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アナサ頑張る2

 キョロキョロと周囲を見るが、先ほどまでいた自分の世界との違いがいまいちわからない

 街も近くにはなく、草むらと森、それと真っ直ぐに伸びる街道があるだけ

 

「ま、この道を行けばどっかにはつくでしょ。 それにしても異変を調べるって何をすれば…」


「聞こえますか? アナサ」


 パリケルが創った通信用機器から女神アウラスタリアの声がする


「はい、何を調べればいいんですか?」


「それに付いてなのですが、先ほどキュレスさんが封印されている悪魔と交信しました」


「悪魔? ってなんです?」


「あなたは、知らなかったですね。 かつて神々に反逆し、大戦争を起こした神々の反存在です」


「その悪魔がなぜキュレスさんと?」


「彼ら悪魔は何者かに操られていたらしいのです。 既にその証拠はルーナさんたちがつかんでおり、現に悪魔と呼ばれ、神々に封印された者達が解放され、その操っていたものを散らせたことにより本来の姿を取り戻しています。 彼らの本当の名は黒族。 私達下位、中位の神々を創った神々と同時期に生まれた、おとなしく、優しい種族です」


「その人たちとコンタクトをとればいいんですか?」


「いえ、解放されたばかりの黒族はまだ操られている危険性があります。 そうなればあなたでは対処できないでしょう」


「でしたらどうすれば?」


「居場所を把握してルーナさんに伝えてください。 彼女は黒族を開放するすべをもっています」


「なるほど、ではまず封印されている場所を探せばいいのですね?」


「はい、今全ての神々に悪魔の封印が解けかかっていることが伝えられているはずです。 その世界の神に連絡を取るといいでしょう。 どこかに神殿があるはずです。 そこで交信してください」


「分かりました」


 アナサは通信を切ると、街道を歩き、街を探した

 

 道なりにまっすぐ進み続けると大きな街が見えてきた

 遠くから見ただけだが、城もあるようだ


「大きいわね。 神殿もありそう」


 中に入り、早速神殿を探す

 街の人に神殿の場所を聞くと、城のすぐそばにあることが分かった

 

 神殿の中にはお祈りをする人々が集い、神官たちが歩いていた


「さてと」


 アナサはお祈りを始めた

 今まで神に祈りなど捧げたことはなかったが、周りの人の行動を見よう見まねでやってみる

 

 その祈りはどうやら通じたみたいだ

 頭の中で声が響く


「あなたは、異世界からの使者ですか?」


「はい、女神アウラスタリアの娘、アナサと申します」


 この世界の神であるというタリオンという神に事情を説明した

 すると、悪魔について彼も話してくれた

 

 かつてこの地で一人の悪魔が封じられたという話

 その悪魔はこの世界にたどり着いた時にはすでにボロボロだったため、上位の神にあっさりと封印された

 その場所がちょうどこの町の地下だという

 タリオンも封印が解けそうな予兆を感じており、上位の神の命で見張っていたらしい


「なるほど、もともと彼らは黒族と言うおとなしい種族、だったのですか。 それで、黒族を元に戻せる者が来てくれるのですね?」


「えぇ、彼女は黒族を正常に戻せる力を持っているらしいんです」


 そんな話をしていると、突如神殿が揺れ始めた


「な! なんなの!?」


「まずいですね、封印が、解けて…。 あなたは早く逃げなさい!」


 タリオンが目の前に顕現し、アナサ含め人々を安全な場所へと飛ばした


「タリオン様!」


 声は届かない

 神殿の外に放り出され、扉から入ろうにも神殿の入り口は開かない


「私が阻止します! その子を、早く!」


 タリオンからの声が途絶え、揺れが収まった


「ルーナちゃんを早く呼ばなきゃ!」


 アナサは急いで通信機器を起動し、アウラスタリアへ繋ぐと、事情を説明した


「分かりました。 アナサ、あなたは次の世界へとお行きなさい。 その世界のことはルーナさんに対処してもらいます」


「でも、私も何かお役にたちたくて」


「危険すぎます。 黒族は神の反存在、それだけ力も強いのです。 あなたでは…。 お願いですアナサ。 危険なことはしないで」


 懇願され、押し黙った

 

「分かり、ました」


 自分に力がないことを悔しく思いながらも、アナサは次の世界へと飛んだ


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