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4-3

 レイドを追っていった先は街外れの道路

 怪獣の歩いた跡があり、地面はひび割れていた

 ルーナ達は物陰に隠れて光っているレイドを観察した

 先ほどと違ってその大きさは人と同じくらいだ


「ふぅ、どうしよう…。 あたしでも倒せない怪獣が出るなんて…」


 光っていた体はやがて光が薄くなり消えた

 その姿はレイドのままだが、うっすらと胸が出ているのが分かる

 そして、レイドは人間の姿に戻った


「女の子、だったんですね」


「そうみたいだね。 それにしてもあの力、どこか僕たちと同じような力を感じるんだ」


 レイドはそのまま道を歩き始める


「待ってください!」


「キャァアアア!」


 レイドはルーナの声に相当驚いたのか、悲鳴を上げてその場にへたり込んだ

 彼女は震えている


「あ、あの、ごめんなさい。 驚かせてしまったみたいで」


「人間? どうして、こんなところに? 避難警報は出ていたはずよ?」


「単刀直入に言うよ。 君、レイドだよね?」


 少女は驚いた顔を浮かべるが、すぐに立ち上がって何食わぬ表情でルーナ達を見つめた


「何のことかしら? 私は逃げ遅れただけの一般市民よ」


「隠さなくてもいいですよ。 見てましたから」


「だったら何? 正体を世間に公表するの?」


「そんなことしませんよ。 ただ、あなたに協力できると思って」


「協力? 私より小さな女の子が何言ってるのよ」


 少女はつんけんしている

 しかし内心は正体を暴かれてドキドキしていた


「ルーナちゃん、正体、明かしていいよね?」


「はい、大丈夫だと思います」


 二人は本来の翼ある姿に戻った


「な、何なの貴女たち…。 まさか、新手の怪獣!?」


「違いますよ。 私たちは異世界から来たんです」


「異世界?」


 二人は事情を説明した


「なるほど、それじゃぁあの黒い怪獣って」


「はい、闇の力を持った強力な怪獣と言うことです」


「それで私の力も通用しなかったのね」


「ですが、闇に有効な手段があります。 それは、神力を使うことです」


「神力? 私、そんな力持ってないわよ?」


「君は神様から力を与えられた救世主じゃないの?」


「え? えぇ、ミズハノメ様という神様からこの変身能力をもらったわ。 それまでこの世界には怪獣と戦えるヒーローは防衛軍以外にはいなかったの。 なんで私が選ばれたのか分からないけど、適格者っておっしゃってたわ」


 ミズハノメは上位の水の神様だった

 以前この世界に降り立った剛力の神ミナキの要請によって力を持つに値する彼女をヒーローとして選んだようだ


「僕たちは闇と戦っているんだ。 僕はいなみ、こっちのこはルーナだよ」


「わ、私は諏訪玲(すわれい)、そうね、レイド、って名前でヒーローをやってるわ」


 自己紹介が終わり、三人は神力について話し合った


「ということは、光の力を持っていなくても、神様から与えられた力ならその闇に対抗できるってことなのね?」


 今玲が浸かっている力は神様から与えられた力ではあるが、神力が込められていないため、闇に有効な打撃が与えられなかった

 しかし、神力をこめれるようになれば先ほどのように攻撃の効かなかった相手でも倒せるようになるだろう


「分かった。 やってみる」


 ルーナ達に教えてもらいながら神力を込める練習を始める

 大きな体では目立つため、人間と同じサイズのレイドに変身する

 取り込む雨の力を最小限にすると小さいまま変身できるらしい

 

 そして数十分後


「だいぶ分かって来たわ。 こんな感じね」


「うまいうまい、飲み込み速いね」


 レイドは先ほど繰り出したレインレイ(自分で名付けたらしい)に神力を込めて放った

 威力も普通の状態よりはるかに上がっているようだ


「これで、あの黒い怪獣を倒せる!」


「でも根本的な解決はできないよ。 この世界のどこかに闇を操っている何かがいるはずなんだ。 そいつを叩かなきゃ、同じことの繰り返しだよ」


「まぁ、そっちは私たちに任せてください」


 二人の心強い言葉に玲も励まされたようだ

 また会う約束をして玲と別れた

 辺りはすっかり暗くなっている




 そしてパリケルたちは


「や、やっと着いたぜな。 人は、誰もいないみたいだぜな」


「そりゃそうだろ。 もう夜なんだからな」


「リゼラスが変な方向に走っていくからだぜな!」


「何を言うか! さっき壁にかかってた地図ではこっちだと書いてあったぞ!」


 リゼラスは壁から引きはがして持ってきた地図をパリケルに見せる


「これ、さかさまだぜな」


「なん…だと…」


 二人は仲良くうなだれた

 


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