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3-38

デリアルのところの神様とアナサのところの神様の名前が入れ替わってました


混乱させてしまってすいませんm(_ _"m)

 アナサは教会の前でこの世界の神であるタリオンの無事を祈っている

 教会内部は静まり返り、悪魔が復活しかかっているとは思えないほどだ


「大丈夫、かしら? 私じゃ力にならないのかな?」


 自分は下位の神の眷属になった

 それでも中位や上位の神とは天と地ほどの力の差がある

 ましてや悪魔は上位の神々と同程度の力を持っている

 アナサでは一撃で消されるのが目に見えていた


 うつむき、ルーナの到着を待っていると、教会に向けて光が落ちた

 それは上から教会を破壊していき、溶解していく教会。 その中から褐色の肌を持つ女性が現れた


「ふぅ、ようやく封印が解けたわ。 こいつ、中位の神かしら? それにしてはよく頑張った方だと思うわ」


 女性が何かを放り投げる

 転がったのはボロボロのタリオンだ


「タリオン様!」


 駆け寄って生死を確認する。 生きてはいるようだ


「あら、あらあら、かなり弱弱しいけど、あなたも神なのかしら?」


 恐ろしいほどの力の差を感じてアナサは腰を抜かし、震えた


「フフ、怖がっているのね? 大丈夫、すぐに楽にしてあげるから」


 手を伸ばす褐色の女性

 その腕から闇が吹きあがっている


「ひっ、こ、来ないで!」


 タリオンを抱えて何とか逃げようとするが、足がすくんで動いてくれない


「それじゃぁ、さようなら」


 褐色の女性は手の闇を刃に変えるとアナサへ向かって突き出した

 目をつむり、自分の体に刃が突き刺さる感触を感じた

 鋭い痛みと刃の冷たさが体を貫いて行くのを感じる。


(痛い、痛い痛い痛い痛い痛い!)


 ゆっくりと深く突き刺さっていく刃 

 口から血液が込み上げてくる


(だめ、だった。 私じゃ、だめだった。 ごめんなさい、おかあ、さん…)


 アナサはそのまま意識を失った


 やがて音が聞こえてくる

 何かがぶつかる音だ

 目を開けると、先ほどの褐色の女性がルーナと戦っているのが見えた


「ルーナ、ちゃん?」


「お、気が付いたぜな」


 自分の周りにはパリケルとリゼラスが座り、見たことのない真っ白な少女がアナサと倒れたタリオンを守るようにして立っていた


 立ち上がろうとすると、白い少女に止められた


「動かないで。 傷はふさがってるけどまだ弱ってるみたいだし。 もうすぐ戦いも終わるから」


 いなみがそう言ってすぐに決着はついた

 ルーナの圧勝で、褐色の女性は傷つけられることなく捕えられていた

 

「すぐに闇を払います」


 ルーナが手をかざし、闇を消し飛ばした


「意志のない闇なら簡単に散らせるんですけどね…」


 褐色の女性は気を失い、邪悪な雰囲気が消えた


「ルーナちゃんなの? 何よその力の大きさ…。 私と戦った時よりはるかに強いじゃない」


 神の眷属であるアナサには正確にその強さを測ることができた

 自分では決していくことのできないはるか上の高み

 通用しないと言われた理由がよく分かった

 単純に力がない

 神の力を得た今であってもそれはあの世界だけの強さだ


「そっか、通じないんだ」


 理解した。 だからこそ彼女は情報を集めることだけに専念して、戦わないと心に決めた


 しばらくすると褐色の女性が目を覚ます


「アマリリア!!」


 誰かの名前を叫ぶ


「…。 ここは? あなたたちは誰?」


 自分が何をしていたのかまるで覚えていないみたいだ


「あなたは闇に体を乗っ取られ、ここに封じられていたのです」


「私が? そうか、あの時、アマリリアを逃がして、それで」


 彼女の言うアマリリアとは自分の妹なのだそうだ

 彼女の名前はエリゼラで、やはり黒族の生き残りだった


「神々が私達を封じ、闇を断絶した? そういえば、あの時神族を見た気がする。 その時私たちは闇になすすべなく飲み込まれていく仲間たちを尻目に逃げていたからはっきりとは分からないが、あれは神族だったということか」


 アマリリアの妹の行方は全く分からないが、見つかるまで彼女にはオルファスで匿ってもらうことになった

 既に何人かの黒族がいるので安心だろう


「すみません。 このような仕打ちをした私などをかくまっていただけるなんて」


「操られていたのですから仕方がないことです。 気にしないでください」


 目を覚ましたタリオンにそう言われ、エリゼラも少し肩の荷が下りたようだ


「アマリリアさんが見つかったら連絡します。 黒族で命を落とした人は少ないと聞いてますからどこかで生きているはずですよ!」


 ルーナの励ましにエリゼラは笑顔で頷いた


「ありがとうルーナちゃん。 私じゃ、あの人を止められなかった。 私って、役立たずだね」


「そんなことはありません! アナサさんがすぐにこちらに連絡をくれたからあの人もこの世界の人も無事に救えたんです」


 その言葉でアナサは報われた気がした


(これからも、自分はサポートに徹しよう。 みんなの役にたつために)


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