな、パリケルさんの技術は、いやぁリゼラスさんも素晴らしい妹さんをもって鼻が高いでしょう」


「う、ま、まぁな」


「これであの黒い怪獣にも対抗できる装備が出来上がるはずだぜな」


「ありがとうございます!」


 研究所で資料を引っ張り出し、兵器工場でごそごそと何かを作っていたところを見つかったパリケルたちだったが、パリケルの作り出した兵器類を見た研究員たちは感銘を受け、パリケルの教授を受けていた

 皆和気あいあいとして非常に楽しそうである

 若干一名を除いてだが…


「ふん、私には分からん。 好きにするといいさ」


 一人だけ仲間外れにされ、リゼラスは少し拗ねていた


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