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神々の捜索5

 次に降臨した世界は、人間ではなくカエルのような種族が支配する世界だった

 その世界では人間は奴隷として飼われている

 

「これまた、面白い世界だな」


 ミナキは欠片の気配を探る

 見つかれば人間と同じ姿をしているためややこしいことになると考え、カエル人たちに気づかれないよう自らの姿をカエル人と同じ姿に変えた


「ふむ、やっぱりそうなるか」


 かけらのありかはヌメヌメとした城のような場所

 全体的に土で出来ていて、たくさんのカエル人たちがうろついている


 城の前まで来ると、数人のカエル人に取り囲まれた


「見たことのない顔してる。 何者?」


「この城に、何用?」


 大きな目をぎょろつかせて質問を口々に浴びせる

 警戒と言うより興味と言った方が正しい反応だ


「ここにある欠片に用があるんだけど」


「おお、あれ見に来たか。 あれ綺麗だ。 お前も楽しめ」


「ニムに守らせてる。 あいつら頭いい、ちゃんと言うこと聞く」


 ニムと言うのは人間のことだろう

 

「こっちだ、ついてこい」


 カエル人の一人が欠片の元へと案内した

 そこには裸のニムたちが立っており、欠片を取り囲んでいた


「これすごい、凄い力持ってる」


「王様これで、ニム支配した」


「俺たちニム従えた」


 どうやら欠片を手に入れたカエル人の王がこの世界を支配してしまったようだ

 ニムと呼ばれる人間種はもともとこの世界ではカエル人たちと同等だった

 しかし、全てを手に入れたかったカエル人がかけらを手にしたことによってニム含め、他の種族を支配してしまったのだ


「こいつら、俺たちの言うことなら何でも聞く。 死ねと言えばすぐ死ぬ。 面白いぞ」


 そう言うと、カエル人はニムに何かを命じた

 それにより、ニムの男性がその場に落ちていた石の塊で自らの頭を穿ち始めた

 血まみれになろうとも自分を傷つけることをやめない


「おい、なにやらせてんだ! やめさせろ!」


「なぜだ? 面白いぞ? もっといろいろやらせようか?」


 また何かを命令する

 すると、今度はその場にいたニムたち全員が踊り始めた

 血まみれになった男もだ

 血まみれの男は死にかけているにもかかわらずである


「まて! どうしてこんなことをさせるんだ!」


「こいつら、俺たちより頭いい。 でも、俺たちの方が支配した。 当然の権利」


「胸糞わりぃな。 おまえら、滅んどくか?」


 ミナキは怒りに震え、正体を現した

 

「ニム! こいつニムだ! こいつも支配下に置こう。 裸で躍らせる。 きっと面白い!」

 

 ゲコゲコと笑うカエル人、そこに王らしきカエル人が現れた


「王様来た! 王様、こいつを支配してください!」


「ニムか、まだ支配していないのいたか」


 王は安置された欠片を自らの錫杖につけると、ミナキに向かって洗脳波を放った


「ほれ、服を脱いで踊れ」


 王が命令する

 しかし、ミナキは動かない


「何してる。 早くしろ」


 ミナキは動き出した

 一瞬体がぶれると、手に何かが出現していた


「兄貴の体をこんなことに使いやがって」


 怒っている

 周囲は空間ごと震え始めていた

 その彼女の手にあったのは王の首


「ぐ、げぇ? 王様、頭ない」


 吹き出す緑色の血


「王様、死んだ。 次は俺が王様なる!」


 錫杖を奪ったのはすぐ近くにいたカエル人だ


 しかし彼が力を振るう前に、彼の腕は錫杖と共に消えた


「ぐげが! 俺の、腕なくなった!」


 その真横にはすでにミナキが立っていた


「他者を虐げるお前らは生きている価値がないと判断された。 神の裁きを受けよ」


 ミナキが指を天高く上げ、振り下ろした


 天に雷が光り、落ちた

 稲妻は全てのカエル人を撃ちぬき、この世界から彼らは絶滅してしまった

 これが神の裁き

 それにより、ニム含めすべての種族が正気に戻る


「兄貴、俺の判断だったけど、俺は間違っているか?」


 シンガの欠片は否定するように震えた

 

「そうか、ついカッとなって一つの世界の種族を絶滅させた。 カエル人の祖神は怒るだろうな」


 欠片はそれも否定する

 この消滅は正当な理由だからだ

 立場が逆だった場合、ニムの方を消していただろう

 

「まぁでも、兄貴が回収できてよかったぜ。 じゃぁ、次に行くか」


 ミナキは欠片をしまうと、この世界から去った


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