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 高級な料理店を見つけた

 そこは今まで誰も食べたことのないこの世界ならではの料理を味わえる店だった


「パルステラ料理、パルステラの郷土料理を味わえる店です。 なるほど、フルコースで味わえるみたいですね」


「良い匂い、バターを焦がしたような香りだね」


 早速店に入ると、バターの香りが体の隅々まで吹きわたった

 それに、チーズやミルクのような香りもする


「乳製品を多く使った料理みたいですね」


「いらっしゃいませ」


 高級店だけあって、整った顔立ちで高そうな服を着たウェイターの男性が席へと案内してくれる

 席は小部屋で、他の客に気兼ねしなくて良さそうだ


 メニュー表を男性ウェイターが持ってきてくれたので一通り目を通す

 その間もウェイターはずっと部屋の隅で目立たないように姿勢よく立っていた


「ではこのフルコースを四人分お願いします」


「かしこまりました」


 メニュー表を下げ、そのまま部屋を出ていくウェイター


「こ、こんな店来たことないから緊張するよ」


「私もだ」


「俺様も」


「みんな初めてですよこういうとこは」


 しばらく待っていると、最初の料理であるアミューズ(つきだし)が運ばれてきた

 牛乳寒天で固めたような真っ白なテリーヌのようなもの


「パルスタインミルクのポイレです。 ミルクを発酵させてかため、溶かした後に温野菜を入れて煮詰め、塩コショウで味を調えた後に再度かためたものです」


 風味はチーズに似ていてまろやかで、温野菜によく合っている


「野菜も柔らかくておいしいね! 見たことのない野菜ばかりだけど甘くて今までで一番おいしいかも」


「うんうんだぜな。 俺様野菜ってば苦手なんだが、これなら食べれるぜな」


 次に来たのはオードブル、いんげんのような長くて緑の野菜パロルディと、フレデル草という菜っ葉のゴマダレ和えだ


「ゴマの風味がよく合っているな。 タレの甘さが野菜を包み込んでさらに味を引き立ててくれている


 次に来たのはスープとパン

 どうやらここの料理のフルコースはフランス料理をまねしているようだ

 それでいて郷土料理をうまくアレンジしているらしい


「こちらはホーガをすりつぶしてコーンのスープを加えてスロウスを加えたスープです。 パンは浸して食べてください」


 硬めのパンはスープに浸して食べること前提で焼かれているようだ

 ホーガはニンジンのような野菜、スロウスは香草だった


「ふむ、コーンメインのスープだから濃い味かと思いきやあっさりしているな」


「それでいて風味が強いね。 おかわりしたいくらい」


「されますか?」


 どうやらおかわりもできるみたいで、いなみはその後二杯ほどおかわりをもらっていた


 次はポワソン、魚介料理だった

 パルステラの郷土料理である大きなハマグリやイカ、魚のぶつ切りをフリットしたものをレモンソースをつけて食べる

 手づかみで食べるのが伝統で、食べ終わった後の手を洗うためのフィンガーボールまでついてきている

 サクッとした外の食感と魚介から出るスープが口に広がってそれがレモンソースに見事にマッチしている


「レモンソース美味し!」


 パリケルは口をソースで汚したため、いなみに拭いてもらっていた


 次はアントレ、肉料理

 パルダックという鳥肉のバター焼きにその鳥のフォアグラが乗っている

 ソースはミルクソースで、まろやかに仕上がっている


 ナイフとフォークで切り、口に運んだ


「うわ、凄くジューシーです。 皮はパリッとしてますね」


 量もそこそこあり、四人ともお腹が膨れてきた


 そしてデザートのアントルメ、甘いおかしだ

 飴細工のちょうちょで、見た目も華やか

  

 飴細工を食べ終わるころにデザートのフルーツ

 正式なフランス料理ならではの甘いお菓子とフルーツを別々に出すスタイルだ


 フルーツはマンゴーに似たコーリーという果物で、皮をむいただけのものだがまるでハチミツ漬けのような甘さがあった


 そして食後のカフェ・プティフール

 コーヒーと焼き菓子だ

 ルーナだけミルクと砂糖をたっぷり入れてもらってカフェオレ風になっている

 

「ふぅ、大満足です」


「うん、おいしかったねえ」


「あー、明日になったら別の世界に行かなきゃならないってのが名残惜しいぜな」


「そうだな」


 惜しみつつも宿に戻り、お風呂に入った後用意されたベッドへもぐりこんだ


 そして次の日、四人は新しい世界へと旅立っていった


カフェと言うのは店を指す言葉じゃないです

フランス語でコーヒーと言う意味ですよ


コーヒーを下さいは、アンカフェシルブプレです

ちなみに紅茶はテです。 アンテシルブプレです


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