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神々の捜索6

 空を舞うのは数人の少女たち

 カラフルな衣装をまとい、手にはロッドのようなものを持っている

 敵は魔物に似ているが、違う点はいかにも悪役と言った男に操られているところだろう


「なんだあれは? わずかだが神力を感じるな。 あの少女たちがこの世界のヒーローなのか?」


 少女たちはロッドから出る光で敵に攻撃している

 

「へー、あんな攻撃で敵を圧倒してんのか。 やるじゃん」


 ミナキはその様子を遠目から眺めて手をパチパチと叩く


「さてと、俺は俺の仕事をしなきゃな。 気配は…。 あっちか? っておいおいおい、あの悪人風の男からかよ。 くそっ、接触しないわけにはいかないか」


 やれやれと立ち上がり、少女たちの元へ向かった


「ていやぁ!」


「ハァアア!!」


 少女たちは掛け声とともに敵に攻撃を加えていく


「今よ!」


「みんなの夢を奪わせたりはしない! みんな、力を合わせていくよ!」


 5人の少女は自分たちの力をロッドに集約して一斉に放った


「アウラドリーム!!」


 リーダーらしき少女がそう叫ぶと、オーロラのような光が敵に降り注いだ

 魔物のような敵はその光によって粒子となって消えていった


「クッ! おのれレディアントガールズ! 次こそは負けぬ!」


 魔物を操っていた男はマントをひるがえし、その姿を消した

 

「やった! 今日も街を守れたね!」


「お疲れ様、レッド」


「ヴィオラが隙を作ってくれたおかげだよ!」


 5人はお互いを称えあう

 そこにミナキが飛んできた


「チッ、逃げたか。 あんたら、あの男のこと何か知ってるのか?」


「うそ、普通の女の子が空飛んでる…。 なんで?!」


「まさかあなたもあいつらと同じダーキング!」


「いやなんだそれ、あぁ、あいつらそんな名前なのか。 まぁそんなことはどうでもいいんだよ。 聞かせてくれ、あのバカみたいなやつはどこにいる? 俺の大切なものをあいつが持ってるんだよ」


「あなたも夢を奪われたの?」


 ミナキは違うと首を横に振り否定した


「とにかく敵ではなさそうね」


 理知的な雰囲気の紫色の衣装を着た少女がミナキを観察するかのように見る


「敵じゃねぇって。 むしろ味方? さっきのやつは何なんだ?」


「あれはダーキングと言って、人々の夢を奪う人類の敵です。 私たちは神様に選ばれた光の使者、レディアントガールズです」


「なるほどな。 この世界の神はちゃんと仕事してるみたいでよかったぜ。 信仰も失われていないみたいだしな」


 まるで別の世界から来たような口ぶりのミナキに少女たちは少し驚いた


「あなたも神様に選ばれた光の使者なの?」


「…。 違う、けどまぁそれでいいよ。 説明するのめんどくさいし」


 少女たちから情報を聞き出すと、一人ダーキングと呼ばれる者達の巣窟へと飛んだ

 気配はたどれる。 彼女から情報を聞き出したのは、ダーキングが悪魔、もしくは闇ではないか確認するためだった

 もしそうならば、ミナキ一人では骨が折れるからだ

 

「まぁ悪魔や闇じゃないなら大丈夫だな」


 ダーキングの根城はこの世界にあいた狭間の空間にあった

 普通の人間なら気づくことはないだろう

 

「さて、殲滅するか、それとも穏便に行くか、隠れるか…」


 ミナキは気配を消して内部へと侵入していった


「殲滅は任せればいいか」


 内部構造は複雑だが、気配の探れる彼女は迷うことなく先ほどの男の元へたどり着いた


「くそっ! 何故この俺があのようなガキどもに苦渋ばかり舐めさせられなければならないんだ!」


 男は魔物を操っていたタクトを見つめる


「これのおかげで俺の願いはかなえられると思ったのに。 あいつらに邪魔ばかりされる。 くそっ! くそくそくそ!!」


 癇癪を起し、机をひっくり返した

 タクトが転がり、それを拾い上げて戻した机に置いて男は部屋から出て行った


「これか」


 ミナキはタクトを持ち、しげしげと見る。 その内部からシンガの欠片と同じ輝きがあった


「なんであんたは悪人にしか拾われないのかね。 まぁそのおかげで奪うことに何の抵抗もないけどな」


 タクトを壊すと、欠片を取り出した


「これであの子らもちょっとは楽になるだろうさ」


 懐にかけらをしまう

 少しずつ集まったかけらは今ではこぶし大の塊となっていた


「回収完了。 次に向かうところに悪魔や闇がいないといいんだがな。 兄貴と違って俺はか弱いからな」


 誰に言うでもなくそんな冗談を独り言として笑い、ダーキングのアジトを出た


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