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3-32

 操られていた魔王は消えた

 しかし、ディゼルアの言っていたように、倒された魔王とは別に世界を手に入れようとする知識ある魔物が次々と現れ始めた


「あの時の魔王より強い者も確認されました。 現在確認されているのは12体。 それぞれが配下をつけて様々な場所で侵攻を開始しています」


 ディゼルアはこの世界の出来事ならば手に取るようにわかる

 それにより、それぞれの魔王の正確な位置を割り出した


「まずはここより東のセレルと言う街、そこの近隣にある森林地帯に大きな魔王の気配を感じます。 手下の数もすでに数万体、セレルが襲われるのも時間の問題です」


「急ごう、俺も戦う。 雑魚は任せてくれ!」


 ルーナは転移の力を使い、街のすぐ近くまで来た

 森では多数の気配を感じた

 今まさに街を蹂躙しようと、魔物たちが蠢いていたのだ

 

「多いわね。 雑魚ばっか集めて、めんどくさいっての」


 すでにルーナはサニーへとシフトしていた

 

「え? なんか雰囲気がガラッと変わったんだけど…」


 初見のデリアルは目を丸くした

 

「あ、ルーナの中には妹の魂があって、敵を蹂躙するときはその子に変わるんだぜな」


「蹂躙って…。 どんだけ強いんですかまったく」


 森に入るとすぐに魔物が襲い掛かって来た

 まだ入ってから数歩なのにもかかわらずである


「これほどまで街の近くに来ていたとは」


「じゃ、行ってくるわね」


「え? ちょっ」


 デリアルが制止するのも聞かず、サニーは走っていった

 目の前に出てきていた魔物たちを一閃し、森の奥へ奥へと消える


「あの、大丈夫なんですか? あんな小さな女の子一人で」


「見た目はああだが、あの子は一人でこの世界を消し飛ばすほどの力を持っているぞ」


「げっ」


 一人で世界一つを消し飛ばす少女

 デリアルはルーナとサニーの姉妹を恐ろしく思った


 サニーが奥に向かってから30分ほど経ち、小さな人影が現れた

 血まみれになったサニーだ


「大変だ! 血まみれじゃないか!」


 慌てて治療用のポーションを用意するが


「あ~、大丈夫、これ全部返り血だから」


 サニーはルーナにシフトすると、浄化の魔法を自らに施し、返り血を綺麗に取り去った


「うわ、ほんとに傷一つない」


「かなりの数でしたね。 あ、魔王もいましたよ。 一応倒して死体は焼却しておきました」


「…。 僕も頑張らないと」


 ルーナを見ていなみも奮い立った

 ディゼルアは次の魔王の居場所を探知

 すぐに見つけると居場所を提示した


「ここから南、国境を越えて獣人の国に入らないといけませんね。 その国の首都から反応が出ています」


 情報を得るとすぐに転移で獣人の国へと入った

 数多くの獣人が首都である街に入っていくのが見えた

 

 自分たちも中へ入ろうとしたその時、街の城の一部が突如破壊された

 崩れる塔


「もう魔王が襲撃しています! 急いでください!」


 城を攻撃していたのは三つ首を持り、腕が六本はえた狼のような顔をした男だ


「この国は俺たちがもらう!」


「手始めに国王と女王、そしてその娘をこの場で縊り殺す!」

 

「逆らう者はこうなると心せよ!」


 その手には三人の獣人が捕まっていた

 獣の魔王が手に力を込めると、三人は苦しみだし、骨がきしむ音が聞こえた


 それを見て怒ったいなみは一瞬で間合いを詰めた

 素手で魔王の腕をもぎ取る


「ぐがぁ! 腕が!!」


 吹き出す血を浴びながら三人を助け出す


「よし、人質確保!」


 三人を地面におろしたと同時にリゼラスが地面を蹴って飛び上がり、三つの首を一太刀で切り落とした


 周囲では歓声が上がった


「す、すご、俺、役に立ってないな」


 苦笑いしながらも、彼女らが味方でよかったと安堵した

 

「次はここからさらに南下してください。 翼人族の国の霊峰と呼ばれる山の上から魔王の気配がします」


 人々が口々にお礼を言う中、転移で翼人族の国へと飛んだ


 



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