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3-30

 目を覚ますと俺は赤ん坊になっていた

 今まで特にこれと言って上がり下がりのない人生だったが、どうしてこうなった

 確か、あの時俺は強盗に襲われて、刺されたんだっけ

 もう痛みはない

 あの時銀行に行ってなければ

 出しゃばったマネなんてしなければ、俺は今も平和に暮らしてたんだろうな

 でも、あの時は体が勝手に動いたんだ

 子供を人質にとったあいつらが許せなかったんだ

 あの時の子供は無事なのか?


「大丈夫、無事ですよ」


 無事なのか、それならよか…

 誰?


「私はこの世界の神ディゼルアです」


 優しそうな男の声だ

 

「あなたは残念ながら死んでしまいましたが、あなたのおかげで動揺した強盗達は突入した警官隊に取り押さえられ、あなた以外の死傷者を出すことなく解決しました。 あなたはあの場でヒーローとなったのですよ」


 いや、死んでヒーローって言われてもなぁ

 

「さて、ヒーロー君、君はあの世界の神によってここに魂のみを運ばれ転生しました。 喜びなさい。 さらにヒーローにふさわしい力を手に入れたはずです」


 力?

 もしかして、転生特典みたいな?


「そうです。 あなたの場合は前世で見たことのある戦い方、力等ならどんな能力でも使えるという能力です」


 いやそう言われましても、俺、空手くらいしか知りませんよ?

 漫画や映画みたいな特殊な力も使えるとかなら喜びますけど


「使えますよ」


 へ?


「空想の力だろうとこの世界では実現可能です。 見たことのある能力でしたらね」


 じゃぁ俺が今まで読んできた漫画やラノベの能力が使えるってことですか?


「その通りです。 そしてその力でこの世界を救ってください」


 世界を救う?


「はい、この世界を支配しようとたくらむ邪悪な者がいるのです。 我が子らでは太刀打ちできる者が少なく、あなたの力がどうしても必要なのです」


 でも、なんで俺なんです?


「あなた方の世界には魔法などはありませんよね? それはあなた方の世界に魔力が極端に少ないのと、魔力を扱える人がいないからです。 そのため異世界に渡ったあなた方は初めて魔力に触れることで途轍もない力を得るのです」


 なるほど、俺もそう言った一人ってことですか


「ですから、あなたにこの世界の命運を預けたいのです」


 話は分かった

 俺にできることがあるなら、やってみようと思います


「よかった。 あなたには私の加護を。 この世界の言葉を理解できるようになる力と、相手の強さを測る力を差し上げます」


 助かります

 

 こうして俺は神から加護をもらい、この世界で赤ん坊からやり直した

 

 それから12年

 成長した俺は旅に出ることにした

 この世界の両親は一般的な庶民で、パン屋を営んでいた

 しかし、俺には魔法の才能も、この力もあった

 現在暴れ始めている魔物の王、魔王を倒すために旅立つのだ

 12歳ではまだまだ戦うには早すぎる

 しかし、それだけの実力があると判断した両親は、苦しいながらも俺を送り出してくれたんだ


「じゃぁ、俺、行ってくるよ。 必ず魔王を倒して戻ってくる!」


「必ず無事帰ってくるんですよ。 デリアル」


 俺の名前を呼び、心配そうに送り出す両親

 何年かかるかは分からない

 だけど、俺はこの世界を平和にしてやると決めたんだ


 こうして俺は旅に出たんだけど、旅に出てすぐに、魔王、倒されちゃった

 倒したのは女の子ばかりのパーティ

 圧倒的だった

 俺も伝え聞いただけだったが、なんでも、魔王がこの世界で一番大きな国の首都に現れ、姫を攫って、私がこの世界を支配する、みたいなことを言った瞬間に、一人の羽の生えた女の子に殴り飛ばされて消滅したらしい


「ははは、なんだよそれ、俺の旅、始まる前に終わっちゃったよ…」


 魔王もショックだったろうな

 これから世界を支配しようとした矢先にいきなり死んだんだから


「まぁいっか、幸い俺ってばこの世界では無双できるはずだし。 両親を手伝いながら魔物退治でもしてゆったり暮らすかな」


 割り切った

 もうこの世界で平和に余生を過ごそう

 でも、一度だけその魔王を倒した少女に会ってみてもいいな

 そして俺は王都へ向かうことにした




「何だったのでしょう? 今の喋る魔物は」


「さぁ? 人を攫ってたから倒したけど、そんなに強くなかったから特に問題ないんじゃない?」


 ルーナといなみはこの世界の住人が効けば卒倒しそうな会話をする

 一撃で倒されはしたが、あれはこの世界でも最強だった

 

「まぁ、魔王とか言ってたし、姫様攫おうとしてたし、倒しておくにこしたことはないぜな」


「もう少しで魔力はたまりますが、ここでちょっと休みましょう。 お腹もすきましたし」


 5人は魔物を倒して素材を売ったお金で食事をとり、宿でゆっくりと休んだ


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